りとるぱいんわーるど

ミュージカル人形劇団“リトルパイン”の脚本の数々です。

“J―未来の君へ―” ―全2幕―

2012年11月25日 19時18分58秒 | 脚本



  
                    “J”



     〈 主な登場人物 〉


     J   ・・・   本編の主人公。

     エド  ・・・  Jの父。警察官。

     マリィ  ・・・  Jの母。

     ハリー  ・・・  エドの同僚。

     マイク  ・・・  Jの友達。

     大王様  ・・・  天界の裁判官。

     エンゼル  ・・・  大王に仕える天使。
                 (見た目は小さなおじさん。)

     ガキ大将。


     その他。


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         (1幕)    

         音楽流れ、幕が開く。と、公園。

    ――――― 第 1 場 ―――――

         1人の子ども(J)、走り登場。歌う。

  J「おーい!!みんなー!!」

         “この町に住む仲間たち
         いつも一緒にいる仲間
         悲しいこと辛いことも
         一緒ならなんてことない
         いじめっ子だって ガキ大将の
         仲間に手を出すなら
         許さないぞ”            コーラス“守ろう
                                   正義と
                                   平和を
                                   いつまでも”

         1人の子ども(マイク)、泣きながら登場。
         J、気付いて駆け寄る。

  J「おい、マイク!どうしたんだ!?」
  マイク「ガキ大将が・・・」
  J「またあの野郎!!マイク、もう泣くな!!オイラに任せとけ!
   !」
  マイク「でも、J・・・」
  J「大丈夫!!」

       J“悪いことする奴のこと
        許すことはできない”

       マイク“いつも仲間のこと
           守ってくれるけど
           正しい心持ち
           みんなの為
           悪に向かう”        コーラス“守ろう”

  J「さぁ、行くぞ!!」
  マイク「J!!」

         J、下手へ走り去る。マイク、Jに続く。
         入れ代わるように、上手より1人の男、
         逃げるように登場。追い掛けるように
         エド、登場。エド、男を取り押さえる。

  男「わあーっ!!」
  エド「さぁ、捕まえた!!そこの店で盗んだものを出すんだ!!」
  男「わあーっ!!ごめんなさい!!お巡りさん許して!!」
  エド「駄目だ!!人のものを盗むなんて、絶対にいけないことな
     んだ!!」
  男「はい、もう二度としませんから・・・お願い・・・」

         ハリー、下手より登場。

  ハリー「(エドに気付いて。)おまえ、また捕まえたのか?(笑う。)
      」
  エド「ハリー・・・」

         ハリー、去る。エド、歌う。

         “世の中の間違い正し
         正義を守り平和を         コーラス“いつでも”
         悪いことを許さない
         未来の子ども達の為に”     コーラス“守ろう”

         汚れたJ、セリ上がる。
         エド、J、歌う。

       2人“みんな力合わせ
          正しい心 貫く勇気持ち
          手をつないで行こう
          未来の平和を
          守る為どこまでも”        コーラス“心強く
                                   思い固く
                                   正義胸に
                                   未来の為
                                   行こう”

         エド、セリ下がる。         

    ――――― 第 2 場 ―――――

         マリィ、上手より登場。マイク、下手より登場。

  J「ただいま・・・」

         音楽流れる。歌う。

       マリィ“まぁどうしたの傷だらけだわ
           酷い顔
           いつも心配ばかりかけてきた
           パパと同じ”
    
       J“許せないあいつ
        弱い者を苛める
        酷い奴らのことを
        見過ごすことできない”

       マイク“Jのこと叱らないで
           お願いだ
           僕のこと助けてくれたんだだから”

       J“間違いや悪いこと認められない
        格好つけてるだとか
        そんなことは関係ないんだ”

         (マイク、下がる。)

       マリィ“そんなとこ似ているわ
           正義に溢れて
           誰かの為になればそれでいい”

       J“正しい心持ったとこ”

       マリィ“似ているのねそんなとこが
           パパに・・・”

         下手より一人の子ども、走り登場。

  子ども「大変だ、J!!またガキ大将の奴がマイクのこと・・・!!
      」
  J「全く、あいつら!!どこだ!!案内しろ!!」
  子ども「うん!!」
  マリィ「J!!」

         J、子ども、下手へ走り去る。
         マリィ残し、紗幕閉まる。

    ――――― 第 3 場 ―――――

         上手より、ハリー登場。マリィの側へ。

  ハリー「どうしたの?マリィ・・・」
  マリィ「ハリー・・・」

         音楽流れる。歌う。

  マリィ「Jは死んだエドにそっくり・・・」

       マリィ“本当に無鉄砲
           あの人に似てる
           自分が正しいと
           思えば走り出す     ハリー“思い出すあいつ
           とても心配で           いつでも
           夜も眠れない           はったらかして
           あの人と同じだわ        心配かけてた”
           平和追い求め

           あの人がいない
           淋しい思いを
           けどいつも側に
           暖かい温もり       ハリー“あいつの代わりに
           あの子を守って          僕なら
           いつも見ていてね         決して君を
           頑張っている私          1人にしないよ”
           ただ前だけ見て”

         ハリー、マリィの肩を抱いて、下手へ去る。
         紗幕開く。

    ――――― 第 4 場 ―――――

         公園。ガキ大将、マイクを捕まえている。
         音楽変わる。歌う。

  マイク「い・・・痛い・・・」
  ガキ大将「おい、マイク!俺のことを先生に告げ口したのは、誰
        かなぁ・・・」

       マイク“離してお願い・・・”

       ガキ大将“誰が告げ口したんだろ
             誰のせいでバレた誰だ
             告げ口したのは誰だろ
             おまえなら分かる違うか
             誰が俺のことを見てた
             告げ口した犯人は
             おまえか!!”

  マイク「ち・・・違う・・・」

  Jの声「マイクーッ!!」

         上手よりJ、走り登場。

  J「マイクを離せ!!」
  ガキ大将「なんだ、J。おまえまた正義の味方のつもりか!?」
  J「弱い者苛めばっかりする奴は許さない!!」

       ガキ大将“煩いぞ”

       J“弱い者を苛める奴
        許さないぞ おまえだけは”

         (後方中央に、マリィ現れる。)

       マリィ(エコー)“そんなとこが
                似ているのね あなたのパパに
                私の自慢の子だわ
                忘れないで”

       ガキ大将“偉いつもり 鼻に突く”

       J“間違いをただ正すだけ”

       コーラス“正す”

  ガキ大将「おまえのその自信満々の態度が気に入らないんだ!
        」
  J「じゃあオイラにかかってくればいいじゃないか!!」
  ガキ大将「おまえは自分の仲良しの奴が、痛めつけられるのを
        見る方が、おまえ自身がやられるより辛いのが、俺は
        分かっているのさ!」

       コーラス“間違い 認め 正しい 心を
             正義 受け入れ 勇気 出し”

  J「くそう・・・」
  ガキ大将「これを見ろ!!(ボールを差し出す。)」
  J「・・・それは!!」
  ガキ大将「おまえの大切なボールだ!!」
  J「それは父ちゃんの形見・・・!!」
  ガキ大将「こんなボール、こうしてやる!!(投げる。)」
  J「何するんだ!!」

         犬が飛び出して来る。(ボールを追い掛ける。)


   



  犬「ワンワンワン・・・」
  マイク「犬が!!」
  J「あ!!馬鹿!!犬コロ!!遊んでるんじゃないんだぞ!!
   待つんだ!!(犬を追い掛ける。)」
  マイク「J!!車が!!」

         車の急ブレーキの音が響き渡る。
         “キキーッ!!”

  J「わあーっ!!」
  マイク「Jー!!」

    ――――― 第 5 場 ―――――

         場面変わり、音楽流れる。(天界。)
         大王様、エンゼル現れる。
         J、不思議そうに回りを見回しながら、
         登場。


   



  エンゼル「487万3647番・・・前へ。487番3647番?487
        万3647番!!これ487万3647番!!これそこの
        坊主!!」         
  J「ボウズ・・・?ん・・・?ボウズってオイラのことか・・・?」
  エンゼル「そうだ!おまえだ!487万3647番、大王様の前へ
        。」
  J「(笑う。)おっちゃん、よく番号間違えないなぁ・・・」
  エンゼル「お・・・おっちゃんとは何だ、おっちゃんとは!!私は
        ここ天界の・・・」
  大王「これエンゼル!!煩いぞ。」
  J「エンゼル・・・?(大笑いする。)おっちゃんがエンゼルだって
   ?」
  エンゼル「余計なお世話だ、坊主!!私の名前にケチをつける
        とは失礼な奴だ!!」
  J「(笑う。)エンゼルだって・・・」
  エンゼル「我々は本来、実体のないもの。おまえにどう見えてい
        るかは、おまえ自身の心の中がそう見せているものだ
        !!」
  大王「もうよい、エンゼル!!」
  J「・・・エンゼルだって・・・(笑う。)」
  大王「これ487万3647番・・・487万3647番!!」
  J「だからその番号は一体何だよ!オイラ、そんな名前じゃない
   やい!オイラの名前はジェ・・・」
  大王「487万3647番・・・そなたの死因は・・・」
  J「死因・・・?何だそれ・・・」
  大王「487万3647番が、ここに来た理由だ。」
  J「そんなの知らないね。何でオイラ、こんなとこにいるんだ・・・
   ?オイラは公園でガキ大将からマイクを・・・。じいちゃん!!
   ここはどこなんだ・・・?」
  エンゼル「じ・・・じいちゃんとは何だ、じいちゃんとは!!このお
        方は・・・!!」
  大王「これエンゼル!!少し静かにしておるのじゃ!!」
  エンゼル「はぁ・・・全く・・・最近の死者ときたら・・・」
  大王「ここは死んだ人間が天国へ行く前に、最後の願いを叶え
     る場所・・・願いの扉の前じゃ・・・。ここで生前の行いをチェ
     ックするのが我々の仕事・・・。私はここの大王じゃ・・・。」
  J「死んだ・・・?生前・・・?何だよそれ!?」

         大王、歌う。

         “天の国の分岐点だ
         ここに来た者は最後の希望
         叶える”

         車の音、叫び声が聞こえる。

         「キキーッ!!」
         「わぁーっ!!」
         「キャーッ!!」
         「子どもが大変だーっ!!」
         「Jー!!」

  J「あ・・・死んだ・・・」
  大王「うむ・・・」
  J「ジジイ!!何、嘘吐いてんだ!!」
  エンゼル「じ・・・じじいとは何だ、じじいとは!!」
  J「オイラが死んだなんて嘘だ!!オイラはこうやって・・・(手を
   見る。)透けてる・・・オイラの手が・・・嘘だ・・・嘘だ!!オイラ
   が死んだなんて嘘だーっ!!」       ※

         音楽、フェード・アウト。








   ――――― “J―未来の君へ―”2へつづく ―――――










    ※ この「透けてる・・・」は、お人形なので出来る筈がなく
     ・・・仕方がないので“演技”で表現してみたつもりですが
     ・・・いかがでしょうか・・・(^^;



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    (どら余談^^;)

    団員に確認してもらったところ、あまり閲覧状態は良くない
    ようなのですが、“J”のオープニング場面の動画を、
    グーグル版“ワールド”に投稿致しました(^-^)
    多分、音声的には何ら問題なくお聞き頂けると思いますので、
    またよければ、そちらもご覧になってみて下さいm(_ _)m




    11月23日(金)

    続き、現在脚本公開中の場面動画を投稿致しました(^_^)
    “J”が何故死んでしまったのか・・・部分です(>_<)



    11月25日(日)

    天界場面、YouTube、グーグル版、ヤフー版で
    公開しました♪









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