りとるぱいんわーるど

ミュージカル人形劇団“リトルパイン”の脚本の数々です。

“ワンダフルToday!―君と僕の新しい出会い―” ―全11場―

2012年06月17日 20時17分57秒 | 脚本


      


 
     〈 主な登場人物 〉

     ジュリー ・・・ 本編の主人公。

     プッチ ・・・ ジュリーの愛犬。

     村長 ・・・ 犬の王国に住む犬。

     アナベル ・・・ 村長の娘。

     ジュリーの父と母。

     犬たち。



 ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪


         開演アナウンス。
         音楽流れる。(幕が開く。)

    「人間世界から隔離されたかのような隠れた山間に、外
    からは一見分かり難い不思議な場所がありました。一歩
    足を踏み入れたその場所には、明るく賑やかな、とても
    楽しそうな村があったのです。人間達から隠れるように
    造られたその村は・・・ワンダフルな・・・犬の王国だったの
    です。」

    ――――― 第 1 場 ―――――

         山間の村の風景。
         犬たち、楽しそうに歌う。

         “ここは犬の国
         危険な人間世界から離れ
         みんな幸せに暮らすパラダイス
         今 希望満ち同じ仲間同士だけで
         生きるそこは素敵な楽園
         犬の為の王国
         心安らぐ隠された
         誰も知らない僕たちの
         素敵な場所だ
         犬ならば 誰でも住める
         王国だ”

         その時、村長とアナベル、下手より登場。

  犬1「あ!!村長さんとアナベルお嬢さんだワン!!」
  村長「今日も変わったことはないかワン?」
  犬たち「はい、村長ワン!!」
  村長「うむ・・・」

         犬たち歌う。

         “ここは犬の国
         豊かで実り溢れてる
         ただひっそり
         誰にも知られず
         築き上げた犬の王国だ
         実り多い楽園”

  村長「さぁ、そろそろ来年の作物の準備を始めるぞワン。」
  犬2「はいワン!!」
  犬3「ワン!!」

         その時、上手より犬4の声が聞こえる。

  犬4の声「大変だー、ワン!!」

         上手より犬4、走り登場。

  犬4「(息を切らせて。)村長!!大変だ・・・ワン・・・。」
  村長「何事だワン。」
  アナベル「どうしたの?ワン。」

         その時、犬5に抱えられたノラ犬(プッチ)、
         息も絶え絶えな様子で登場。
         (中央、倒れ込む。)

  アナベル「キャーッ!!」
  犬1「どうしたんだワン!!」
  犬2「どうしたの?このノラ犬ワン!!」
  犬4「それが村の入り口の川辺に倒れていたんだワン!!」
  アナベル「お父様!!酷い怪我ワン!!」
  村長「早く私の家へ連れて来なさいワン!直ぐに手当てをしよ
     うワン!」
  犬5「おい、しっかりしろワン!!」
  犬3「ワン!!ワン!!」
  犬たち「ワン!!ワン!!ワン!!」
 
         犬たち、騒ぎながら下手へ去る。
         紗幕閉まる。

    ――――― 第 2 場 ―――――

         紗幕前。音楽流れ上手よりジュリー、
         走り登場。

  ジュリー「プッチー!!こっちよー!!早く来てー!!」
  
         犬のプッチ、上手より嬉しそうに走り登場。

  プッチ「ワンワンワン!!」
  ジュリー「(笑う。)プッチ!!やめてよ!!やめてったら!!く
       すぐったいわ!!」
  プッチ「ワンワンワン!!」
  ジュリー「(笑う。)プッチ!!プッチ!!大好きよ!!」

         ジュリー歌う。

         “あなたが一緒なら
         私 何も欲しがらないわ
         一緒にいるだけで
         私は幸せだから
         いつまでも2人で”

         プッチ、心の歌声。

         “僕はいつも君の側にいるよ”

  ジュリー「プッチ!!行くわよ!!」
  プッチ「ワンワンワン・・・」

         ジュリー、下手へ走り去る。(音楽フェード・アウト。)
         プッチ、下手方へ行きかけるが、
         上手方に気を取られ立ち止まる。
         (プッチ、下手へ一旦去る。)
         上手よりジュリーの父と母、話しながら登場。


   
          (左・ジュリー父、 右・ジュリー母)


  母「あなた・・・。どう考えても今度の引っ越し先は、自然溢れる
    こことは違って都会過ぎますわ。新しい住まいも、町の中の
    高層マンションなんですもの。犬を連れて行くことは・・・」
  父「そうだな・・・。プッチには可哀相だが、どこか引き取ってくれ
    る新しい飼い主を捜すことにするか・・・。」
  母「ええ・・・」
  父「これからのジュリーの学業のことを考えると、田舎の一軒家
    より都会の方が、環境も整い絶対にいいだろうからな・・・。」
  母「そうね・・・。」

         父、母、上手へ去る。
         プッチ、下手より2人の話しを聞いていたように
         登場。(音楽流れる。)


   
                     ※



  プッチ「僕・・・どこかへやられるんだ・・・。ジュリーと一緒には行
      ないんだ・・・。離れ離れになってしまうんだ・・・。」

         プッチ歌う。

         “大好きな君
         ずっと側にいつも
         離れることなく       コーラス“いつも
         そう信じてた”             側に”

         プッチ、淋しそうに下手へ去る。
         ジュリーの声が聞こえる。

  ジュリーの声「え・・・?おばあちゃんのお家へ連れて行ったプッ
          チがいなくなったですって!?どうして新しいお家
          へ一緒に連れて行っては駄目だったの!?どうし
          てプッチをおばあちゃんのお家へ連れて行ったりし
          たの!?どうして・・・どうして私に黙って、プッチを
          連れて行ってしまったの!?パパもママも大っ嫌い
          !!」
  母の声「ジュリー!!」

         紗幕開く。と、森の風景。
         ジュリー上がる。

  ジュリー「私・・・プッチを捜しに行くわ・・・!」

         ジュリー歌う。

         “大好きだから
         大切な友達
         ずっと側にいつも
         一緒にいてね
         あなたを捜す
         きっとこの私が
         だから待っててね     コーラス“きっと
         心配ないわ”              捜す
                               あなたを・・・”

  ジュリー「(回りを見回して。)確かこの辺りに・・・どんな薬でも作
       ってくれる魔法使いのおばあさんがいるって、ママに聞
       いたことが・・・」

         後方、木が割れるように左右に開くと、
         一軒の小屋が現れる。

  ジュリー「あ・・・こんな所に小屋が・・・」

         (音楽変わる。)

    ――――― 第 3 場 ―――――

         扉の開く音(“ギィーッ”)と共に、小屋が
         下がると、小屋の中の風景。
         一人の老婆、後ろ向き上がる。 ※2


   


  ジュリー「こんにちは・・・」
  老婆「(ジュリーを見る。)・・・何か用か・・・」
  ジュリー「・・・ここが・・・どんな薬でも作ってもらえるお薬屋さん
       ・・・?」
  老婆「いかにも・・・。お望みとあらば、人間をひき蛙に変える薬
     でも作ってやろう・・・。(笑う。)」
  ジュリー「人間を・・・。私・・・犬になりたいの!!おばあさん!!
       どうか私を犬に変える薬を作ってちょうだい!!」

         老婆歌う。

         “望みとあらば
         信じられないような
         薬だとしても
         作ってやろうぞ・・・”

  老婆「ただし・・・金貨100枚じゃ。」
  ジュリー「え?」
  老婆「“え?”なんじゃ、その驚いた声は。ここは薬屋じゃ・・・。
     ただで薬をもらえるとでも思ったか。」

         ジュリー歌う。

         “お願いします
         私を犬にして
         薬を作って下さい
         私に”

  老婆「金貨100枚払えば、犬にでも猫にでも・・・何にでも変わ
     れる薬を作ってやろう。」
  ジュリー「私・・・ここに今までお小遣いを少しずつ貯めた、金貨
       10枚持って来たの・・・。どうかおばあさん・・・この金貨
       10枚で私に・・・」
  老婆「10枚じゃと!?笑わせるでないわ。」
  ジュリー「私どうしても犬になって、犬の王国へプッチを捜しに
       行かなけりゃならないの!!」
  老婆「わしには関係ないわ。」
  ジュリー「おばあさん、お願いします!!どうか・・・どうか私を犬
       にして下さい!!」
  老婆「ふん・・・」
  ジュリー「どうかお願い・・・優しいおばあさん!!」
  老婆「そんなおべんちゃらを言ったところで、駄目なものは駄目
     じゃ・・・!!しかし・・・そこまで言うのなら・・・金貨10枚分
     の薬を作ってやってもいいがのぉ・・・。」
  ジュリー「本当!?おばあさん!!」
  老婆「その代わり・・・薬の効き目は金貨100枚分の10分の1
     ・・・10時間じゃ・・・」
  ジュリー「それでもかまわないわ!!」
  老婆「10時間経てば、おまえは人間の姿に戻る。そのことを忘
     れんようにな。犬の王国で人間の姿に戻ると言うことは、そ
     の命の保証もないと言うことじゃ。なんせ犬の王国の犬た
     ちは、ここら辺のノラ犬たちよりたちの悪い、自分たちの不
     遇は全て、人間のせいだと考えておるような犬たちばかり
     じゃからな。だが同じ仲間だと思われれば、あそこ程楽しい
     場所もないであろう。まぁせいぜい10時間の間、その犬の
     王国を楽しんで来るんじゃな。」
  ジュリー「ありがとう!!おばあさん!!」

         (音楽フェード・アウト。)
         紗幕閉まる。

    ――――― 第 4 場 ―――――

         上手よりジュリーの母、慌てて登場。

  母「あなた!!あなたー!!」

         下手よりジュリーの父、登場。

  父「どうしたんだ?」
  母「あ、あなた!!大変ですわ!!ジュリーがプッチを捜しに行
    くと言って、私が止めるのも聞かず、家を飛び出して行った
    んです!!」
  父「何だって!?」
  母「あの子、プッチのことが本当に大好きだったから・・・。おばあ
    様の家からいなくなったことを知って、ものすごく泣いて・・・
    それで!!一体どこへ行ったのかしら・・・!!」
  父「直ぐ警察に電話しよう!!」
  母「そうだわ・・・もしかして・・・」
  父「どうした?」
  母「あの子が小さい時によく話して聞かせた犬の王国・・・そこへ
    行ったんじゃ・・・」
  父「犬の王国だって?」
  母「ええ・・・。そんな場所ある筈ないのだけれど、小さい時から
    あの子は心から犬の王国なんて場所があるんだと信じてい
    ましたから・・・。プッチもいつかそんな素敵な場所へ行けた
    らいいなって・・・。あの子・・・犬の王国へ、プッチを捜しに行
    ったんだわ!!」
  父「ジュリー・・・」

         紗幕開く。

    ――――― 第 5 場 ―――――

         幻想的な音楽流れる。
         スモーク流れ、木々で覆われた森の
         ような風景。     ※3

      コーラス“犬たちだけ”

         (音楽フェード・アウト。)
         音楽変わる。
         木々が割れるように開く。と、明るい村。
         (犬の王国。)犬たち歌う。

  犬1「(下手より登場。)おーいワン!!」
  犬2「(上手より登場。)みんなーワン!!」

      “ここは犬たちの国だ”    コーラス“犬たちの
                              守られた”
      “ここにいれば”              “安心だぜ
                              安全だから”
      “ここは犬たちの国だ”         “犬たちの
                              守られた”
      “ここにいれば”             “平和で
                              幸せ
                              楽しく
                              暮らせる”
      “犬たちだけの国”
      “犬たちの国だ”
   
         そこへ下手より、犬の姿に変わったジュリー、
         わくわくしたような面持ちで登場。
         犬たちの様子を楽しそうに見ている。

  犬3「誰だワン?」
  犬1「新入りワン?」
  犬2「あなたも人間に捨てられたのワン?」
  ジュリー「私、プッチって言う犬を捜しにやって来たの!!ここの
       国に来てないかしら!?」
  犬2「プッチ・・・?」
  犬1「知らないなぁワン・・・」
  犬3「・・・そう言えば・・・2、3日前に傷だらけで現れたノラ犬が、
     この国へやって来て村長のところへ連れて行かれたが・・・
     まだ目が覚めないって・・・ワン。」
  ジュリー「え・・・?」
  犬1「名前は分からないけど・・・君が捜してる犬がそいつなら、
     まだ村長ん家で傷の手当てをしてもらってるぜワン。」
  ジュリー「本当!?」
  犬2「ええワン!」
  ジュリー「お願い!!私をその村長さんのところへ連れて行って
       !!」
  犬3「おやすいごようさワン!」
  犬1「さぁ、こっちだワン!」     








 ――――― “ワンダフルToday!
       ―君と僕の新しい出会い― 2へつづく ―――――










   ※ ここで、犬形のお人形から、人形(ひとがた)のプッチくん
     に変わります(^^)

   ※2 この“老婆”、ご存じクリフ作品の魔法使いと同一人物
      です(^^)v
      時期的には、ジュリーちゃん作品の方が先で、まだこの
      頃は金貨の枚数に応じて、薬の質を変えはしても、作っ
      てあげないなどと意地悪の言わない、それなりの薬売り
      のお婆さんでした^^;
      でも、ジュリーちゃんも後で分かりますが、薬の利き目が
      切れて、人間に戻ってしまったりするのですが、クリフくん
      作品の中で“ひき蛙”に変わってしまったお婆さんも、
      その内、効き目が切れて元にもどるのかな~・・・なんて、
      想像して頂けると、また楽しいのではないでしょうか^^;

   ※3 久しぶりに“スモーク”・・・またまた挑戦致しました^^;
      結果は・・・矢張り“スモーク”は難しい・・・でした(>_<)
      
      次回、記念公演では「スモークマシン」なるものをお借り
      しようか・・・と思案しております^_^;



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“君のために・・・” ―全6場― 完結編

2012年06月09日 20時04分41秒 | 脚本


   



    ――――― 第 6 場 ――――― A

         音楽流れ、
         下手よりポーラ走り登場。

  ポーラ「お兄ちゃーん!!(大きく手を振る。)」

         上手よりクリフ走り登場。

  クリフ「ポーラー!!」

         2人歌う。

  ポーラ「私、走れるわ!!走れるのよ!!見て!!お兄ちゃん
      !!」

     クリフ“自分でない誰かの
         為になることが       ポーラ“素敵
         大切だと教えてくれた       私
         友達だ”                走れる”

  ポーラ「お兄ちゃん!おかみさんが、そろそろ次の町へ行くから
      用意をしなさいって。」
  クリフ「え・・・?もう・・・」

         (クリフ残してポーラ下がる。) ※

         紗幕開く。と、村の様子。

    ――――― 第 6 場 ――――― B

         上手より2人の女性、話しながら登場。
         (下手方へ。)


   
                    ※2


  女性1「もう芝居小屋、次の町へ行っちゃうんだってさ。」
  女性2「楽しかったのに、残念だねぇ。」
  女性1「本当。」
  女性2「また平凡で、静かな村に戻っちゃうね。」
  女性1「そうだねぇ・・・」

         2人、下手へ去る。
         入れ代るように、下手よりジ―ク登場。

  ジ―ク「クリフ!」
  クリフ「ジ―ク・・・」
  ジ―ク「聞いたぜ。折角仲良くなれたのに、もう行っちゃうんだっ
      てな・・・」
  クリフ「うん・・・」
  ジ―ク「淋しくなるな・・・」

         音楽流れる。
         クリフ歌う。

         “初めて出会ったよ
         君のような友達
         見知らぬ誰にも
         手を差し伸べる”

         ジ―ク歌う。
  
         “初めて出会ったよ
         君のような友達
         いつもただ頑張って
         一生懸命”

     (コーラス“出会えた喜び
            心に抱きしめてた
            ずっと”)

  クリフ「・・・ありがとう・・・色々と・・・」
  ジ―ク「何だよ、改まって・・・」
  クリフ「僕・・・今までずっと旅して来て・・・いつもポーラと2人きり
     ・・・友達なんて1人もいなかったんだ・・・」
  ジ―ク「クリフ・・・メソメソすんなよ!!」

         ジ―ク歌う。

         “いつかまた会えるよ
         心は君と共に
         出会えてよかった
         心の友に”

         クリフ歌う。

         “いつかまた会えるよ
         心はいつも側に
         出会えてよかった”

         2人歌う。

         “きっと会えるね”

         ジ―ク残し、クリフ下がる。
         (音楽変わる。)
     

   



    ――――― 第 6 場 ――――― C

         上手よりジ―クの母登場。(ジ―クの側へ。)

  ジ―クの母「ジ―ク!」
  ジ―ク「母ちゃん・・・」
  ジ―クの母「芝居一座が行っちゃうよ。」
  ジ―ク「・・・うん・・・」
  ジ―ク母「また静かな村に戻るねぇ・・・。どうしたんだい?元気
        ないじゃないか。ほら、来たよ!」

         下手前方より、手を振りながら芝居一座
         ゆっくり登場。(上手後方へ。)
         一座歌う。

         “また会いましょう
         いつの日にか      コーラス“いつの日か
         楽しい時               また会いましょう”
         届ける為”

         豪華な衣装に変わったクリフ、ポーラ
         下手前方より登場。
         クリフ、ジ―クを認め立ち止まる。
         (一座、上手後方へ去る。ポーラ続く。)
         クリフ歌う。

         “素敵な村
         素敵な人         コーラス“君に会う為
         僕はきっと              約束する
         また戻るよ”             きっと”

         クリフ、一座に付いて去る。

  ジ―ク「クリフ!!さよなら・・・さよならー!!また会おうぜー!
      !」

         クリフと入れ代るように、上手後方より
         ジ―クの父、登場。

  ジ―クの父「ジ―ク・・・」
  ジ―ク「・・・父ちゃん・・・?」
  ジ―クの母「あんた・・・!!」
  ジ―クの父「記憶が戻って、やっと帰って来れたよ・・・」
  ジ―ク「父ちゃん!!」
  ジ―クの父「長い間すまない・・・」

         3人、抱き合う。





      ――――― 幕 ―――――











   ※ 最初、女の人達が話しながら行くのを、クリフくんを残し
     てその様子を見ている・・・と言った演出にしたかったので
     すが・・・私の腕の都合で・・・(長丁場・・・持ちませんでした
     ~^^;)一旦下がることに致しました(>_<)
     この作品、出ずっぱりのクリフくん、ジ―クくん、台詞の空き
     を見つけては下がっていたので、時々不自然に消える時
     があるのです・・・お気付きでしたか・・・?^^;


   ※2 この女の人2人の人形操作をしているのは、今回初
     お手伝いメンバーとして参加してくれた2名です(^.^)
     初めてだし、あまり説明もしない私なので、きっと不安に
     思うことだらけだったろうに、一生懸命お手伝いしてくれ、
     本当に助かったのです♥
     改めてこんなところで何ですが・・・「ありがと~ね~!!」
     とっても可愛らしい学生さん2名でした(^^)v





 ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪


   (どら余談^^;)

   実は・・・6場のラスト場面から、ジュリーちゃん作品終了まで、
   ビデオの充電が切れてしまい、記録が残っていません(>_<)
   ・・・とっても悲しいです・・・(T_T)
   ・・・人任せにした私の責任です・・・m(__)m
   なので、動画をご覧頂くことができません・・・(;_;)
   また、どこかで公演する機会があると思いますので、その
   時まで動く映像はお待ち下さい<(_ _)>
   辛うじて写真は少し残っていますので、そちらで我慢下さい。

   ごめんなさ~い・・・<(_ _)>

   それでは、次回から掲載の「wonderful today ―君と僕
   の新しい出会い―」お楽しみに♥








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“君のために・・・” ―全6場― 2

2012年06月05日 19時47分17秒 | 脚本


   
             (左)ジ―ク  (右)クリフ



  ジ―ク「俺も父ちゃんはいない・・・」
  クリフ「(ジ―クを見る。)え・・・?」
  ジ―ク「2年前に仕事で海に出たまま、行方が分からないんだ
      ・・・」
  クリフ「・・・行方・・・?」
  ジ―ク「だからって、俺がメソメソしてちゃ母ちゃんが悲しむだ
      ろ?おまえも妹の為に、そうやって頑張ってきたんじゃな
      いのか?けど、たまには肩の力、抜けよ!でないと爆発
      しちまうぜ。」
  クリフ「・・・ごめん・・・」
  ジ―ク「いいよ!それより学校行こうぜ。」
  クリフ「・・・でも・・・」
  ジ―ク「薬代なら、放課後に俺が靴磨きでもしてやるよ。」
  クリフ「(ジ―クの顔を見る。)」
  ジ―ク「そんな顔すんなよ。(お金を拾ってクリフに差し出す。)
      ほら、薬代。」
  クリフ「(お金を受け取る。)」
  ジ―ク「おまえ、朝飯食って来たか?」
  クリフ「(首を振る。)」
  ジ―ク「だから、そんな風に暗い顔になるんだ。(ポケットから何
      かを取り出す。)ほら・・・これ食えよ・・・っとこれは違った
      ・・・これは俺の母ちゃんお手製の、無茶苦茶辛いお仕置
      きクッキーだ。(笑う。)こんなの食ったらエライことになっ
      ちまうぜ。(また何かを取り出し、クリフに差し出す。)ほら
      ・・・こっちだ。食えよ。元気が出るぜ。」
  クリフ「・・・ありがとう・・・(受け取る。)」

         2人、上手方へ行こうとする。と、下手より
         一座の仲間が息を切らせ、走り登場。

  仲間「おーい!!クリフ!!」
  クリフ「おじさん・・・」
  仲間「ポーラが大変だ!!」
  クリフ「え!?ポーラ!!」


   
                     ※


         3人下がる。(紗幕閉まる。)

    ――――― 第 4 場 ―――――

         紗幕前。ベットに横たわるポーラ。
         そこへ下手よりクリフ、ジ―ク走り登場。


   


  
  クリフ「ポーラ!!(ポーラの横へ。)ポーラ!」
  ポーラ「・・・お兄ちゃん・・・」
  クリフ「苦しいかい?」
  ポーラ「ううん・・・大丈夫よ・・・お兄ちゃん・・・学校は・・・?」
  クリフ「うん、行ったよ・・・。ほら、友達を連れて来たんだ・・・」
  ジ―ク「・・・こんにちは・・・」
  ポーラ「お友達・・・」
  クリフ「そうだよ・・・友達だ・・・」
  ポーラ「よかった・・・」
  クリフ「え・・・?」
  ポーラ「もう・・・私がいなくなっても・・・淋しくないわね・・・」
  クリフ「なんてこと言うんだ!!ポーラ・・・?ポーラ!!」

         (ポーラ下がる。)
         音楽流れる。

  クリフ「どうしよう・・・ポーラにもしものことがあったら・・・僕・・・」
  ジ―ク「しっかりしろよ!!おまえがそんな気弱でどうするんだ
      よ!!」
  クリフ「ずっと2人で生きてきたんだ・・・ポーラがいなくなったら
     ・・・」
  ジ―ク「クリフ・・・」

         クリフ歌う。

         “いつも一緒 2人きりで
         肩寄せ合い生きてきた だから
         僕のことを1人して
         置いていかないで お願いだ
         今までいつも側にいた
         頼る人もいないなかで
         身を寄せ合い 労わり合い
         生きてきたのに1人きり
         どうすればいい
         生きていけないよこれから1人”
  
  ジ―ク「俺・・・聞いたことがある・・・」

     ジ―ク歌う。           クリフ歌う。

     “ずっと昔 聞いたことが   “2人肩寄せ合い
     森の奥に誰も知らない    生きてきたんだから
     場所があると          どうすればいい
     ただひっそり暮らす者が   1人ぼっちに
     願い叶える”          側にいて
                       お願いだから”

  ジ―ク「森の奥深くに住む魔法使いが・・・どんな病気でも治す
      薬を作って売ってるんだって・・・」
  クリフ「・・・薬・・・?」
  ジ―ク「行ってみようぜ!!」
  クリフ「でも・・・僕、お金が・・・」
  ジ―ク「そんなこと言ってたら、妹がどうなるか分からないぜ!!
      たった1人の大切な妹なんだろ!?」
  クリフ「・・・うん・・・うん、そうだね!!僕行くよ!!その魔法使
      いに会いに!!」
  ジ―ク「行こう!!」
 
    ――――― 第 5 場 ――――― A 

         音楽流れ、紗幕開く。と、森の様子。
         (クリフ、ジ―ク、走りながら森を抜ける。)
         歌う。


   
    ご存じ後ろの絵は、走る様子に合わせて回ります^^;



     コーラス“急げ少しも 早くこの森
           深く彼方へ たとえ険しい
           道がどこまで 続く茨の
           先に必ず 目指す場所ある
           急げどんなに 辛い道でも
           何があろうと 守るこの手で
           2人力を 合わせ大事な
           者を助ける 目指す場所まで”

     クリフ“助けるから      ジ―ク“確かに聞いたぞ
         きっと”              間違いない筈”

     コーラス“急げ時間が ないぞ少しも
           早く見つける 噂信じて”

     クリフ“2人でどんなときも
         肩寄せ頑張ってきた
         たとえ辛いことが
         この身に起ころうとも”

     ジ―ク“大事な人助ける為に
          懸命な奴を知った
          たとえ小さな力だって
          俺に出来ることがあるのなら”

     クリフ“ああ神様 僕がいるなら
         僕に力を”

     コーラス“急げ目指すは 誰も知らない
           噂だけでも たった少しの
           希望あるなら それが真実
           きっとある筈
           目指すあの場所が”

         1軒の小屋がセリ上がる。

  ジ―ク「あった・・・」

    ――――― 第 5 場 ――――― B

         (扉を開く。“ギィーッ・・・”)
         魔法使いの小屋の中。


   



  ジ―ク「こんにちは・・・」

         音楽流れる。
         魔法使い、何やら怪しげな呪文を唱えて
         いる。

  ジ―ク「あの・・・」
  魔法使い「しっ!!今いいとこなんじゃ・・・(呪文を唱える。“あ
        ぶらかたぶら・・・”)我れの薬に偉大な力を・・・」

         魔法使い歌う。


   



         “我れ秘密の薬売り
         ひっそりと隠れて
         誰にも知られぬよう
         息を潜め
         よからぬ思い頭に
         思い描くままに
         形に変えてしまう
         薬売りさ”

  魔法使い「あぶらかたぶら・・・」

         (ジ―ク、クリフ、顔を見合わせ首を傾げ
         魔法使いの様子を見ている。)」

         “ボンッ”の音と共に煙が上がる。
         (曲終わり。)

  魔法使い「おお、やっとこさできたわ・・・。人間をひき蛙に変え
        てしまう薬・・・(笑う。)」

         ジ―ク、クリフ、顔を見合わせる。

  クリフ「おばあさん!!」
  魔法使い「(2人を認める。)なんじゃ・・・おまえ達は。」
  クリフ「僕、おばあさんにお願いがあって・・・」
  魔法使い「金貨100枚・・・」
  クリフ「そんな・・・」
  ジ―ク「おい、ばあちゃん!!金貨100枚って、ちょっとばかし
      高過ぎじゃないか!?もうちょっと負けてくれよ!!」
  魔法使い「負け・・・!?ふざけたことを言うでないわ!!私の
        秘薬を何と思っとるんじゃ!!」
  ジ―ク「せめてこれくらいに・・・(魔法使いにお金を手渡す。)」
  魔法使い「(手渡されたお金を見て。)な・・・何じゃこれは!!
        こんな銅銭ではパンも買えんわ!!」
  ジ―ク「俺の昼飯代だ!!パンくらい買えらぁ!!」
  魔法使い「話しにならん。」


   


  ジ―ク「そう言わないで頼むよ、ばあちゃん!!こいつの妹が
      病気で死にそうなんだ!!」
  クリフ「お願いします!!」
  魔法使い「それでは・・・命を助けたいのなら・・・命を差し出すが
        よい・・・」
  クリフ「え・・・?」
  魔法使い「おまえの命と引き換えに、妹を助ける薬を作ってや
        ろう・・・」
  ジ―ク「何だって!?」
  クリフ「命・・・」
  ジ―ク「ふざけるなよ、ばあちゃん!!」
  魔法使い「ふざけてなどおらん・・・」
  ジ―ク「命って・・・」
  クリフ「・・・いいよ・・・僕の命と引き換えに、ポーラが助かるのな
      ら・・・」
  ジ―ク「え?おい・・・おい、待てよ!!何言ってんだよ!!」
  魔法使い「(笑う。)良い心掛けじゃ・・・。それじゃあ薬を作って
        やるとしようかの。」

         音楽流れる。

  クリフ「お願いします・・・」
  ジ―ク「おい!!馬鹿言うんじゃないぜ!!おまえ、自分が何
      を言ってるのか分かってるのかよ!!命と引き換えって
      ことは、おまえが妹の代わりに死んじまうってことだぜ!
      ?」
  クリフ「いいんだ、僕はポーラが助かってくれさえすれば・・・」
  ジ―ク「馬鹿野郎!!おまえがいなくなって、自分だけが助かっ
      たって、妹が喜ぶ訳ないだろ!!」
  クリフ「それでも僕は!!」

         クリフ歌う。

         “生まれてから いつも1人
         走ることもできないで
         辛いなんて言わずに
         ただ耐えてた          ジ―ク“誰かが
         いつも僕だけ走り回り         犠牲になっても”
         だから今度は僕が
         ポーラの代わりになる
         彼女が助かるならば
         僕の命なんて惜しくない
         だから命と引き換えに”

  ジ―ク「クリフ・・・」
  魔法使い「相談は終わりかい?それでどうするんだね。私ゃ忙
        しいんだよ。おまえさん達の相手をずっとしてる暇は
        ないんだ。」
  クリフ「お願いします、おばあさん。僕の命と引き換えに・・・」

         (曲終わり。)

  魔法使い「よしよし・・・物わかりのいい子だね。」
  
         怪しい音楽流れる。

  魔法使い「(呪文を唱える。)あぶらかたぶら・・・あぶらかたぶら
        ・・・」

      コーラス“人々の願いを
            叶える為に・・・”

  魔法使い「ほうら・・・もう少しだ・・・。どんな病気にも効く秘薬だ
        ・・・。あぶらかたぶら・・・(手に持っていた瓶から、“ボ
        ン”の音と煙が上がる。)ほら・・・できたよぉ・・・(瓶を
        差し出す。)」
  クリフ「(取ろうとする。)」
  魔法使い「待った!!その前に・・・先に約束のものを貰うとす
        るかね。(笑う。)」
  クリフ「・・・うん・・・(魔法使いの方へ。)」
  ジ―ク「ま・・・待ってくれよ!!」
  魔法使い「なんだ。」
  ジ―ク「俺にクリフと最後のお別れをさせてくれよ!!頼むから
      ・・・」
  魔法使い「ふん・・・さっさとするがいい。こんなことをしておる間
        に、妹がどうなっても知らんぞ。」
  ジ―ク「クリフ!!」
  クリフ「ジ―ク・・・僕がいなくなったら・・・僕の代わりにポーラに
      薬を届けてくれるかい・・・?」
  ジ―ク「(小声で。)しっ!!馬鹿!!おまえはいなくなんないよ
      !!(派手に泣き真似をする。)クリフ!!クリフ!!これ
      最後に食べてくれよ!!最後の晩餐だ・・・。俺の母ちゃ
      んの手作りクッキーなんだ・・・」
  クリフ「それは・・・」
  ジ―ク「(ポケットから出したクッキーをクリフに差し出す。小声で
      。)おまえは食べんなよ!!ばあちゃん!!ばあちゃんも
      一緒に食べてくれよ!!最後にクリフに楽しい団欒の真
      似ごとをしてやってくれ・・・(魔法使いにクッキーを差し出
      す。)」 
  魔法使い「(クッキーを受け取って。)こんなものを貰ったところで
        命の代金にはならんぞ・・・(口に放り込む。)か・・・辛
        いっ!!辛いーっ!!な・・・何だこれは!!ひーっ!
        !か・・・か・・・辛いっ!!」
  ジ―ク「これは母ちゃんお手製のお仕置きクッキーさ!!ほら、
      ばあちゃん水!!(テーブルの上にあったコップの水を、
      差し出す。)」
  魔法使い「おお、すまん!!ゴホッ・・・(コップの水を飲み干す。
        と、“ボンッ”の音と共に煙が上がり、ひき蛙に変わっ
        てしまう。)ゲコ・・・ゲコ・・・?ゲコ!!」


   


  ジ―ク「(笑う。)やったっ!!ばあちゃんの水にさっき言ってた
      人間をひき蛙に変える薬を入れといたんだよ!!ざまあ
      みろ!!欲張るから罰が当たったんだ!!クリフ!!行
      くぞ!!(机の上の薬を持つ。)」
  クリフ「ジ―ク・・・うん・・・うん!!」

         2人、下手へ走り去る。

  魔法使い「ゲコ・・・!!ゲコ!!ゲコーッ!!」

         紗幕閉まる。


   










   ――――― “君のために・・・”完結編へつづく ―――――












    ※ この“仲間”ご存じ使い回しです^^;誰の使い回しか
      お分かりになりますか・・・?
      正解は、“未来の海へ”の優海ちゃんのパパです(^^)v
   
      今見ると、何だか“怪しいマジシャン”と言った風貌です
      ね^^;





 ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪



   (どら余談^^;)

   今日はグーグル版“ワールド”に、オープンング部分の動画
   を投稿致しました(^^)v
   ドタバタと始まってしまった感一杯ではありますが、よければ
   またご覧下さい(^^♪


   
   6月5日(火)

   改めて台本を書き移していて・・・
   “クリフ”くんの名前を“クリス”と何度も間違えて書いていた
   ことに気付きました~(>_<)


  







   http://milky.geocities.jp/little_pine2012/index.html

         http://ritorupain.blogspot.com/

     http://blogs.yahoo.co.jp/dorapontaaponta















“君のために・・・” ―全6場―

2012年05月26日 22時10分40秒 | 脚本


        
          (左)クリフくん・(右)ジ―クくん

        2012年春公演作品の1本です(^^)v
   
       公演が終了したので、早速紹介して行こうと
       思います(^^♪
       また、公演日記と合わせてお楽しみ下さい^^; 


 ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪


    〈 主な登場人物 〉


    クリフ  ・・・  本編の主人公。
              芝居一座の少年。

    ジ―ク  ・・・  村の少年。

    ポーラ  ・・・  クリフの妹。 病気がち。

    森に住む魔法使い

    村の少年達

    ジ―クの母

    ジ―クの父

    芝居一座のおかみさん。

    その他


 ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪


         音楽流れ幕が開く。


    
                  村の様子。



    ――――― 第 1 場 ―――――

         1人の少年(ジ―ク)、上手より走り登場。

  ジ―ク「おーい!!芝居一座がやって来たぞー!!」

         村人達、嬉しそうに上手下手より
         それぞれ登場。歌う。

         “平和な村 争いもない
         だけど楽しみも 面白みもない
         心踊る楽しいことが
         一つでもあれば退屈を忘れる
         飽き飽きする程 平凡なこの村
         たまに訪れる夢を売る者達が
         退屈な日々を忘れさせてくれる
         キラキラ輝いて夢のような世界”


    


         (上手後方より芝居一座の行列が、ゆっくり
         登場。紙吹雪を巻きながら下手前方へ向かう。)

         ジ―ク、楽しそうに芝居一座の行列に見入って
         いる。

  ジ―ク「楽しそうだなぁ・・・」

         下手よりジ―クの母登場。

    


  ジ―クの母「(ジ―クの耳を引っ張る。)」
  ジ―ク「いててててっ・・・。何すんだよ、母ちゃん!!」
  ジ―クの母「何すんだよじゃないだろ、ジ―ク!!お使いはどう
         したんだい!?」
  ジ―ク「分かってるよ!!」
  ジ―クの母「ほら、見てごらん、あの色の白い男の子・・・。綺麗
         な顔してるねぇ。さすが夢を売る商売の子は、あんた
         とは大違いだ。(笑う。)」
  ジ―ク「煩いな、母ちゃん!!」

         芝居一座歌う。(手拍子入る。)

         “皆様ようこそ 我々夢一座
         楽しい芝居や美しい歌声を
         皆様に届け 楽しんでもらう為
         ここへ馳せ参じた次第”

         一番後ろを歩いていた少女(ポーラ)
         ジ―クの目の前で躓く。

  ポーラ「あ・・・」
  ジ―ク「君!(手をかける。)」

         先に歩いていた少年(クリフ)、ポーラに
         駆け寄る。

  クリフ「ポーラ!!」
  ジ―ク「大丈夫・・・(手を貸そうとする。)」
  クリフ「触るな!!」
  ポーラ「お兄ちゃん・・・」

         クリフ、ポーラを手助けしながら行きかける。

  ジ―ク「あ・・・おい、おまえ!」
  クリフ「(ジ―クを睨み付け。)ふんっ!!」

         ジ―ク残して紗幕閉まる。

    ――――― 第 2 場 ――――― A

  ジ―ク「ちぇっ・・・なんだよ、あいつ・・・」

         (紗幕前。)
         音楽流れ、少年達、上手より走り
         登場。歌う。


    
                      ※


  少年1「おーい、ジ―ク!!」
  ジ―ク「よぉ、みんな!」
  少年2「なんか楽しそうな芝居が、始まるらしいぜ!!」
  ジ―ク「知ってる、知ってる!」
  少年3「みんなで覗きに行ってみないか!?」
  ジ―ク「ああ!」
  少年1「よし、行こうぜ!!」
  ジ―ク・少年達「おお!!」

     少年達“楽しそうな芝居小屋
          平和なこの村に”     コーラス“楽しみなことが
                                あるんだ”

     少年達“やって来た楽しみな
          唯一の娯楽ごと”     コーラス“わくわくする”

         紗幕開く。と、芝居小屋の外。
         少年達、後ろを向いて、何かを覗いて
         いる風に。

  少年2「わぁーっ!!」
  ジ―ク「ちょっとどけよ!!見えないだろ!!」
  少年3「あっ・・・」
  少年1「ちょっと俺にも見せてくれよ!!」
  少年2「わあーっ・・・」
  少年3「へえーっ・・・すごいなぁー・・・」
  少年1「見てみろよ、あいつ!」
  ジ―ク「あ・・・あの野郎、さっきの・・・」
  少年2「女みたいだなぁー・・・」
  少年3「わあっ!!押すなよ!!」
  少年1「いてっ!!」

     ジ―ク“行こう    コーラス“芝居を見に
          すぐに          芝居を見に
          早く”           芝居を見に”
   
     少年達“こんなことは滅多にないんだから”

     ジ―ク“行こう    コーラス“芝居を見に
          行こう          芝居を見に
          行こう”         芝居を見に”

         そこへ下手より、桶を持ったクリフ登場。

  クリフ「(少年達に気付く。)おい!!何してるんだ!!」
  少年達「わあーっ!!」

         少年達、上手へ走りさる。(曲終わり。)

    ――――― 第 2 場 ――――― B

  クリフ「ふんっ・・・全く・・・」

         小屋が開く。と部屋の中。
         ポーラ、ベットに横になっている。


    



  ポーラ「あ・・・お兄ちゃん・・・。どうかしたの?」
  クリフ「ううん・・・なんでもないよ。どう?具合は・・・」
  ポーラ「うん・・・平気・・・(咳き込む。)」
  クリフ「あんまり喋っちゃ駄目だよ。」
  ポーラ「うん・・・」

  おかみさんの声「クリーフ!!さっさとしないと学校に遅れちまう
            だろ!!学校はただじゃないんだよ!!早いと
            こお行き!!」

  クリフ「はーい、おかみさん!!直ぐ行きまーす!!ポーラ・・・
     僕は学校に行って来るからね・・・。ゆっくり休んでいるんだ
     よ。」
  ポーラ「うん・・・」

         クリフ本を持って、行きかける。
         音楽流れる。

  ポーラ「お兄ちゃん・・・」
  クリフ「ん?」
  ポーラ「学校楽しい・・・?」
  クリフ「え・・・?」
  ポーラ「私も学校へ行ってみたいなぁ・・・」

         ポーラ歌う。

         “元気になって思い切り
         走り回る草原を
         それが私の夢なのよ
         誰も知らない”

         クリフ歌う。
  
         “この僕が代わることが
         できたならば
         辛い思いしなくてすむ
         僕だけが元気で”

         ポーラ歌う。

         “元気になって
         走り回る 夢の中だけ”
 
  クリフ「いつか必ず行けるから・・・」
  ポーラ「うん・・・」
  クリフ「おやすみ・・・」
  ポーラ「おやすみなさい・・・」

         (クリフ残して、紗幕閉まる。)


    



  クリフ「神様は不公平だ・・・。僕らは一生懸命生きてるだけなの
      に・・・」

         クリフ歌う。

         “今までだって沢山の
         辛いことを乗り越えて
         ただ頑張って生きてきた
         小さな幸せ”

         本を拾って、下手方へ。
         (途中、紗幕開く。と、村の様子。)

    ――――― 第 3 場 ―――――

         クリフ、下手方へ行きかけると、下手より
         ジ―ク登場。


    


  ジ―ク「(クリフを認める。)あ・・・よぉ。」
  クリフ「(無視して行こうとする。)」
  ジ―ク「おい!知らん顔すんなよ。」
  クリフ「煩いな・・・」
  ジ―ク「おい!どこ行くんだよ!教科書持って・・・。学校はそっち
      じゃないぜ。」
  クリフ「ほっといてくれよ。」
  ジ―ク「学校まで案内してやるから、付いて来いよ。」
  クリフ「(無視して行こうとする。)」
  ジ―ク「おいってば・・・(クリフの腕を掴む。)」
  クリフ「はなせよ!!」
  ジ―ク「なんだよ・・・分からずや!!」
  クリフ「どっちが分からずやだ!!僕がどこへ行こうと、何をしよ
      うと、おまえには関係ないだろ!!」
  ジ―ク「子どもは学校へ行くものなんだ!!学校の他に、おまえ
      が行くところなんて、きっとろくでもない・・・」
  クリフ「仕事に行くんだ!!」
  ジ―ク「・・・仕事・・・?」
  クリフ「病気の妹の薬代がいるんだ!!だから仕事してお金を
      稼がなきゃいけないんだ!!」 
  ジ―ク「お金って・・・おまえ芝居小屋の・・・父ちゃん、母ちゃんは
      どうしたんだよ。」
  クリフ「僕ら兄妹に父さんも母さんもいない・・・。あの一座に拾わ
      れたんだ・・・。そこで育てられた・・・。そのうえ僕は学校ま
      で行かせてもらってるんだ。だから薬代まで貰える訳ない
      じゃないか!!」
  ジ―ク「だったら尚更行かなくちゃ!!そうだろ!?」
  クリフ「行きたくても行けない奴もいるんだ!!幸せなおまえに
      は分からないだろうけど・・・。どうでもいい話しをさせない
      でくれ・・・」
  ジ―ク「学校へ行こうぜ・・・。これ・・・足りるかどうか分かんねぇ
      けどさ・・・。(クリフに手を差し出す。)」
  クリフ「(ジ―クから何かを受け取る。)なんだよ・・・」

         音楽流れる。

  ジ―ク「俺の昼飯代さ。」
  クリフ「お金・・・?施しなんかいるもんか!!(放り投げる。“チ
      ャリーン”)」  ※1

         クリフ歌う。

         “誰がほ施しなんか僕のこと
         馬鹿にするなよ おまえなんか
         幸せな生活を
         ただ送る奴に”

         ジ―ク歌う。

         “甘えた考えはやめるんだ
         自分ばかりが辛いなんて
         後ろ向き 俺を見ろ
         目を合わせるんだ”

         クリフ歌う。

         “おまえに何が分かると
         僕の今までが
         記憶に残っている
         辛い思い出”          コーラス“心に”

         ジ―ク歌う。

         “おまえに同情なんてする訳ない
         誰もが同じ権利がある
         学ぶこと妨げる
         それは不公平だ”

  ジ―ク「学校は行かなきゃ駄目だ!!父ちゃんがそう言ってた
      ・・・。子どもはしっかり勉強しなきゃ駄目だって・・・。でな
      いと大人になったら困るって・・・だから・・・」
  クリフ「余計なお世話だ!!おまえに何が分かるんだ!!父さ
      んも母さんもいない・・・妹と2人だけで生きてきた僕の気
      持ちが!!」

         ジ―ク歌う。

         “おまえも分かってる筈
         自分一人だけ
         辛い思いを抱かえ
         きたんじゃないと”

         クリフ歌う。

         “誰も僕らのことを        コーラス“離れた
         分からない                  2人の
         今までどんな風に2人           気持ちが
         肩寄せてひっそりと             今は
         生きてきたなんて              近く
                                  歩み合わせ
         ジ―ク歌う。                 分かり合う”

         “辛いことがあるなら
         言えばいい
         心の中に溜め込まずに
         吐き出せば
         きっとまた歩き出せる筈さ”









    ――――― “君のために・・・”2へつづく ―――――









   ※ この少年達、ジ―ク君以外は以前使用したお人形の
     使い回しです^^;
     どの子が誰か、分かりますか・・・?
    (答え、左より“未来の海へ”貝君、“未来の海へ”十海君、
     ジ―ク、“光の国のエリオット”マルコ少年。)

   ※1、“生チャリーン”、グーグル版“ワールド”で是非お聞き
      下さい^^;




 ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪


    (どら余談^^;)

    グーグル版“ワールド”に、“君のために・・・”の一部動画を
    投稿致しました(^^)v
    丁度、今日の脚本投稿辺りの場面になります(^^♪
    文字だけでなく、実際に音楽なども入ると、また違った感じ
    でお楽しみ頂けるのではないでしょうか・・・♥

    他場面も順次公開しようと思っていますので、またご覧くだ
    さいね(^.^)











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“未来への贈りもの(短編)” ―全3場― 完結編

2012年01月31日 21時28分57秒 | 脚本


         その時、轟音と共に煙が上がり、タイムマシン
         が現れる。

  るぅ「らぁ!!(下りる。)」
  らぁ「るぅ!!迎えに来てくれたのね!!」
  るぅ「当たり前じゃない!!ここ探すのに一週間もかかっちゃっ
    たのよ!!」
  らぁ「一週間!?一週間も家、空けちゃったの!?如何しよう!
     !」
  るぅ「大丈夫!マーチング博士が、らぁの声を真似て作った機械
    で、一週間毎日連絡してたから!!」
  らぁ「(溜め息を吐いて)よかった・・・!!」
  るぅ「けど早く帰らないと、明日はいよいよ最後の船が出る日よ!
     !」
  らぁ「そうか・・・」
  るぅ「(タイムマインに乗る。)早く、らぁ!!」
  らぁ「待って!!この美味しい空気、よおく覚えておきましょう・・・
     。私達の世界も、こんな素敵な所に戻さなくちゃ・・・。広子
     達が、頑張って折角綺麗にしてる地球だもの・・・。」
  るぅ「(深呼吸して。)マスクなしで息が出来るって、気持ちいい
     わね・・・。」

         らぁ、タイムマシンに乗る。

  らぁ「さよなら・・・20世紀の地球・・・。」

         再び、轟音が響く。
         フェード・アウト。

    ――――― 第 3 場 ――――― 

         フェード・インする。と、研究所。
         中央にタイムマシン。
         横に、りぃ、マーチング博士立っている。

  らぁ「ただいま!!」
  りぃ「らぁ!!」
  マーチング「よかった、よかった!!るぅ、ご苦労じゃったの。」
  るぅ「フフッ・・・(笑う。)」

         らぁ、るぅ、タイムマシンから下りる。

  らぁ「(マーチングに手に持っていた“アルミニウム”を差し出す。
     )はい、博士!!“アルミニウム”!!」
  マーチング「おお、これじゃ!!正しくこれが“アルミニウム”!!
         これで完成じゃ!!」
  らぁ「早く!!」
  マーチング「そう、急かさんと!」

         マーチング、空気清浄装置の中へ“アルミニウム”
         を入れる。と、静かに作動する。
         4人、黙って見守る。

  りぃ「如何・・・?」
  るぅ「・・・空気・・・綺麗になったのかしら・・・。」
  らぁ「窓、開けていい?」
  マーチング「ああ・・・。」

         らぁ、窓を開ける。

  らぁ「(深呼吸する。と、思わず咳込む。息を止めて。)駄目!!
     息が出来ない!!(窓を閉める。)」
  るぅ「如何して・・・?」
  りぃ「失敗したの・・・?」
  マーチング「(機械を見て。)確かにこれで完成の筈なんじゃが
         ・・・」
  らぁ「やっぱり・・・私達、もう地球には住めないの・・・?」
  
         音楽流れ、舞台転換する。と、花の萎れた
         野原に一隻のロケット船が立っている。
         何時の間か皆マスクを着けている。
         下手より、らぁの父登場。
         マーチング博士、船へ乗り込む。
         りぃ、るぅ、名残惜しそうに回りを見回し、船へ
         乗り込む。

  らぁの父「らぁ・・・そろそろ時間だよ・・・。」
  らぁ「パパ・・・もう二度と、ここへは戻って来れないのね・・・。」
  らぁの父「・・・そうだな・・・残念だけど、仕方ないよ・・・。」
  らぁ「昔からみんなが大切に守ってきてくれたものを、私達が駄
     目にしたのね・・・?」
  らぁの父「それは違うよ、らぁ・・・。確かに我々は守り切れなかっ
        たが・・・一つのものを後世に伝え残していくと言うこと
        は、みんなの協力が必要なんだよ・・・。みんなで力を
        合わせて守っていく体制を、続けていかなければいけ
        なかったんだ・・・。これは何処かで生まれた、ほんの
        数ミリの考え方の違いが、段々と広がっていった結果
        なんだよ・・・。さぁ、行こう・・・。」

         らぁの父、船に乗り込む。
         らぁ、回りを見回してゆっくり船へ。
         扉が閉まる。
         名残惜しそうに、扉の窓から、外を見ているらぁ。

  船の声「カウントダウン、10、9、8、7、6、5、4、3・・・」

         (スモーク流れる。)
         その時、今まで萎れていた花が、ゆっくり息を
         吹き返すように起き上がる。

  らぁ「(花の様子に気付いて。)待って!!行かないで!!開け
     て!!もう一度ここを開けて!!お願い!!」

         扉が開く。らぁ、船から駆け降りる。

  らぁ「(回りを見回して。)花が・・・花が生き返ったわ!!・・・如
     何して!?もしかして・・・(マスクを取って、大きく息を吸う
     。嬉しそうに。)20世紀の空気と同じだわ!!(船の方を
     向いて、興奮して叫ぶ。)皆!!皆、早く来て!!早く!!
     」

         4人、怪訝そうに船から出る。
  
  りぃ「如何したの・・・?」
  らぁ「皆、マスクを取って!!」
  るぅ「けど・・・」
  らぁ「空気が綺麗になったのよ!!息を吸ってみて!!早く!!
     」

         4人、言われるままマスクを取って、大きく
         息を吸う。

  るぅ「本当だ!!あの時の空気だわ!!」
  りぃ「美味しい!!なんて美味しいの!?」
  らぁの父「信じられない・・・」
  らぁ「マーチング博士が発明した空気清浄装置のお陰よ!!博
     士!!これで地球に住めるわね!!ずっと!!」
  マーチング「そうじゃの。わしには分かっていたよ・・・。未来へ旅
          した時、そこは草木が生い茂り、花は咲き乱れてい
          たからの・・・。」
  らぁ「博士・・・」
  マーチング「これからは綺麗になった地球を大切にな・・・」
  子ども達声を揃えて「はいっ!!」

         場面転換し、舞台は草花の咲き乱れる草原
         となる。音楽盛り上がり、嬉しそうに手を取り
         合い、皆で歌を歌う。

         “みんなで守ろう 力合わせ
         今度こそ守り続けよう
         未来が輝くように
         過去から受けた贈り物”

         希望に胸膨らませ、彼方を見遣るみんな。










           ――――― 幕 ―――――










 ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪


    (どら余談^^;)
 
    次回掲載しようと考えている作品ですが、この間の公演で
    久しぶりにエリオットくんに出会い、再び熱い彼の行動が気に
    なり、あのお話し時代の、少し未来のエリオットくんの物語を
    書き始めました^_^;
    それを紹介していく予定にしています(^^)v
    ・・・ホントは記念公演の新作も、2月中頃までに仕上げなけ
    ればならないので、どちらが先か・・・と言えば・・・ね・・・^^;
    でも、世直しエリオットくん作品、先ずは書き上げたいと思い
    ますのでお楽しみに~^_^;v




      (おまけフォト1^^;)
      

       録音スタジオです^^;

      今日、録音前に、撮ってみました(^^)v
      写っている場所が、いつもの私の定位置とでも
      いいましょうか・・・エンジニアさんに合図の送り易い
      場所・・・と言うことで、私だけは決めてもらっていま
      す^_^;


      (おまけフォト2^^;)     
           

       台本をセットして・・・録音途中です^^;
      

      (おまけフォト3^^;)
      
 
       こちらが、エンジニアさんの定位置です(^^)v

      左向こうに見えているガラス窓の奥が、上2枚の写真
      の場所になります(^^)
      編集作業も、主にこの場所でして頂いています♥



     
      何とか無事に春公演作品の2本目の録音が終了しま
      した(^^)v
      録音当日はどうも私がピリピリしてしまい、みんなにも
      悪い影響を与えているんじゃないか・・・と、すごく反省
      しています(>_<)・・・にも係わらず、頑張ってくれた
      メンバーに「ありがとう~♥お疲れ様~(^.^)一カ月後
      位には、新作が手元に届くからね^^;ヨロシク(^^)v」

      読んで下さっている皆様には「また公演が終わり次第、
      台本紹介していくつもりにしています(^^)vとても面白
      い作品に仕上がりそうなので、楽しみにお待ち下さい
      ね♥よければ公演にも、足をお運び下さい(^^)」



                                  どら。      


























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