アイリーン、淋しそうに微笑む。そこへリン、
下手より登場。
リン「・・・アイリーンお嬢様・・・。ブライアン氏がお迎えに来られ
ました・・・。」
アイリーン「(リンを認めて。)そう・・・じいやが直々に・・・。ありが
とう・・・。(何か思い出したように。)何時だったかしら
・・・。あなたとじいやが外で会っているのを、モーリス
に見られたことがあって・・・あの時、私は慌ててあな
たとじいやが兄妹だなんて変なこと・・・。(クスッと笑
う。)」
リン「(つられるように笑う。)まぁ・・・ブライアン氏と私が・・・?
40も歳の違う兄妹って、本当にいるんでしょうか?」
アイリーン「リン・・・ごめんなさいね・・・。あなたまで私の我が儘
に付き合わせてしまって・・・。」
リン「(首を振って。)いいえ、お嬢様・・・いいえ・・・。(明るく。)楽
しかったですわ!ほんの2週間足らずでしたけど、お嬢様
の親友が出来て・・・。」
アイリーン「リン・・・。」
リン「さぁ、お嬢様・・・そろそろ参りませんと・・・。」
アイリーン「・・・はい・・・。(ジョナサン、ハドソンを見て。)・・・さよ
うなら・・・。」
アイリーン、リン、ゆっくり下手方へ行きかける。
そこへ上手より慌てた感じのジェフリー、続いて
モーリス登場。ジェフリー、躊躇ったように立ち
止まる。
モーリス「(ジェフリーの肩を突く。)ほら!」
2人の気配に気付いたアイリーン、リン、
振り返る。
ジェフリー「・・・あの・・・」
モーリス「ジェフリー!」
ジェフリー「(諦めたように溜め息を吐いて。)行くな・・・(小さな
声でボソッと。)」
アイリーン、再び下手方へ行こうとする。
ジェフリー「分かったよ・・・。アイリーン!!聞こえなかったのか
!?行くなって言ったんだ!!」
アイリーン、立ち止まりゆっくり振り返る。
ジェフリー「・・・明日の入団テストを受けずに、おまえは夢を諦
めるつもりなのか!?」
アイリーン「・・・だって・・・」
ジェフリー「この間は酷いことを言って、すまなかったと思ってる
・・・。(アイリーンを見詰めて。)行って欲しくないんだ
・・・。」
優しい音楽流れる。
モーリス、嬉しそうに微笑んで上手へ去る。
ジョナサン、ハドソン、顔を見合わせ微笑んで
モーリスに続いて去る。
リン、嬉しそうに下手へ去る。
アイリーン「・・・嘘・・・」
ジェフリー「(溜め息を吐いて。)嘘なもんか・・・。白状するよ・・・。
いいか・・・!?今まで他人に自分の気持ちを見せた
ことなんて一度もなかったこの俺が、最初で最後の本
音を言うんだ。よく心して聞いておけよ!!・・・今・・・
俺は自分自身がみっともなくなる位、焦ってたんだ・・・
。おまえがいなくなったらどうしよう・・・って・・・。おまえ
の笑顔がもう・・・見れなくなったら・・・って・・・。おまえ
のお陰で、もう一度夢見る心を知ったんだ・・・。愛して
いる・・・。だから・・・側にいて欲しいんだ・・・。(微笑む
。)」
アイリーン「・・・ジェフリー・・・(涙が溢れる。)」
ジェフリー「おまえの夢を叶えよう・・・。(手を差し出す。)」
アイリーン「ジェフリー・・・!!(ジェフリーの胸へ飛び込む。)」
ジェフリー、アイリーンを抱き締める。
音楽大きく。ジェフリー、アイリーンの手を
取り、優しく見詰め歌う。
“優しくなれなかったことは・・・
本音の裏返し・・・
思い続けたことへの
貫き方の一つ・・・
だけどおまえの背中が見えた時
初めて気付いた心に
焦るこの思い・・・
優しい思いが心を過り
暖かな温もりが頬を過ぎる・・・
胸を締め付けられるような
未来への期待が
迸る泉のように溢れ返る・・・
それが今生きてる一つの証
過去に残した思いの丈を
今新たに見詰め直す・・・
その時側に期待に包まれ
明るい明日への
道案内に導かれ
希望の扉を今開こう・・・”
ジェフリー、アイリーンにそっと口付ける。
――――― 幕 ―――――
それでは、そろそろここら辺で、次回掲載作品のご紹介を
しておきたいと思います(^^)v
次回は、今回と同じ舞台を夢見る女の子のお話しを一つ・・・
設定は全く異なるお話しですが、“夢を追う”・・・と言う姿勢に
共通するところがあるかな・・・と、夢つながりでご覧頂こうと
思います(^.^)
では次回、“マリア”(本当はジェシーと言う男性が主人公な
ので、ジェシーとするところですが、前に同じ名前の主人公
作品があったのではないかと思いますので、今回はそのお
相手となる、“マリア”さんと言う、女の子の名前を題名代わり
させて頂きます^_^;)お楽しみに♥
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(どら余談^^;)
春公演まで、後一週間と迫ってまいりました・・・(>_<)
準備は万端・・・では、まだありませんが、何とか間に合わせ
ることが出来るように、頑張って進めているところです^^;
そんな中、二度目の外泊で子どもが帰宅しているので、
いつになく明るい家の中で、のんびりとプログラム作りに
(こんな間際に・・・^^;)励んでいるところです(^.^)
きっと、皆様にはご満足頂ける公演になると思っていますの
で・・・是非、足をお運び下さいね♥
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