続いて「Fireball」から 「Strange Kind of Woman」。
日本盤には収録されているこの楽曲も、ノリノリで観客も手拍子をしていく。
イアン・ギランとスティーヴ・モーズ。
正直、ここまでスティーヴ・モーズがこのバンドに在籍するとは思わなかった。
こんなに長く続くなんて・・・。
でも、同時に「彼でよかった」という気持ちも強く、今のメンバーの表情を見ていると本当にそう感じる。
そして、スティーヴ・モーズが加入してからのアルバム「Purpendicular」からの「Sometimes I Feel Like Screaming」。
意外に私はこのアルバムが好きで、96年当時、よく聴いていた。
その時のツアーでも、もちろん、この曲は演奏していたのだが、再び聴くことができるとは夢にも思わなかった。
何度も繰り返しながら違う表情を見せるギターのリフがとても印象的だが、今日は若干短め。
それでも、イアン・ギランとロジャー・グローヴァ―、スティーヴ・モーズが肩を寄せ合って歌い、コーラスを添える姿は、リッチー・ブラックモアが不在でもここまでバンドを続けて、ロックをやってきたんだ!という自負があるのかは、私がそう思っているだけなのだろうけど、リッチー・ブラックモアの後任が彼だったからこその光景なのだろう。
そして、またこの曲が本当にいい曲なんだよな!!
壮大なこの曲のあとに、またしても、壮大な楽曲に続く・・・。
ジョン・ロードが亡くなった後に発表されたアルバム「Now What?!」より「Uncommon Man」。
ドン・エイリ―のキーボードがとにかく素晴らしく、近年の楽曲だとイアン・ギランの声もよく出ている。
無理しないのがよくわかる。
今回、ドン・エイリ―を初めて見た。
実はDEEP PURPLEは、今回で4回目だが、それぞれ全部メンバーが違う。
ドン・エイリ―、とても楽しみにしていた。
ずっと「深紫近辺」にいながら(苦笑)、なかなか見ることができなかった。
イアン・ギランが「ジョン・ロード」とジョンの名前をMCでさらっと呟き、天を仰いだ時、涙が出てきた。
ジョン・ロードはもういないのだが、ほかのメンバーはこんなにも元気に活動しているよ。
再び、ジョン・ロードを見ることは叶わなかったが、ジョンの魂はきっと今のメンバーの中に、そして、ここにいるみんなの中に生き続けているんだよ・・・。
そして、お馴染みの軽快なメロディは「Machine Head」からの「Lazy」。
これもライブでは欠かせない楽曲だ。
それまで感じていなかったのだが・・・。
実はここで、スティーヴ・モーズが奏でた最初のリフを聴いて「ああ、そうか!リッチー・ブラックモアじゃないんだ」と、頭をよぎった。
「Sometimes I Feel Like Screaming」「Uncommon Man」と、リッチー・ブラックモア不在時の楽曲のあとなので、余計にそう感じたのかもしれない。
でも、決してスティーヴ・モーズが悪いとかそんな気持ちではなく、どうしてもリッチー・ブラックモアがいた当時のものは、彼を無意識に探している自分に気が付いたというのか、その感情を抱いた自分に一瞬戸惑ってしまった。
イアン・ギランのハーモニカも飛び出し、軽快に、でも重厚に奏でる今の彼ら。
そして、この5人がとてもうまくやっていることは、紛れもない事実だ。
その4へ続く。