りとるぱいんわーるど

ミュージカル人形劇団“リトルパイン”の脚本の数々です。

“キャシーの森(原作)” ―全6場― 2

2012年10月04日 19時20分11秒 | 脚本


  花の妖精「(微笑んで。)よかったわね。」
  クルト「うん!花の精のお陰さ!」
  花の妖精「いいのよ。それより小鳥さん、私の花園に何か御用
        かしら?」
  クルト「そうだ!キャシー!」

         その辺の様子を見回していたキャシー、
         クルトの呼びかけに振り返る。

  キャシー「やっととれたの?」
  花の妖精「あなた、小鳥さんのお友達?随分冷たいのね。小鳥
        さん、もう少しで蜘蛛さんに食べられてしまうところだ
        ったのよ?」
  キャシー「友達じゃないわ。私の案内係りよ。“フルト”って言うの
        。(悪戯っぽく舌を出す。)」
  クルト「違う!!僕はクルト!!」
  花の妖精「まぁ・・・(呆れたように。)それで、一体何の案内をし
        てもらってるのかしら?」
  キャシー「願いを叶える石を集める為に、5人の妖精に会うの、
        私!」
  花の妖精「私の石が欲しいのね?」
  キャシー「じゃあ、あなたが5人の妖精の一人?」
  花の妖精「花の精よ。」
  キャシー「私、石が欲しいの!!」
  花の妖精「そう・・・。でも、直ぐにあげる訳にはいかないわ。」
  キャシー「何故よ!?沢山持ってるんでしょ!?一つくらい私に
        くれたって構わないじゃない!」
  花の妖精「質問に答えて!そうすれば、私の石をあなたにあげ
        てもいいわ。」
  キャシー「・・・質問・・・?質問って何よ・・・」
  花の妖精「あなたの大切なものは何?」
  キャシー「大切なもの?」
  花の妖精「ええ。あなたが本当に大事にしたいもの・・・。さぁ答
        えて!」
  キャシー「そんなの一杯あるわよ!!私の大切なものは・・・」

         キャシー、答えるように歌う。

         “大切なもの・・・
         この間 買ってもらったピンクのワンピース”

  花の妖精「駄々捏ねてね!」

         “クラスメイトに貰ったオレンジの香りの消しゴム”

  花の妖精「貰った?取り上げたんでしょ?」

         キャシー、花の妖精を睨む。

         “妹が捨てた花柄のリボン
         私の髪にピッタリ”

  花の妖精「捨てたんじゃないわ。置いてあっただけ!」

         “学校の帰り道で拾った1ドル”

  花の妖精「目の前で探してた人に、気付いてた筈よ。」
  キャシー「知らなかったわよ!おばあさんのことなんて!あ・・・
        (仕舞ったと言う風な顔付きになる。)」
  花の妖精「そう、おばあさん・・・1ドル足りなくて、電車に乗れな
        いって困ってたのよね・・・?」
  キャシー「あれは!!」

         花の妖精、歌う。

         “あなたにとって大切なもの
         形あるくだらないものばかりね
         もっと他に何かないの?”

  キャシー「・・・他に何があるって言うの?」

         “心に手を当ててよく考えて
         それに気付いた時
         ただの石は魔法の石にかわるの”

  キャシー「どう言うこと・・・?」

         花の妖精、キャシーに近寄り、自分が持って
         いた石をキャシーに手渡す。

  キャシー「(その石を見て。)・・・ただのその辺に転がってる石じ
        ゃない・・・」

         “あなたが冷たい心なら
         何時までも冷たい石・・・
         あなたが暗い心なら
         何時までたっても黒い石・・・
         あなた次第で
         どんな風にも変わる石・・・”       ※

  花の妖精「これを持って行きなさい。但し今のままのあなたじゃ、
        たとえ5つの石が集まったところで、願いが叶うとも思
        えないけど・・・。(微笑む。)」

         キャシー、怪訝そうな面持ちで、優しく微笑む
         花の妖精を見詰める。
         フェード・アウト。

    ――――― 第 3 場 ―――――       ※2

         風の吹き荒れる音、大地が地響きを立てて
         揺れる音が、轟くように交互に聞こえる。
         フェード・インする。と、森の中。
         風の精と大地の精、向き合うように立ち、お互
         いを睨み付けたまま、力自慢に興じている。

  風の精「そら!!(風が吹き抜ける音。)」
  大地の精「おっと・・・(その風に一瞬、身体がよろけるように。)
        やるな!!(足を踏み鳴らすと、地鳴りがする。)どう
        だ!!」
  風の精「(ふらつく。)おっとっとっと・・・」
  大地の精「俺様の大地を揺るがすこの地響きの前じゃ、そのひ
        ょろっちい身体なんか立つことも出来ないぜ!!(声
        を上げて笑う。)」
  風の精「貴様こそ、俺の嵐を呼ぶ大風の前に、両足踏ん張った
       ところで何時まで持ち堪えられるかな!?(笑う。)」
  2人「やるか!!」

         暴風と地鳴りの音。
         その時、下手より出たキャシー、風と大地
         の揺れに、身体をよろけさせてフラフラする。
         続いてクルト出る。        ※3

  キャシー「キャアッ!!」
  クルト「キャシー・・・!!(フラフラして倒れる。)」
  キャシー「なんなの、ここ!!」
  クルト「ちょっ・・・ちょっと・・・風の精!!大地の精!!」

         風の精、大地の精、2人に気付きながら、
         知らん顔して力自慢を繰り返している。
         その間でキャシー、クルト、ヨロヨロしている。
         風の精、大地の精、そんな2人の様子に、
         声を上げて笑う。

  クルト「・・・いい加減に・・・止めろよ!!」

         キャシー、クルトを見る。

  大地の精「なんだ?」
  風の精「ただの小鳥のくせに!!」
  クルト「あ・・・立つことも出来なくて危ないから・・・」
  大地の精「おまえ達が勝手に2人の間に割り込んで来たんじゃ
        ないか!!」
  風の精「それとも俺たちに挑戦でもする気か!?」
  クルト「・・・いや・・・あの・・・」
  大地の精「おまえは何が出来るんだ!?」
  風「立つものを脅えさす強い風か!?」
  大地の精「それとも大地を揺るがす怪力か!?」
  2人「何で俺たちに対抗するんだ!!」
  風の精「受けて立つぜ!!」
  大地の精「喜んで!!」
  キャシー「待って!!ハルトはただの小鳥よ!!あなたたちの
       ように、力自慢出来る訳ないじゃない!!」
  クルト「ハル・・・?僕は・・・!!」
  大地の精「じゃあ、おまえが代わりにやるのか!?」
  風の精「OK!!いつでもいいぜ!!」
  キャシー「私は人間よ!!どうして、あなたたちと力自慢しなき
       ゃいけないの!?」
  大地の精「じゃあ矢っ張り、そっちの小鳥が相手か!?」
  キャシー「そうね・・・それがいいわ!!」
  クルト「キャシー!!」
  キャシー「私の分まで頑張って頂戴!」
  クルト「そんな・・・キャシー・・・僕は!!」
  キャシー「男でしょ!?」
  風の精「さぁ、いつでもかかって来い!!」  
  大地の精「かかってこないなら、こっちから仕掛けるぞ!!」

         風の精は強い風を、大地の精は地響きを
         クルトの方へ向かって起こす。
         クルト、再びヨロヨロと。キャシー、その場に
         座り込んで、クルトの様子を暫く黙って見て
         いる。

  クルト「・・・や・・・止めてくれよ・・・あっ・・・危ないじゃないか・・・」

         風の精、大地の精、声を上げて笑う。
         キャシー、その様子に呆れた面持ちを
         する。

  キャシー「あなたたちって卑怯よ!!2人で寄ってたかって1羽
        の小鳥を苛めるなんて!!」
  風の精「(手を止めて、キャシーを見る。)俺たちが卑怯だって?
       」
  大地の精「こいつを苛めてるだって?」
  キャシー「だってそうじゃない!!ミルトには強い風を起こす力
        も、大地を揺るがす怪力もないのよ!?そんなの、単
        なる弱いもの苛めだわ!!」

         風の精、大地の精、顔を見合わせて笑う。

  風の精「おまえの口から弱いもの苛めなんて言葉が出るのは、
       全くお笑いだな。」
  大地の精「本当だ!!弱いもの苛めは、今まで散々おまえが
        クラスメイトにしてきたことだろう?」
  キャシー「ち・・・違うわよ・・・!!私がいつそんなこと!!」
  風の精「さぁね。」
  大地の精「それは自分が一番よく知っていることだろう?」
  キャシー「・・・もう!!愚図愚図言ってないで、今は私のことよ
        り、あなたたちのことでしょう!!力を競うなら、同じ
        ものを使って勝負しなさいよ!!」
  クルト「キャシー!!」
  2人「同じもの?」
  風の精「じゃあ、おまえは一体何を持ってるって言うんだ?」
  大地の精「それを使おうじゃないか!」
  風の精「早く言えよ!!」
  大地の精「何もないなら相撲でもするか!?」
  クルト「僕・・・そんな・・・」

         キャシー、横に落ちていた木の棒を
         拾って構える。    

  キャシー「(ニヤリと笑って。)私はこれで闘うわ!!フルとの代
        わりよ!!いざ、尋常に勝負しなさい!!」   ※4
  クルト「(オロオロして。)キャシー・・・!僕はフルトじゃなくって・・
      ・。」

         風の精、大地の精、呆気にとられたように
         キャシーを見るが、その様子を面白がる風
         に、2人顔を見合わせて笑う。

  風の精「面白い!!」
  大地の精「ならば俺たちも・・・!!」

         風の精、大地の精、側に落ちていた
         木の枝を拾って構える。
         3人、構えたまま睨み合う。
         その時、長老の笑い声が聞こえる。
         3人、構えを止めて周りを捜すように
         キョロキョロする。

  クルト「・・・長老?」

         上手より長老、ゆっくり登場。

  長老「えらく物騒なものを振り回しておるんじゃのう・・・。(笑う。)
      」
  クルト「長老!!」
  大地の精「長老!丁度いい!今からこいつと力自慢をやるとこ
        だったんだ!」
  風の精「審判してくれよ!」           ※5
  長老「また、おまえたちは力自慢などと馬鹿げたことをやっとっ
     たのか?」
  大地の精「馬鹿げたことじゃないぜ!!」
  風の精「この森の中で、本当の一番は誰かを決める為にやって
       るんだ!!」
  長老「一番が誰であったとしても、わしにはたいして変わりはな
     いと思うがのぉ・・・。誰が一番でも、この森はなんも変わら
     んて・・・。違うか?」
  クルト「一番は長老に決まってるじゃないか。」
  風の精「それはそうだけど!」
  大地の精「長老はもう年だし・・・そろそろ引退して森のことは俺
        たちに任せてもらって、ゆっくり隠居生活でも送っても
        らおうかな・・・って・・・な!」
  風の精「そうだよ!」
  長老「(笑う。)心配には及ばんわ。わしはまだまだ元気じゃ。そ
     れにわしは、確かにこの森で一番年は食っているが、一番
     力強くも、一番偉いとも思っとらん・・・。力強さで言えば、お
     まえたちの方が、ずっと上じゃろうて・・・。」
  クルト「うん、そうだよ!」
  長老「おまえたちは其々、風を操る者・・・大地を司る者・・・どち
     らもこの森には欠かすことの出来ない大切な力を持つ者た
     ちじゃ・・・。風の精は大地の精にないよさを・・・大地の精
     は風の精にないよさを持ち、2人揃って、より一層この森は
     誰にも住みよい、素晴らしいところになると思うがの・・・。」
  キャシー「(2人の精に。)もう!やるの?やらないの?」

         風の精、大地の精、顔を見合わす。
         其々、手に持っていた枝を放り投げる。

  風の精「止めた・・・」
  大地の精「俺も・・・」
  2人「帰る!!」

         風の精、大地の精、其々上手下手へ
         別々に行きかける。

  キャシー「なんだ・・・つまんないの・・・。そうだ、石・・・!!私、こ
        んなことしに来た訳じゃないのよ!!ちょっと!!あな
        たたち!!帰る前にあなたたちの持ってる石を頂戴!
        !」
  風の精「石・・・?」
  キャシー「願いを叶える石よ!!持ってるんでしょ!?」
  大地の精「ああ・・・」

         風の精、大地の精、キョロキョロと周りを
         見回して、その辺に落ちていた石を、
         其々拾いキャシーに差し出す。

  風の精「ほら・・・」
  キャシー「何・・・?」
  大地の精「これが欲しいんだろ?」
  キャシー「こんな、その辺に落ちてる石コロ、貰ったって、仕様が
        ないじゃない!!」
  風の精「けど、俺たち他に石なんて持ってないぜ。」
  大地の精「ああ・・・」
  キャシー「そんな・・・」

         風の精、大地の精、其々上手下手へ去る。





  


  ――――― “キャシーの森(原作)”3へつづく ―――――











   ※ この書き上げ当時は、まだ曲も決まっていないので、
     ここに書いてあるのは単なる“詞”であります。
     ここから劇団の方が曲を決められ、改めてその曲に
     合うように詞を書き直すので、公演された舞台の歌の
     歌詞とは若干変わっています^_^;

     人形劇では、曲決めも自分で出来る為、掲載歌詞と
     公演歌詞が変わることはありませんが・・・そのことが
     何故か嬉しい私です(^^)v

   ※2、人形劇では場面転換の時間が必要だった為、紗幕前
     での歌の場面が追加されてたと思います(^。^)

     最近の作品では、絵を見せたまま引き抜きで、場面転換
     したりするので、その為だけに紗幕を閉めて場面を増やす
     ようなことは、あまりしないですね^^;

   ※3、この場面、舞台では大きく動けるので、見せ方によって
     は迫力ある場面に仕上がるのですが、人形劇では画面が
     小さくなる為、単なるドタバタ場面にならないように、お人形
     の動かし方に、とっても気の使った場面でありました(>_<)

   ※4、“尋常に勝負”って・・・このキャシーさん、意外とお姉さん
     なのかも知れないですね・・・^^;

   ※5、人形劇の方の長老は、もっと登場と共に精たちが脅え
     るような存在だったと思うのですが、舞台の方の長老は、
     精たちに身近な、幾分フレンドリーな存在のようですね(゜゜)



 ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪


    (どら余談^^;)

    今日は練習日でした~(^_^)v
    仕上がった“J”のお人形・・・期待に違わず、と~っても
    重量感のあるものとなり、出ずっぱり・・・と言っても過言で
    ない“J”・・・練習だけで、腕がとっても疲れました~(>_<)
   









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“キャシーの森(原作)” ―全6場―

2012年09月27日 19時20分17秒 | 脚本

  

    今回は、“キャシーの森”の原作となる舞台脚本、そして
   これは、私がファミリー向き脚本を書いた、初めての作品と
   なります(^_^)

   それまでの、大人チックなものから、子どもさんでも見て楽し
   んでもらえるものへと移行していく、初めての脚本・・・と言う
   ことで、今でこそ言葉使いの“いい”“悪い”も大体は把握で
   きていますが、その当初は子ども向きとは言え、それまでの、
   難しい言い回しの名残がチラホラ見え隠れする、作品となっ
   ております(^。^)・・・とは言え・・・今現在も難しい言い回し、
   やっぱり好きなので、未だにチラホラ見え隠れしていますよ
   ね~・・・^^;

   今回は、皆さんもご存知の作品と言うことで、いつも書いて
   いる“主な登場人物”表記は省かせて頂きます



 ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪



         開演アナウンス。

    ――――― 第 1 場 ―――――

         スポットに横になって眠っているひとりの
         少女(キャシー)浮かび上がる。

  キャシーの母の声「何故、あなたはいつも人を傷付けることを平
              気で言えるのかしら!!泣いて帰ったお友
              達の気持ちも分からないような悪い子は、暫
              くの間、屋根裏部屋で反省して、何が本当に
              大切なことなのか、よく考えてごらんなさい!
              !」              ※
  キャシー「(寝言のように。)・・・何が大切なことなのか・・・ママ
        ・・・」

         フェード・インする。と、キャシーの横に、
         一羽の黄色い小鳥(クルト)が立っている。
         (森の様子。)       ※2

  クルト「僕はママじゃないよ。甘えん坊だな!(笑う。キャシーを
      見て、まだ眠っているのを確認して、キャシーの耳元で。)
      ねぇ、どうしてこんなところで眠ってるんだい?鷲の爺さ
      んに食べられちまうぜ!(笑う。)」
  キャシー「ううん・・・(目覚める。目を擦りながら。)誰よ、さっきか
        ら煩いなぁ・・・(クルトを認め、驚いたように。)小鳥・・・
        ?どうして小鳥がうちの屋根裏部屋にいるのよ!?」
  クルト「小鳥には違いないけど、ちゃんと名前があるんだ!僕の
      名前はクルト!“クルト”って呼んでほしいな。」
  キャシー「あんた、なんで喋れるの!?」      ※3
  クルト「君・・・僕の言ったこと聞いてるかい?僕は“あんた”でも
      “小鳥”でも・・・」
  キャシー「聞いてるわよ!“ケルト”でしょ!?ねぇ、なんで喋れ
        るの!?」
  クルト「“ケル・・・”クルトだよ!!(溜め息を吐いて。)なんでっ
      て言われても・・・。この世界じゃ、皆喋れるのが当たり前
      じゃないか。(笑う。)」
  キャシー「(立ち上がり周りを見回す。)ここ・・・屋根裏部屋じゃ
        ない!!一体、ここは何処なの!?」
  クルト「何言ってるんだよ、さっきから・・・。ここは僕たちの世界
      じゃないか・・・キャシー!」

         クルト、明るく歌う。

         “緑に溢れ 風が歌う
         花たちが踊り 木々が誘う
         陽の光 降り注ぎ
         空に一番近い場所

         皆仲良く手を取れば
         心温かく笑顔に満ち
         小川のせせらぎ水の音
         大地が一番香る場所”

  キャシー「分かったわ。ここが何処だか分かったけど、何故私が
        今ここにいるのか分からない!それにどうしてあなた
        が私の名前を知ってるの!?」
  クルト「そんなこと言われたって、僕にだって分からないよ。キャ
      シーだって、ずっとキャシーなんだし・・・。そうだ!長老な
      ら分かるかも知れないぜ!」      ※4
  キャシー「・・・長老・・・?誰それ・・・」
  クルト「森の奥に昔々から住む長老さ!」
  キャシー「いいわ!その長老のところへ、私を案内して頂戴!」
  クルト「うん!」

         2人にスポット。歌いながら上手より客席方へ。
         客席前通り、下手方へ。

         “行こう!
         分からないことを知る為に
         行こう!
         分からないことを聞く為に
         なんでも知ってる
         森の生き字引 長老に
         なんでもお見通し
         長老に聞けばなんでも分かる筈
         だから行こう!行こう!
         森の奥深く長老のもとへ”

         2人、下手側より舞台へ。

  クルト「長老!!長老!!何処にいるんだい、長老!!」

  長老の声「・・・どうしたんじゃ、クルト・・・そんな大声で・・・」

         上手方スポットに、胡坐をかいた長老
         (白いマントに身を包む。)浮かび上がり、
         フェード・イン。
         場面は森の風景。

  クルト「(長老を認め。)長老!!」
  長老「折角、静かな森の奥が台無しじゃ・・・。」
  クルト「捜してたんだよ!」
  長老「何か用か?(キャシーに気付いて。)ん?キャシーも一緒
     じゃないか。」
  キャシー「あなたも私を知ってるの!?」
  長老「(笑って。)当たり前じゃないか。おまえさんが、赤ん坊の
     時から見てきたんじゃぞ。」
  キャシー「でも、私はあなたたちのことなんて知らないわ!!な
        のに何故!?」
  長老「それは・・・最初からそう決まってたことじゃからのぉ・・・。」
  キャシー「そんなの答えになってないわ!それになんでも知っ
        てる長老って言ったって、ただのおじいさんじゃない!
        」
  クルト「キャシー・・・」
  長老「わしに答えて欲しいなら、おまえさんが自分でちゃんと考
     えんとな・・・。でなけりゃ、わしらにはおまえさんの納得いく
     ような答えは言ってやれんよ。」
  キャシー「どう言うこと?」
  クルト「キャシーはここは自分の世界じゃないって言うんだ。」
  キャシー「当たり前じゃない!私は今日、ママにお仕置きされて
        屋根裏部屋に閉じ込められてたのよ!なのに、気が
        ついたらこんな森の中・・・!冗談じゃないわ!!私は
        早く帰りたいの!!(長老に。)あなた、なんでも知って
        るんでしょ!?どうやったら元の世界に帰れるか、教
        えて頂戴!!」         ※5
  長老「そうさなぁ・・・それなら、この森に住む5人の妖精たちに
     会うんじゃ。」
  キャシー「5人の妖精・・・?」
  クルト「花、泉、風、大地、木・・・其々の妖精は、この森の守り神
      なんだ!」
  長老「5人の妖精に会って、願いの石を貰ってくるんじゃ。」
  キャシー「願いの石?」
  長老「そうじゃ、願いの石じゃ。その石が5つとも揃った時、その
     石を持つ者の願いは、なんでも叶えられる。」
  キャシー「なんでも?(嬉しそうに。)」
  長老「ああ。」
  キャシー「じゃあ元の世界へ帰れるのね!?」
  長老「そうじゃな・・・。」
  キャシー「分かったわ!!」

         キャシー、慌てて下手方へ走り出ようとする。

  クルト「僕も一緒に行くよ!!」
  キャシー「え?(振り返る。)」
  クルト「君一人じゃ、5人の妖精に会うことなんて、出来ないぜ。
      」
  キャシー「・・・そうね・・・いいわ!連れて行ってあげる!」
  クルト「つれ・・・!?」
  キャシー「さぁ、早く案内して頂戴!カルト!!」

         キャシー、下手へ走り去る。

  クルト「カル・・・!?僕はクルトだってば!!(足を踏み鳴らす。
      呆れたように、キャシーが去った方を見て、溜め息を吐く
      。)それが協力を願い出た僕に対して言う台詞かなぁ・・・
      ね!?長老!!」
  長老「(笑う。)やぶ蛇じゃったかの?」       ※6

         フェード・アウト。

    ――――― 第 2 場 ―――――

         音楽でフェード・インする。と(森の花畑)、
         ポーズをとった蝶たち、楽しそうに踊る。
         そこへ蜘蛛が登場。蝶たちを捕まえようと
         躍起になって踊る。      ※7

  蜘蛛「いい加減に観念して、わいの餌になってしまいいな!!」
  蝶「いやよ!!」

         その時、花の妖精の声が聞こえる。

  花の妖精の声「私のお花畑で、乱暴な言葉を使うのは誰!?」

         上手より、ゆっくり花の妖精、登場。
         皆、その方を注目する。

  蝶「花の精!!」

         蜘蛛、“仕舞った”と言う風な顔付きで、
         ソロリと下手方へ行こうとする。

  花の妖精「まぁ!またあなたなのね、蜘蛛さん!!あれ程、私
        の花園に遊びに来る、可愛い子たちに乱暴はしない
        って約束した筈なのに・・・。」
  蜘蛛「(ボソッと呟きながら、ゆっくり下手方へ。)そやけど、ここ
     んとこいっこも獲物はかかれへんし、腹減って腹減って・・・
     。そんなん言うんやったら、わいの空腹、満たしてぇや・・・。
     」

         蜘蛛、不貞腐れたように座り込む。

  蝶「ありがとう、花の精!」
  花の妖精「今度からは気を付けないと駄目よ。」
  蝶「ええ!」

         その時、上手よりキャシー登場。続いて
         クルト登場、そこに垂れ下がっていた蜘蛛の
         糸に引っ掛かる。

  クルト「わあっ!!(もがく。)」
  蜘蛛「(クルトに逸早く気付いて。)やった!!かかったで!!」
                       
         蜘蛛、嬉しそうに飛び上がり、上手方へ
         走り寄る。

  クルト「(脅えて。)助けて!!キャシー!!」

         キャシー、チラッとその方を見るが、興味が
         ないように向き直り、周りの様子を見回して
         いる。          ※8 

  蜘蛛「小鳥か!!ご馳走やな!!」
  クルト「キャシー!!キャシー!!」

         花の妖精、気付いて近寄る。

  花の妖精「蜘蛛さん!!」
  蜘蛛「なんやねん!!これはわいの餌やで!!ちゃんと、わい
     の蜘蛛の巣にこいつ自らかかったんや!!食おうが殺そう
     が放っといてんか!!」
  クルト「こ・・・殺す・・・!?」
  花の妖精「小鳥さん脅えてるじゃない。助けてあげて。」
  蜘蛛「いやや!!」
  花の妖精「そんなこと言わないで。ね?」
  蜘蛛「わいは腹減ってんねん・・・。」
  花の妖精「その代わり私が後で蜘蛛さんに、飛びっきりのご馳
        走するわ!フラワーレストランスペシャルメニューよ!」
  蜘蛛「花なんか食うても、腹一杯になれへんわ・・・!」
  花の妖精「(さっきまでとは打って変わって、怖い顔付きになる。
        )・・・そう・・・もとはと言えば蜘蛛さんが、約束を破って
        私の花園で乱暴したのよね・・・。」
  蜘蛛「それは・・・」
  花の妖精「二度とここへは来れなくなるわね。(蜘蛛を睨む。)」
  蜘蛛「・・・あの・・・(一時考えて。)わ・・・分かったわ・・・そんだけ
     言うんやったら・・・今回だけは見逃したるわ・・・」
  花の妖精「(再びさっきまでの優しい笑顔になって。)本当?」
  蜘蛛「・・・ああ・・・男に二言はない!その代わり・・・そのスペシ
     ャルなんとか・・・っての頼むで・・・。」
  花の妖精「ええ!あなたの為に、最高を用意するわ!」 ※9
  
         蜘蛛、渋々クルトに絡まった糸を外してやる。

  クルト「・・・ありがとう!」
  蜘蛛「ふん・・・どんくさい鳥やで、ほんまに・・・(ブツブツと言いな
     がら、下手へゆっくり去る。)」










   ――――― “キャシーの森(原作)”2へつづく ―――――











    ※ 早速、この台詞、人形劇用では“パパ”を登場させまし
      たが、本来キャシーは“ママ”にお仕置きされていたので
      した(^.^)
      何故パパに代えたかと言うと、台詞メンバーのパパ声
      が聞いてみたかった・・・と言う、単なる私の勝手な好奇
      心からでした~^^;

      余談ですが・・・全場数も違いますね"^_^"

    ※2、クルトって、黄色だったんですね~(゜.゜)
      自分で書いておきながら、たった今まで忘れていた事実
      でした(~_~)
      人形劇でクルトを青色にしたのは、舞台で公演して頂い
      た時に青い小鳥だったので、青が正解だと思ってたから
      です^^;
      確かにでも舞台などに上がると、黄色より青色の方が、
      締まりがいいかも知れないですね~^_^;
  
    ※3、今なら“あなた”とするでしょう^^;・・・と言うことは・・・
      昔の方が、使っていい、悪い関係なく、自分の頭の中に
      思い浮かんだ表現に素直に従い、どちらが正解か・・・と
      言うことではなく、書きたいものを書いていた・・・と言うこ
      とですね・・・(>_<)

    ※4、この「知れないぜ」の“ぜ”は、明らかにそれまで書い
      ていた作品群の名残です^_^;

    ※5、どちらかと言えば、今回の舞台脚本でのキャシーの
      方が、人形劇のキャシーより気持ちキツイ子で書かれて
      います(^。^)

    ※6、「やぶ蛇」って・・・^^;

    ※7、読んで頂いた通り、人が演じなければ無理な場面の
      為、人形劇では省いています(^。^)

    ※8、人形劇舞台では、ゴチャゴチャと沢山の登場人物を
      一度に同じ場面に出すことは、見た目の問題から、極力
      避けるので、この場面もキャシーは出ていなかったと思
      うのですが、舞台では引っ込むことなくウロウロしている
      ようですね(^.^)

    ※9、この場面、人が演じてるのなら、表情や雰囲気など
      で、優しい花の妖精と怖い花の妖精の演じ訳は容易い
      と思うのですが、お人形でそこまでの差をどうして出す
      か・・・と考え、見た目ではなく耳から入る“音”で、怖く
      なった花の妖精を演出したのでした"^_^"


 ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪


   
   









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“ワンダフルToday!―君と僕の新しい出会い―” ―全11場― 完結編

2012年07月12日 19時05分54秒 | 脚本


    ――――― 第 11 場 ―――――

         紗幕前。
         ジュリーの父と母、話しながら下手より登場。

  母「あなた・・・私たちの決断は間違いではないですよね。」
  父「勿論だとも。ただ勉強さえできればと・・・あの子の気持ちも
    考えずに、都会を選んだ私たちが間違っていたんだ・・・。」
  母「あの子にとって何が大切なのか・・・」
  父「一番の友達と一緒にいることが、あの子の幸せなんだよ。」

         そこへジュリー、上手より登場。


   


  ジュリー「パパ・・・ママ・・・」
  母「さぁジュリー、ここが新しい家よ。」

         紗幕開く。と、草原に一軒家が建つ風景。
         (奥に海が見える。)

  ジュリー「・・・ここは・・・。新しい家は都会の高層マンションじゃ
       なかったの・・・?」
  父「都会のど真ん中で、生活にも勉強にも便利な場所・・・と言う
    訳にはいかないが・・・少し離れた郊外の一軒家のここなら
    ・・・」
  母「もう一度プッチと暮らせるでしょ?」
  ジュリー「ママ・・・」

         遠くで犬の吠える声。(段々大きく。)
         音楽流れる。
         プッチ、嬉しそうに上手より走り登場。
         (父母下がる。)

  プッチ「ワンワンワン!!」
  ジュリー「プッチ!!プッチ!!また一緒に暮らせるのね!!」
  
  プッチの声「僕はジュリーといられるだけで幸せなんだよ・・・ワ
         ン・・・」

         ジュリー歌う。    ※

     ジュリー“あなたと一緒に
           いられるだけで
           他には何もいらないわ私
           たとえ
           素敵な服に靴 カバン
           そんなものが一杯あったって”

     コーラス“あなたがいつでも
           隣にいればいい
           大切な私の友達だから
           あなたは”

     ジュリー“いつでもあなたが
           私の側にいてくれたら
           もう私他には何もいらないわ
           あなたと一緒なら
           この広い草原をあなたと2人走る
           またそんな日が来る夢
           みていたのよ あなたと一緒”

     コーラス“この青い空の下
           あなたと2人走る
           いつかまた来る信じて
           2人夢見た時間だから”

     プッチ“僕は君といられるだけで
          幸せなんだ心が”

  ジュリー「海よ!!海があるわ!!見てプッチ!!海よ!!」
  プッチ「ワンワンワン!」           

     ジュリー“あなたが隣で微笑むだけで
           温かな温もりに溢れるわ
           たとえどんなに楽しいできごと
           そんなことが沢山あったって”

     コーラス“あなたと2人で一緒にいればいい
           それだけで私の心は
           幸せ溢れ返る”

     ジュリー“いつでも側にいてこれからきっと
           離れたりしないわ私は
           たとえどんなことがあってもずっと”

     コーラス“この青い空の下 幸せ思い描き
           また会える日が来る夢
           心の中温めていた”

     ジュリー“この広い世界の中
           どこまでも続く道が
           あなたと2人並び
           走り続けよういつまでも”

     プッチ“僕は君といられるだけで
          幸せなんだ心が”


   
           
           
         ジュリー、プッチ一寸後方へ。
         上手より村長、アナベル、犬1話しながら
         登場。下手方へ。

  犬1「僕、幸せそうなプッチを見てたら、また人間の友達が欲しく
     なったよ・・・ワン・・・。」
  アナベル「お父様、私達もまた外の世界へ行ってみたらどうかし
        ら・・・ワン。」
  村長「そうだな・・・ワン。意外と我々が思っている程、人間も悪
     い者ばかりではないかも知れないな・・・ワン。」

         村長、アナベル、犬1下手へ去る。
         ジュリー、プッチ前へ。   ※2

     ジュリー“いつでも2人は
           これからずっと一緒よ
           どんなことがあっても
           離れないわあなたの側
           私たちこれからは
           いつでもどこまでも一緒
           離れないわ大切な友達だから
           あなたは誰にも代えられない
           私だけの友達よ
           この青い空の下 幸せ思い描き
           また会える日来る夢
           心の中で温め
           この広い世界の中
           どこまでも続く道が”

     コーラス“あなたと2人並んで
           走り続けようこれから”

  ジュリー「プッチ!!行きましょう!!」
  プッチ「ワンワンワン!!」
  ジュリー「プッチ!!(笑う。)プッチ!!」
  プッチ「ワンワンワン!!」
  ジュリー「あなたが大好きよ・・・。」
  プッチ「ワンワンワン!!」





    

       ――――― 幕 ―――――












     ※ 実はこのお歌・・・と~っても長いのです^^;
       場面時間にすると、優に5分はあるかと・・・(^_^;)
       兎に角、思いっきり明るく終わりたかったので、
       アイドルスターのようにジュリーちゃん歌いまくって
       います(>_<)お聞き頂けないのが残念ですが^^;

     ※2 舞台では、ここで犬タイプのプッチくんから、人間
       タイプのプッチくんに交代させました(^^)
  



 ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪



   (どら余談^^;)

    今夏も、ここ何年か毎年お声を掛けて頂く小学校からの
   公演依頼があり、8月の前半にお邪魔させて頂くことになり
   ました(^^)v

   作品は「君のために・・・」を持って行こうと考えています♥
   
   こんな風に毎年忘れずに呼んで下さる場所がある・・・と言う
   のは、とても嬉しいことだと思い、暑いさ中ではありますが、
   楽しんでもらえるように頑張って行って参ります(^.^)

   ここ数週間・・・人形劇団の存続について振り回されてた感
   のある私でしたが(詳しいことはヤフー版“ドラワールド”に
   書いていますので、興味がおありでしたらご覧下さい^^;)
   こうやって贔屓にしてもらえる場所がある限り・・・また、
   頑張って歩いていかなければいけないな・・・と、考える次第
   であります(^^)

   何につけ・・・“程々”と言うことが出来ず、全力疾走で何に
   対しても突っ走って行くようなところがあるもので、ちょっと
   でも障害になるようなことが起こると、今回のようにどん底
   にまで、一旦沈んでしまうのです^^;
   ま、そのかわり、昔から「浮き上がるのも早い」と言われて
   いるので、あんまり心配もしてもらえない私であります^^;
      







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“ワンダフルToday!―君と僕の新しい出会い―” ―全11場― 3

2012年07月07日 21時25分39秒 | 脚本


    ――――― 第 9 場 ――――― A

         紗幕開く。と、村長の納屋が激しく燃えている。


    
                      ※



         それぞれ犬たち、上手下手より走り登場。      
         恐々と遠巻きにして、その様子を見る。

  犬1「火事だー!!ワンワンワン!!」
  犬3「大変だー!!ワン!!」
  犬4「火だ!!火が出てるぞー!!ワン!!」
  犬1「村長さん家の納屋から火が出てるぞー!!ワン!!」
  犬3「大変だー!!ワン!!」
  犬4「どうすればいいんだワン!!」

         犬たち歌う。

         “恐ろしい恐ろしい
         火事だぞ火が出てる
         どうすればいいんだ
         何もかも燃え尽きる
         恐ろしい火だ
         この身も焼き尽くす全て

         恐ろしい恐ろしい
         火事だぞ火が出てる
         どうすればいいんだ
         何もかも燃え尽きる
         恐ろしい火だ
         この身も焼き尽くす全て”

  犬1「早く何とかするんだワン!!」
  犬3「そうだバケツを持てワン!!」
  犬4「水だワン!!」
  犬1「急いで水を運ぶんだワン!!」
  犬3「早くしろワン!!」
  犬4「ワンワンワン!!」

         “恐ろしい火がこの村中を    コーラス“恐ろしい
         焼き尽くしてしまう今にも           火事だ”
         何もかも奪い去る火事だ
         恐ろしい火だ
         火事だ火事だ”

         そこへ上手よりアナベル、走り登場。

  アナベル「みんな!!ワン!!」
  犬1「お嬢さんワン!!」
  アナベル「大変だわワン!!早くなんとかしないと・・・ワン!!
        (納屋に近付こうとする。)」
  犬3「(アナベルを制止して。)危ないワン!!お嬢さん、火に近
     寄ったら駄目だワン!!」
  犬4「火は昔から我々動物が一番苦手といているものだワン!
     !」
  犬1「そんな火に近寄れば命がどうなるか・・・ワン。」
  アナベル「だって・・・だって納屋の中に、この村の来年の作物
        の種が全部収めてあるのよワン!!」
  犬3「なんだってワン・・・?」
  犬4「種が・・・」

         “命の源が消える・・・”

         “恐ろしい恐ろしい
         火事だぞ火が出てる
         どうすればいいんだ
         何もかも燃え尽きる
         恐ろしい火だ
         この身も焼き尽くす全て”

         その時、上手より村長走り登場。

  村長「アナベル!!」
  アナベル「お父様!!」
  村長「大変だぞ!!このままじゃ作物の種は全て燃え尽きてし
     まうワン!!来年は食べ物が作れなくなって、この村の者
     たちはみんな散り散りになってしまうワン!!」
  アナベル「誰か・・・誰か早く火をワン!!」
  犬1「い・・・嫌だワン・・・」
  犬3「お・・・俺たちは犬だワン・・・」
  犬4「火が怖いんだワン・・・」
  犬1「無理だ・・・ワン・・・」
  犬2「無理よ・・・ワン・・・」
  アナベル「そんなことを言ってたら、来年はこの村はなくなってし
        まうのよワン!!」
  犬3「そんなに言うなら・・・アナベルお嬢さんが行けばいいワン
     ・・・」
  村長「どうすればいいんだワン・・・」

         “恐ろしい・・・”

  犬4「なんとかしないと・・・ワン・・・」
  犬2「でも・・・ワン・・・」
  犬1「火には近寄れないワン・・・」

         “恐ろしい恐ろしい
         火事だぞ火が出てる
         どうすればいいんだ
         何もかも燃え尽きる
         恐ろしい火だ
         この身も焼き尽くす全て”

         そこへ上手よりジュリー、走り登場。

  犬たち口々に「人間だ・・・ワン・・・」
  村長「人間?ジュリー・・・ワン・・・」
  ジュリー「私が取って来るわ!!」


   



  アナベル「え・・・?」
  犬3「人間のおまえに、何ができるワン!!」
  犬4「そうだワン!!」
  村長「放っといてもらおうワン・・・。これは我々犬の国の問題だ
     ワン・・・。」
  アナベル「でも・・・そんなこと言ってたら来年の作物は・・・ワン
        ・・・」
  
         “犬の国の・・・”

  ジュリー「何言ってるのよ!!」

         ジュリー、歌う。

         “姿がどうでも変わりない
         たとえ過去がどうでも
         大切なものを守ること
         それが人のすべきこと
         だから拒否されても
         私は行くわ”

         ジュリー、納屋へ飛び込む。

  アナベル「ジュリー!!」

     コーラス“姿が違ってても
           大切なもの守る為”

  アナベル「ジュリー!!」

         “ゴォーッ”と木が崩れるような音。

    ――――― 第 9 場 ――――― B

         一時置いて、ジュリー麻袋を抱かえ納屋から
         出る。
         (その顔は、すすで真っ黒になっている。) ※1
         音楽流れる。


   
            

 
  犬1「種だ・・・ワン・・・」
  犬3「種だ!!」
  犬4「ジュリーが種を守ってくれたぞー!!ワン!!」
  犬1「来年も食べ物を作ることができるんだー!!ワン!!」
  犬3「ジュリーのおかげだー!!ワン!!」
  村長「ジュリー・・・」
  ジュリー「村長さん・・・」
  村長「我々犬は、元来火にはとても弱い・・・。昔から火は恐ろし
     いものと本能的に悟るからだ・・・。それをそなたは勇敢に
     もその中に飛び込み、人間でも怖いであろう火に立ち向か
     い・・・我々の命の源となる種を守ってくれた・・・。この恩は
     一生忘れることはないであろう・・・ワン・・・。」

         村長歌う。

         “ありがとう       コーラス“ありがとう
         勇気を                私たち
         拒否した               間違ってたのね
         我々を 
         許して                許して
         くれるか               心から”
         感謝を
         心から”

         ジュリー歌う。

         “私がみんなの
         役に立ったのね”

  村長「ありがとう・・・ジュリー・・・」
  アナベル「私も・・・お礼を言わせて・・・ワン。ありがとう・・・。」
  ジュリー「アナベル・・・」

         紗幕閉まる。

    ――――― 第 10 場 ―――――

         紗幕前。
         上手より犬たち話しながら登場。

  犬1「ジュリー、森の魔法使いに10時間だけ犬に変わる薬を作
     ってもらって飲んでたんだってワン。」
  犬3「へぇ・・・でもまだ尻尾はそのまま犬みたいだったワン。」
  犬1「きっと失敗作の薬だったのさワン!」
  犬2「でも・・・あんな人間もいるのねぇ・・・ワン・・・」
  犬3「うん・・・。こんなところまでプッチを捜しに来るなんてワン
     ・・・」
  犬1「そう言えば、プッチが目覚めたらしいワン。」
  犬2「本当ワン?」
  犬3「プッチはジュリーと一緒に帰るのかなぁ・・・ワン。」
  犬1「ジュリーが飼い主ならプッチは幸せだワン。」
  犬2「そうね・・・ワン。」

         犬たち下手へ去る。
         紗幕開く。と、村の様子。
         (中央、プッチ後ろ向きに立っている。)
         上手よりジュリー、走り登場。

  ジュリー「プッチ!!プッチ!!目が覚めたのね!?」
  プッチ「ジュリー!!僕を捜しに来てくれたんだってワン?」
  ジュリー「そうよ!!あなたがいなくなって私どうしていいか分
       からなかったの・・・。」
  プッチ「そんな姿にまでなって・・・ワン・・・」
  ジュリー「耳はもう戻っちゃったけど・・・」


   


  
  プッチ「ありがとうワン・・・」
  ジュリー「プッチ!!早く私と一緒に帰りましょう!!」
  プッチ「僕・・・ずっと夢を見ていたよ・・・ワン・・・」
  ジュリー「夢・・・?」
  プッチ「うん・・・。ジュリーが新しい友達とどこかへ行ってしまうん
      だワン・・・。」
  ジュリー「プッチ・・・」
  プッチ「夢の中ですごく淋しかったんだワン・・・」
  ジュリー「そんなことある筈ないわ・・・。(優しく。)」
  プッチ「僕は一度はジュリーの元へ戻ろうと、新しい飼い主の家
      を飛び出した・・・。ただ夢中で帰ろうとして・・・そうしてこ
      んな大怪我をしたんだ・・・。僕は大好きだったジュリーと、
      ずっと一緒にいたかったんだ。ただそれだけだった・・・。
      でも・・・僕はここへ残るよ・・・。」
  ジュリー「え・・・?」
  プッチ「僕はここで他の犬たちと一緒に暮らすよ・・・ワン・・・」
  ジュリー「どうして・・・どうしてなの!?」
  プッチ「ジュリーは新しい環境で・・・ジュリーの未来の為に生き
      るんだ・・・ワン。」
  ジュリー「プッチ・・・」
  プッチ「それにもう・・・ジュリーは僕がいなくても大丈夫・・・。きっ
      と・・・新しい家で楽しく暮らして行けるよワン・・・。」
  ジュリー「どうして・・・?一緒に新しい家に行ってくれないの!?
       今度の家は、とても賑やかで大きい町のビルだってパ
       パが言ってたわ!とても見晴らしがよくって・・・。あなた
       と行けるって心から楽しみにしてたのよ。」
  プッチ「僕は・・・人間じゃないんだ・・・ジュリーとは一緒に行けな
      いんだよ・・・ワン。」
  ジュリー「・・・嫌・・・嫌よ!!そんなの嫌!!」
  プッチ「ジュリー・・・思い出して・・・。ジュリーが初めて僕に出会
      った時のこと・・・。初めて見る犬に君はとても怖がって、
      僕にちっとも近寄って来てくれなかった・・・。でも・・・段々
      慣れて・・・今では・・・誰よりも僕たちは仲良しになれた・・・
      ワン・・・。」
  ジュリー「だからこれからも・・・」
  プッチ「(首を振る。)だから・・・直ぐにまた新しい友達ができるよ
      ・・・きっとワン・・・」
  ジュリー「あなた以上の友達なんてできない・・・」

         音楽流れ、ジュリー歌う。

         “お願い行かないで
         いつまでも側にいて
         私のこと見ていて”

  プッチ「大丈夫・・・ジュリーならきっと・・・僕がいなくても・・・。そ
      れに・・・離れていても・・・僕たちの心はいつも一緒だ・・・
      ワン。ほんの少しの間でも・・・僕は君と同じ言葉で、君に
      僕に気持ちを伝えることができてよかった・・・。ほら・・・
      ジュリー・・・完全に君は人間の姿に戻る時間が来たよ・・・
      ワン。」
  ジュリー「え・・・?(自分の後ろを見て。)あ・・・尻尾が・・・(尻尾
       が消える。)」
  プッチ「僕をこんな遠くまで捜しに来てくれて・・・本当にありがと
      う・・・ワン・・・」

         プッチ歌う。

         “今 僕は君と別れ
         一人旅立つ
         幸せな思い出を
         胸に抱かえ君との”

         プッチ、中央後方へ下がる。
         (ジュリー、中央正面見上げる。)
         森の木々たち、ジュリーを残して
         プッチを隠すように。(プッチ去る。)

         ジュリー歌う。

         “お願い一人にしないで
         あなたと行くわ
         どこまでも
         たとえ姿が違っても
         2人は一緒・・・”

  ジュリー「プッチー!!」

         紗幕閉まる。 











 ――――― “ワンダフルToday!
     ―君と僕の新しい出会い―”完結編へつづく ―――――










   ※ この火事場の場面、どうやって“火事”を演出しようか・・・
     と、散々色々と調べ試行錯誤したのですが、結局、一番
     簡単に出来そうな、上記のような“ペープサート”の“火”に
     なりました(^^)
     ビデオが残ってない為、どんな風に見えていたのか、確認
     は出来ませんが、写真で見る限り、それなり・・・に見えて
     いたのではないか・・・と思いますが・・・如何ですか・・・^^;

   ※1 この“すす”で汚れたジュリーちゃんのお顔をどうしようか
     と考え、肌色フェルトを汚して、それを貼り付けて汚れた感
     を出して、練習していたのですが・・・(>_<)・・・当日は、
     付ける時間がなく、綺麗なお顔のままで出てしまいました。
     
     袋を持って登場のジュリーちゃんのお顔、ご覧下さい^^;




 ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪


   (どら余談^^;)

   新作、後1曲がどうしても・・・どうしても決まりません~(>_<)


   6月29日(金)

   新作完成しました~(^^)v

   今回、私が伝えたかったテーマ、「大切なものを守る為には
   闘わなければいけない時がある。」を盛り込んだ、男の子男
   の子した作品、来年春公演をお楽しみに♥


   7月6日(金)

   11月の7周年記念公演の2作品、題名が決まりました(^^)v

   「“J”―未来の君へー」
   「アリアの海」

   です(^^)
   どちらも、どら自信作・・・どうぞ見にいらして下さい♥



   7月7日(土)

   なんともお間抜けな間違いで、昨日はてっきり7月7日の
   七夕様だと、何の疑いもなく信じきっておりました(>_<)

   昼間に子どもの病院で、入院中に作った子どもの七夕飾り
   を散々見ていたから・・・などと、言い訳はいたしません^^;

   ・・・が、大慌てで訂正だけさせて頂きます(^_^;)

   ブログ更新はまた夜に・・・(^^)v
   失礼致しました







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“ワンダフルToday!―君と僕の新しい出会い―” ―全11場― 2

2012年06月26日 20時45分00秒 | 脚本


         犬たち上手へ去る。
         ジュリー、犬たちに続いて行きかけ立ち止まる。
         (音楽変わる。)
         ジュリー歌う。

         “あなたに会えるわもう
         直ぐに行くから
         会いたくてここに来た
         ドキドキしてる
         ドキドキしてる・・・”

  犬1の声「早く来いよーワン!!」

         ジュリー、上手へ去る。
         紗幕閉まる。

    ――――― 第 6 場 ―――――

         下手より村長とアナベル、話しながら登場。

                  
             (左・アナベル、右・村長)
 


  村長「で、アナベル、この間傷だらけでやって来たノラ犬は、ま
     だ目が覚めないのかワン?」
  アナベル「ええ、お父様ワン・・・。きっと人間の車にでもぶつけ
        られて、そのままほったらかしにされたのよワン。」
  村長「そうかワン・・・。この村は人間に酷い目にあわされた犬
     たちが、行く場所がなくて集まって来る村ワン・・・。」
  アナベル「人間なんて大っ嫌いワン!!お父様も私も・・・飼い
        主だった人間に、新しい動物を飼うんだって丸でゴミ
        のように捨てられたのよワン!!雨の降るアスファル
        トの冷たい道の真ん中にワン・・・。」
  村長「やめなさいアナベルワン・・・。人間全てが悪い者ばかり
     ではない。中には我々を本当の友達のように、生涯可愛
     がってくれる人間もいるんだワン・・・。」
  アナベル「嘘よ!!そんな人間いる筈がないわワン!!」
  村長「アナベル・・・そうだな・・・ここは私たちのような、可哀相な
     境遇の犬たちが沢山いるんだったな・・・ワン。」
  アナベル「・・・そうよ・・・ワン。」

         紗幕開く。と、村長の家の中。
         下手方、ベットの上にプッチ、横になっている。
         アナベル、プッチの側へ。

   
                     ※


  アナベル「(プッチの額へ手を置く。)だいぶ熱が下がったみたい
        ワン。」
  村長「そうか、それは良かったワン。ならもう少しで目が覚める
     かも知れないなワン。アナベル、そのノラ犬のことは頼んだ
     ぞワン。」
  アナベル「はい、お父様ワン。」

         村長、下手へ去る。
         音楽流れ、アナベル歌う。

         “あなたはどうしてここに来たの
         酷い傷 高い熱 辛そう・・・
         どんな風に辛い目に
         あってきたの
         ここまでどうやって
         辿り着いた”

         そこへ上手より、犬1登場。

  犬1「アナベルお嬢さん、村長さんはワン?」
  アナベル「お父様なら奥にいるわワン。」
  犬1「アナベルお嬢さん、その犬・・・」
  アナベル「ええ。まだ気が付かないのワン・・・。」
  犬1「そうなんですかワン・・・。」

         アナベル歌う。

         “いつかは帰るの
         あなたの場所
         私の知らない
         あなたの場所
         こんなになるまで
         力を出し
         辿り着いたの      コーラス“着いたの
         あなた誰               誰なの
         手が届きそう”           帰るの・・・”

         下手より村長登場。

  村長「どうしたワン?」
  犬1「あ、村長ワン!そのノラ犬を捜しにやって来たとか言う、
     娘犬を連れて来たんだワン。」
  アナベル「え・・・?」
  村長「本当なのかワン?」
  犬1(頷く。)」
  村長「ここへ呼んで来なさいワン。」
  犬1「はいワン!(上手を見て。)おーい!!(手を振る。)」

         上手よりジュリー登場。
         プッチを認め駆け寄る。

  ジュリー「プッチ・・・プッチ!!やっと見つけたわ!!あなたの
       ことをどれだけ捜し回ったか!!プッチ・・・プッチ!!
       ああ、よかった!!やっと会えた・・・!!どうしても見つ
       からなくて諦めかけた時、昔ママに教えてもらったこの
       国のことを思い出したのよ。それでもしかしたらって・・・」
  村長「その犬の名前はプッチと言うのかねワン?」
  ジュリー「え・・・?あ・・・はい・・・!この犬の名前はプッチ・・・。
       私の・・・(口籠る。)」
  アナベル「あなた・・・その犬とどんな関係なのワン・・・?」
  ジュリー「え・・・っと・・・」
  アナベル「えらく親し気だけどワン・・・」
  ジュリー「あ・・・あの・・・私の家・・・とプッチの家が・・・お隣同士
       だったの!!そう!!私の飼い主とプッチの飼い主が
       ・・・」
  アナベル「ふうん・・・」
  ジュリー「でもプッチ・・・どうしてこんな大怪我を・・・?」
  村長「それがよく分からないのだよワン。この村へやって来た時
     には、もう口も利けないような状態で、ずっと眠ったままな
     のだワン。」
  ジュリー「プッチ・・・」

   
                    ※2


  アナベル「私がずっと看病してるのよワン!」
  ジュリー「え・・・あ・・・ありがとう・・・。」
  アナベル「あなたにお礼を言われる筋合いはないわワン!」
  村長「これアナベル!お客様だぞワン。」
  アナベル「ふんっ!(下手へ去る。)」
  ジュリー「プッチ・・・プッチ・・・」

         ジュリーのプッチを呼ぶ声が木霊する。
         全員下がり、入れ代わるようにプッチ上がる。
         (スモーク。背景変わる。)   ※3

    ――――― 第 7 場 ―――――

         (プッチの回想。)
         音楽流れ、プッチ歌う。

  プッチ(エコー)「ジュリー・・・僕はいつも君と一緒にいられるだけ
            で幸せだったんだ・・・。たとえ姿形や言葉は違っ
            ても・・・」

         “ああ僕はいつも
         君といれば
         ああただそれだけ
         僕の願いだ”

         ジュリー、上がり歌う。

     プッチ“ああいつも2人       ジュリー“あなたはどこに
         丘に登って                側にいて
         いつも一緒だから            大切だから”
         君と駆けるんだ”

         一匹の犬(ジョン)上がる。
         ジュリーの側へ。

  ジュリー「ジョン!ジョン!」
  ジョン「(嬉しそうに。)ワンワンワン!」
  ジュリー「くすぐったいわ!」
  ジョン「ワンワンワン!」
  ジュリー「あはははは・・・ジョンったら!」
  ジョン「ワンワンワン!」
  ジュリー「あはははは・・・ジョン、行きましょう!」
  ジョン「ワンワンワン!」

         ジュリー、ジョン下がる。

  プッチ「ジュリー!!」

         プッチ歌う。

         “ああ君の側に    
         いればいい
         ああただそれが
         僕の願いだ”

  プッチ「ジュリー・・・」

         紗幕閉まる。

    ――――― 第 8 場 ―――――

         下手より犬たち、ジュリー、話しながら登場。
         最後からアナベル、不審気にジュリーを見な
         がら登場。犬たちに続く。

   


  犬1「ねぇ、君はどこから来たんだワン?」
  犬2「どんな辛いことを人間にされたのワン?」
  ジュリー「え・・・?」
  犬3「ここに来る犬たちは、みんな人間に酷い扱いを受けてきた
     んだワン。」
  犬1「ほら見てくれよ僕のひげ・・・半分しかないんだワン・・・。こ
     んなに格好が悪いのは、人間が面白半分で、ハサミで僕
     の大切なひげをちょん切ったからなんだ・・・。おかげで上手
     く歩けないワン・・・。」
  ジュリー「・・・そうなの・・・」
  犬3「人間なんて、自分たちの楽しみの為だけに、僕たちを側に
     置こうとするワン。」
  犬2それで飽きたらポイ・・・なのよワン。」
  アナベル「それで・・・?あなたはどんな酷い目にあわされたの
        ワン?」
  ジュリー「私・・・私は・・・人間はそんな風に酷い人ばかりじゃな
       いと思うわ・・・」
  犬1「え・・・?ワン。」
  ジュリー「私はそんな風に酷いことはしない・・・」
  アナベル「私・・・?私ですってワン!?」
  ジュリー「あ・・・私じゃなくて・・・私の飼い主は・・・よ!!私の飼
       い主のことよ!!」
  アナベル「あなた・・・なんだか変ね・・・ワン。」
  ジュリー「そ・・・そんなことないわ・・・ワンワン!!(わざとらしく
       。)」
  犬3「アナベル・・・ジュリーが変ってどうして・・・ワン・・・」

         その時、ジュリーの犬の耳が消える。 ※4

  犬2「ジュリー・・・あなた・・・耳が・・・ワン・・・」
  ジュリー「え?」
  犬1「耳がないぞワン!!」
  犬3「ジュリーの耳は、人間そっくりだワン!!」
  ジュリー「嘘・・・!!もう10時間経ったの!?」

         緊迫した音楽流れる。

  犬1「人間だ・・・人間が紛れ込んでるぞワン!!」
  犬3「人間だーワン!!」
  犬1「やっつけろワン!!」
  犬2「私たちの敵よ!!人間なんてワン!!」
  犬たち「ウー・・・・ワンワンワン!!」

         犬たち色めき立ち、ジュリーの回りを囲み
         歌う。

         “俺たちの敵だ”

  犬1「俺たちの敵だワン!!」
  犬2「人間なんかワン!!」
  犬3「やっちまえワン!!」

   


         “自分のことだけ    コーラス“敵 敵
                              敵 敵
         人間なんて”             敵 敵”

  ジュリー「そんなことないわ!!私たちはあなたたちの敵じゃな
       い。いつもあなたたちと仲良くしたいと思ってるのよ!!
       だから・・・」
  犬1「そんな言葉、信用できるもんかワン!!」
  犬3「そうだワン!!」
  犬2「ワンワン!!」
  ジュリー「信じて!!」

         “俺たちの敵だ”

  ジュリー「待って・・・待って!!私は何もあなたたちを苦しめよ
       うと思って来たんじゃないわ!!私はプッチを捜しに来
       ただけ・・・」
  アナベル「・・・プッチはあなたになんて渡さないわワン!!」
  ジュリー「お願い・・・私にプッチを返して・・・」
  犬1「追い出せーワン!!」
  犬3「この村から今直ぐ追い出すんだワン!!」
  ジュリー「待って・・・待って!!」

         “人間てやつは
         自分のことしか
         頭にないぞ”

  犬1「俺はひげを切られたワン!!」
  犬3「俺は冷たい野原に捨てられたワン!!」
  犬2「私は鎖につながれたままほったらかしワン!!」

         “俺たちの敵だぞ    コーラス“敵 敵 敵 敵
         すべて”                敵 敵”

  犬1「人間なんて、俺たちをおもちゃかなんかだと思ってやがる
     ワン!!」
  犬3「そうだワン!!」

         “自分 勝手に
         生きて るのさ”

         “自分の思うまま
         捨てたり拾ったり
         弱い者いじめだ
         勝手な奴人間”

     ジュリー“違うわ そんなことはない”

  ジュリー「お願い!!人間を嫌わないで!!」

         “自分の思うまま
         捨てたり 拾ったり
         弱い者いじめだ
         勝手な奴人間

         好き放題生きてる
         俺たちをおもちゃと
         生きる仲間なんだ
         俺たちだって生きてる”

         その時、上手より犬4、走り登場。
 
  犬4「大変だーワン!!(息を切らせて。)大変なんだワン!!」
  犬2「どうしたのワン?」
  犬4「それが村長さんの納屋が・・・」
  アナベル「え!?」

  犬の声「村長さん家の納屋が火事だー!!」

  アナベル「お父様!!」

         犬たち下がる。(音楽流れる。)
         









 ――――― “ワンダフルToday!
          ―君と僕の新しい出会い―3へつづく ―――――












   ※ バレてます・・・?^^;
     先の背景は村長さん家の中になっていますが、この写真
     ではまだ前場の背景のままです(>_<)
     ・・・と、言うことは、この絵の方が先の絵の場面より前と
     言うことで、よって台本中の“紗幕”云々・・・はナシにして、
     6場の頭から背景引き抜きで場面転換しています^_^;
     ・・・と言うことです^^;

     後日談ですが・・・子どもがプッチくんの寝ている前辺りに
     座って見ていたそうなのですが、「プッチがずっとこっち見
     てた~!!」と、言っておりました(-_-;)
     その写真が・・・↓・・・です^^;・・・成る程・・・だと思いませ
     んか・・・?^^;

              


   ※2 お分かりになるでしょうか^^;
      ジュリーちゃん、犬のお耳を付けています(^^)v
      犬に変身したジュリーちゃん写真の貴重な一枚です♥

   ※3 ここからが、グーグル版“ワールド”でお聞き頂いたお稽
      古音声の場面になります(^^)

   ※4 写真でもお分かりのように、この場面、最初からジュリー
      ちゃん、人間バージョンに戻っています^^;
      前場のプッチくんの回想場面での続きから、犬バージョン
      と人間バージョンの早替えが出来なかった為、人間に
      戻って登場させました(>_<)





 ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪


   (どら余談^^;)

    今日は、グーグル版“ワールド”に、7周年記念公演作品の
   1本で、子ども向き作品の方の録音前練習の音声を載せて
   みました(^^)v
   月曜日に最終合同練習があり、来月11日に録音日を迎える
   訳ですが、まだまだ仕上がりには程遠い状態ではありますが、
   メンバー一同頑張ってお稽古に励んでいる最中ですので、
   どんな風に仕上がるのか楽しみに、未完成の練習中音声も
   お聞き頂ければ・・・と思いますので、またよければ覗きに行っ
   てみて下さいね♥


   6月26日(火)

   ここ数日、頭を新作書きの為にフル回転させていて、ブログ
   更新に中々来ることができません(>_<)
   満足いくページをご覧頂けなくてホントすみません<(_ _)>
   新作が仕上がるまで、今暫く我慢下さいね^^;

   因みにこの新作は、来年春公演用作品になります♥
   も一つおまけに、この新作、ちょっと男の子チックな作品で
   あります(^^)








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