出産当日
at 2002 06/16 13:46 編集
5月27日深夜、何度もトイレに駆け込む。
ずっと水が降りているような感じで、下着がびしょびしょ。
失禁とは明らかに違う。
「おかしい。破水したかも」と思った矢先、血性のおりもの(粘膜)がおりる。
「あ、おしるしがきた。今日中に陣痛が来る」28日未明、夫をたたき起こす。
「破水した。病院行くよー」と言うと、夫はのそのそと起き出して息子を起こしていた。
病院と実家に電話をし、入院用の荷物を持って車に乗る。
午前3時ごろ、病院に到着。
自宅から病院までは3分程度(なんて近いのだ!)。玄関で助産婦さんが待っていてくれた。
すぐに診察するが、どうも羊水が出たわけではないようだ。
一応、おなかにモニターをつけて、陣痛の間隔を計る。
自宅にいるときや診察しているときはどうもなかったのだが、すでに3分おきに陣痛が来ていた。
だんだん痛みが強くなってくる。
しばらくして母が来た。
息子を実家に連れて帰ってもらう。
3分が2分にと間隔が短くなると同時に、鳥肌が立つような痛みが襲う。
「うわ!こりゃたまらん」それでも痛みが引くときは、まだ夫や母と話す余裕はある。
「やっぱり破水してますね。髪の毛があたってる」と、診察した助産婦さんが言う。
と言うことは、もうすぐそこまで胎児が来ているということか・・・。
胎児が旋回しているのがわかる。
おなかの中がぐるっとまわる。
午前8時、分娩室に運ばれていく。
「うわ!いよいよだよー。しかし、この痛みはなんとかならんのか!!」と、非日常的な状態に自分がいるにもかかわらず、どこかで冷静になっている自分がいるのだ。
また、そうでないとお産なんてとてもじゃないが乗り切れない。
分娩台にあがる。
待機した看護婦さんや助産婦さんが「頑張りましょう!」とにこやかに声をかける。
どうでもいいが、まだ完全に子宮口が開いてないから、いきめないんだと。
なにがつらいかって、いきめないのが苦しい。
子宮口も全開し、先生が入室してきた。
「はい、息止めて!目を開けて!」陣痛の波にあわせていきむ。
「あ。今、痛みが引いてます」「はい、じゃあ、体を楽にして」と、腕や腰の力を抜く。「あー、来ました」「はい、いきんでー」
もう少し、あと少し。
先生がおなかの上を手のひらで押している。
「痛み止めの注射を打ちます」ということは、切るんだな・・・。
と思ったらパチン!と切る音がする。(裂けないように切っておくのだ)
あ!と思ったら、あれだけ痛かった腰や腹の痛みが、すーっと引いた、と同時にやっと産声を聞くことができたのだ。
「おめでとうございます」「赤ちゃん、抱っこするから」と、おなかの上に広げられた防水シーツに、生まれたばかりの赤ん坊が乗せられた。
「あー。生まれたよ、よかったよかった」我が子の顔を見てほっとした。
「あ!!ついてない!女の子だ」これには私も驚いた!
うれしいはずなのに汗びっしょりで、涙の分まで体の中に水分が残ってない。3058グラムの女の子。無事に生まれてきたことに感謝・・・。
出産当日その2
at 2002 06/24 13:26 編集
出産してすぐは、分娩台の上で1時間ほど休む。
その間に、生まれたばかりの赤ちゃんの身長や体重を計ったりしている。
手足をバタバタ動かしながら、巻き尺で頭囲を計ってもらっている我が子を見て「この光景は一生忘れない。目に焼き付けておこう」と深く心に刻む。
子供を産むことなんて、これから先あるのだろうか・・・。
臍帯をゆっくりと引き出すと、胎盤が排出された。
自分の体内から出てきたにもかかわらず「気持ちわるー」と感じてしまった。
これも、もう見る機会がないだろうな。先生が切開したキズを縫合する。ゆっくりと汗が引いていく。
「お乳を吸わせますね」と、看護婦さんが再び私の胸の上に赤ちゃんを連れてくる。
まだ母乳は分泌されないのだが、生まれたばかりなのに懸命に吸い付いている。
しばらくすると、分娩に隣接する家族待合室から、母と夫が出てきたみたいだ。
分娩室から新生児室に我が子が移される。「わー」と、母と夫の歓声が聞こえる。
新しいパジャマに着替え、分娩室から病室へ。
ぼーっとしてしまい、何も考えられない。食事を摂り、そのまま眠り込んでしまう。
今日は、娘の誕生日。
今年で5歳になる。
当時の出産の記録を見つけたので、改めてここで公開します。