なんだかんだで、ようやくというか無事にというか、この日を迎えることができた。
早く開花した桜は、すっかり散ってしまって葉桜になっていたが、もうすぐしたら瑞々しい新緑の季節になるだろう。
晴れの一日。
今日は入学式。
真新し制服と制帽に身を包み、新入生が校門をくぐる。
私の母校ではないのだが、息子は自分で決めた高校に、無事に合格することができ、この日を迎えることが出来た。
なんというか、ある意味奇跡だよな・・・。
K高校は、体育館ではなくて、立派なホールがあり、入学式はここで行われた。
吹奏楽部の演奏はとても立派で、何度も全国大会に出場しているだけあって、かなりのレベルの高さである。
校長の「入学を許可します」という「入学許可宣言」があり、晴れてK高校生となった。
新入生の名簿と職員の名簿を見てびっくり・・・。
息子のクラスの副担任は、私が高校3年生の時の担任だった・・・。
・・・うわ・・・S先生・・・お元気で・・・。
25年の時を経て、まさかこんな形で先生の名前を見ることになるなんて。
そして教室へ戻り、学活。
息子の担任、副担任、ともに男性の先生で、特に副担任はK高校出身ということもあり、愛校心あふれる若い先生だった。
「よくばってください。この学校では何でも叶います」
部活で全国大会に出場すること、運動会で一致団結して優勝すること、三年感無遅刻無欠席皆勤になること・・。
有名大学への合格者も多数輩出し、文武両道で鍛えられるこの学校は、息子に合うのか、不安も大きいが・・・。
学活が終わり、隣のクラスを見てみた。
教室にS先生がいる。
「S先生。ご無沙汰してます」
「おお!高校の時がよみがえるね!!」
思い切って話しかけたら、S先生は私のことを覚えていてくださった。
しかもフルネームで。
「息子が入学しました」
「おお、そうか!よろしくね」
「はい!」
息子はぺこりと頭を下げた。
当時20代後半~30代前半だったS先生は、50代半ばだろう。
元気で活躍されており、本当に嬉しい限りだった。
「お母さん。よくS先生はお母さんを覚えていたね。ま、高校生の時とおんなじ顔やもんね」
「・・・・・・・そうか??」
・・・たしかに高校時代と大差ない顔立ちだが・・・。
校門前で写真を撮り、一緒に載せてってもらったご近所のきういさんと帰宅。
写真を見たら、なんだが「K高校の制服を着た中学生」みたいだった。
これから、どんな高校生活が待っているのだろう。
かつての私がそうであったように、かけがえのない時間を過ごして欲しい。
入学おめでとう。