今年は、祖父の初盆。
昨年秋に96歳で亡くなった。
天寿を全うしての最期だったし、苦しむこともなく静かに逝った。
それでも母はしばらく落ち込んでいたが、仕事やギターも復帰し、宝塚の舞台を見に行くなど、徐々に日常に戻っていった。
祭壇も手作りで、立派なものを組み立て、私もちょこちょこと実家に寄って、手伝いなどしていた。
家族葬だったし、祖父も高齢なので、お参りに来た人も組内の人だったりが大半だった。
夜、実家の組内での盆踊り。
ふと、その輪に祖父がいないことに気づく。
元々、躍りもしていたし、生け花の先生でもあったから、祖父は地元では有名だった。
「ああ、Mさん、亡くなりんしゃったんやねえ」
と、持参した遺影に、近所の人が手を合わせる。
「いっつも、盆踊り、踊りよんしゃったがあ」
……うん。
今年は、踊られる側になってしまったよ…。
今回、初めて遺族席に座ったが、胸がいっぱいになった。
きっと、みんなが元気でいることを、喜んでくれていると信じたい。