今年、年女の私。
年齢的にも、若い時のようにいかなくなっており、人生の折り返しも過ぎて、そろそろガタも来そうなお年頃。
子ども達も、息子は成人し、娘も中学を卒業する。
ホッとするにはまだまだかかるが、年女という区切りの中で、今年はきちんとお参りをしようと密かに決めていた。
職場地元の「櫛田神社」。
博多祇園山笠でにぎわう、あの櫛田神社である。
夏、飾り山の写真を撮ったときに、櫛田神社には寄ったのだが、それも偶発的だったので、地下鉄から地上に出ての道のりをはっきり覚えていない。
娘から「お母さん、全然だめやん。こんなんやったっけ?櫛田神社、行ったことあるんやろ?」
「あるけど、偶然たどり着いたもん」
・・・・もうだめですな。
一人で行くよりも、娘も誘おうと思っていたが、なんだかいろいろ悪かったかも。
しかも、寒いし。
お参りできればということと、豆まきも見てみたいということと、櫛田神社への出入り口にある「おたふく」のお面の写真を撮ることも目標にしていた。
3種類あるので、3種類とも制覇しよう!と思ったが・・・。
中洲川端の商店街からの櫛田神社は、
人人人!!
そうそう。夏はここからたどり着いたんだった。
(この場所にたどり着いて思い出している人)
櫛田神社内は、かなり混雑していた。
時々、裃を着た「どう見ても一般人」がおり、豆まきの受付をしているようだった。
娘が
「お母さん、年女やろ?ここで行かなかったら、後悔するんやない?次は60歳やろ?60歳になって、こんな豆まきする??」
おお!それもそうだ!
ここまで来て、おたふくのお面の写真撮って、お参りだけして帰るのはもったいない!
ここはぜひとも、
年女という12年に一度の機会を、充分に堪能しようではないか!!(この辺が単純)
「ここで待っとって!行ってくる!」
と、意気揚々と受付に向かって申し込んだら・・・。
「初穂料として一万円になります」
・・・・しまった!初穂料とか、全然気にもせず、一気に受付に来ちゃったよ・・・。
そういえば朝、ふと予感がしたんだ。
天の声かなにかは不明だが
「一万円、余分に持っていけ!」と、頭をよぎったのだった。
お正月に、お節料理を準備したりなどで、義父からお小遣いとして一万円いただいていたんだった。
よし!これを、この初穂料に充てる!
一生の思い出にしよう!!
受け付けて、荷物を預け、そのまま建物の奥まで通されて、今度は着付け。
初めて「裃」を着た。
まぁ、服の上からだが。
さらに別の部屋に通され、今度はお神酒をいただく。
「こちらに、ご住所とお名前、職場の役職など記載されてください」
ということで、自分の住所と名前と職場を記載。
これがそのまま、祝詞で読まれるそうだ。
紅白のボールと油性ペンを手渡されて、それぞれに自分の祈願を書き込む。
私は
「健康」「平和」と書き込んだ。
その後、神殿へ。
この時間の受付者、約30人ちょっとの名前と住所、役職を読まれる。
・・・私、時間ギリギリだったので、一番最後だった。
祝詞をあげていただき、祈願。
神聖な気持ちになる。
が!ここで、スマホで撮影する人もいるからなぁ。
さすがに、ここではスマホ出してないので、写真はない。
長い廊下を歩き、草履を吐いて外に。
娘がぽつんと立って待っていた。
「なっちゃん!」
「お母さん!
お金持ってた??」
「は?」
「お母さんが入っていった後に、一万円と知ってからさー。心配になってLINEしたけど、全然返事も来ないし、お母さんもずっと出てこないし」
「あー、ごめん。あとで話すわー。今から豆まきだよ」
「うん」
娘、本当にごめん。
列に戻って、境内を。
升を手渡され、豆が入った小袋を升に盛る。
高台に上ると・・・。
なんですか!この光景は!!
ひえーーーっ!!
ここでまた、今回の豆まきの「撒き人」の紹介があり、先ほどの祝詞同様に、一人ずつ紹介される。
思いっきり、私の職場も「書いていたから」呼ばれた。しかも最後に。
最初にお参り、そして、紅白のボールを投げたら・・・。
豆まき!!
下で参拝客が一斉に手を伸ばす。
ひえーーーっ!
升には、どんどん豆の小袋が追加される。
いやいや、こんなところから、自分が豆をまこうとは、夢にも思わなかったよ!!
ふと、娘が心配になった。
どこにいるんだろう?大丈夫かな?
そして、豆まきの時間が終わり、博多祝いめでたと一本締めで、終了。
先ほどの順番から遡り、裃を脱いだあと、記念品をいただいて解散。
娘と合流した。
「お母さん、めっちゃ楽しそうやったけど」
「ほら」と、写真を見せてもらった。
なんだ、撮ってくれていたんだ。
上記の豆まきしている私は、娘が撮ってくれた。
「よかったね。楽しかったろう?お腹空いたね。満足した?」
「・・・うん」
どっちが親で、どっちが娘か。
櫛田神社を後にし、地下鉄に乗って博多まで戻った。
・・・続く。
記3月21日