りとるぱいんわーるど

ミュージカル人形劇団“リトルパイン”の脚本の数々です。

“J―未来の君へ―” ―全2幕― 2

2012年11月30日 20時18分54秒 | 脚本


   

         「オイラが死んだなんて嘘だーっ!!」



         音楽流れる。歌う。

      大王“おまえは死んだ”      コーラス“天界へ”

      J“オイラが死んだ         コーラス“戻れない”
       やりたいことが
       まだまだあった
       心残り もうできない”      コーラス“死んだ”

      大王“おまえの望みをただ
         一つ叶えよう
         いいことをして死んだ”

      J“死んだらおしまいだ       コーラス“終わる時”
       大切な人
       泣かせてしまう罪”        コーラス“罪”

  J「母ちゃんが・・・」

      J“オイラは死んだ”         コーラス“もう終わり”

      大王“おまえが死んだ       コーラス“お別れだ”
         子犬を助ける為に
         命 顧みずに
         救い出した           コーラス“命”
         その代わりに何か1つ    J“ああ
         願いを叶えよう          願いが
         何でも言うがよいぞ”      叶う”

  J「オイラの願いは・・・」

         音楽変わる。

      エンゼル“望みを”
  
      大王“命を返すことはできない”

  J「オイラ・・・生きた父ちゃんに会わせて!!」

      J“願い叶うとしたら
       それはたった一つ
       いつでも心に秘めた
       誰も知り得なかった
       いつも会いたい思い       コーラス“願いを
       そっと押し殺してた             叶える
       だけども溢れそうだと            必ず”
       ずっと我慢してきた” 
                           コーラス“どんなことも
                                叶えてあげよう
                               良いことの代わり
                                一つ
                                望みは叶う”
      大王“願い事を叶えてやろう
          おなえの思い        コーラス“ひとつ叶える
          ただ全て言えばよい”         心に秘めた
                                 願いを”
      エンゼル“この私が目付け役で
            あやつの側について
            共に地上へ”

      大王“任せたおまえに”

      エンゼル“ご心配なく        コーラス“戻る
            必ず連れて願いを叶え      ここへ
            時間通りに”             願い
                                 叶え”
      J“願い叶うとしたら
       それはたった一つ
       いつでも思い描いた
       パパの優しい笑顔
       いつも呟いていた
       パパと呼びかけてみた
       誰にも知られないよう
       パパにただ会いたくて”

      大王“期限守るのだ”

         紗幕閉まる。     

    ――――― 第 6 場 ――――― A

         紗幕前。ベビーカーを押したマリィ、上手
         より登場。下手よりハリー、登場。
         (音楽変わる。)歌う。

   
   



  ハリー「マリィ!」

      ハリー“どうしたの?”
  
      マリィ“約束が”

      ハリー“また来ない?”

      マリィ“待ちぼうけ”

      ハリー“こんな時間”

      マリィ“また”

      ハリー“知らん顔”

      マリィ“いつもよ”

      ハリー“君のこと
           悲しませ
           平気な顔
           するなんて”

  ハリー「子どもが風邪をひいたら大変だ。もう帰った方がいいよ
      。送って行こう。」
  マリィ「ありがとう・・・。」

         2人、上手へ去る。
         入れ代わるように、息を切らせたエド、
         下手より走り登場。

  エド「マリィ!!もう帰ったよな・・・こんな時間まで待たせて・・・。
     また、すっぽかしてしまった・・・。」

      エド“約束を守れずに
         いつでも君を
         待たせてた”

  エド「Jの誕生日なのに・・・」

         紗幕開く。(音楽変わる。)

    ――――― 第 6 場 ――――― B


   



         エンゼルとJ、エドの様子を窺っている。

  エンゼル「おまえの父だ・・・」
  J「あれが・・・父ちゃん・・・」

         2人、歌う。

      エンゼル“おまえの夢 叶う時がきた”

                        J“あの人の夢を見てた
      エンゼル“温もり        どれ程会いたかったか”

      エンゼル“触れるがいい” J“優しそうなあの瞳を
                         目の前にして
                         何を話せばいいのだろうか
      エンゼル“愛溢れ”       思い浮かばない
                         大きなあの手の平が
                         夢に見てた温もり
                         側にいる
                         今”

      エンゼル“夢叶える”

  エンゼル「会いに行くがいい・・・。おまえの会いたかった人に・・・
        。」

      エンゼル“さぁ”
                       J“ああ何から話せば
                        いいんだろう
                        いつも夢見てた人”
      エンゼル“今”
                       J“会いたくてたまらなかった
                         パパ”
  
         J、ゆっくりエドの側へ。

  J「こんにちは・・・」 
  
       

   



  エド「(チラッと見る。)」
  J「ここ・・・座っていい?」
  エド「ああ・・・。だが俺は今、子どものおしゃべりに付き合う気分
     じゃないんだ。悪いな・・・。」
  J「うん・・・いいよ・・・。(エドを見つめている。)」
  エド「何だよジロジロ・・・。そんなに俺の顔が珍しいか・・・?」
  J「え・・・?う・・・ううん・・・。」
  エド「おまえ・・・どこかで・・・会った・・・?」

         音楽流れる。
         エド、J、歌う。

      エド“懐かしい香りする
         どこかで出会ったか      J“本当?”
         暖かい温もりを
         感じるどうしてか        J“嘘”
         なぜだろう
         見ていると
         彼女を思い出す        J“本当?”
         優しい目 甘い声
         不思議な感覚”        J“聞かせてよ大切な
                            家族がいるならば
      エド“命と同じ             愛してる?
         いつも”              大事にしてる?
                            心から”
      エド“愛しい子誕生日        
         祝ってやれなくて       J”本当?”
         きっとまた2人だけ
         淋しい誕生日”

  エド「そろそろ陽が暮れるぞ。家の人が心配するといけないか
     ら帰った方がいい。」
  J「でも・・・!!」
  エド「でもじゃない。父さん、母さんが心配するだろ?」
  J「・・・パパと・・・ママが・・・」

         その時、エドの携帯電話の呼び出し音が鳴る。

  エド「(携帯に出る。)はい。よぉハリー、どうしたんだ?珍しいじ
     ゃないか。え・・・?何だって!?分かった!!うん・・・うん
     ・・・直ぐ行く!!(携帯を切る。)少年!!俺はこれから仕
     事だ!!気をつけて帰るんだぞ!!」

         音楽流れる。

  J「事故・・・」
  エド「・・・え?」
  J「兄ちゃん!!トンネルの落石事故だね!?」
  エド「何言って・・・」
  J「行っちゃ駄目だ!!」
  エド「落石事故じゃないさ。トンネルの中で、ちょっとした歪みが
     見つかったんだ。ただの交通整理さ・・・。」
  J「行ったら兄ちゃんは落石事故に巻き込まれて死んじまう!!
   」

  エンゼルの声「J!!おまえは未来を変える気か!?」

  エド「死んじまう・・・って・・・おまえ何言って・・・」
  J「だから行かないでくれよ!!お願いだ!!」
  エド「(笑う。)変なこと言う奴だな・・・」
  J「本当なんだ!!」

  エンゼルの声「J!!」

         歌う。

      エド“ああこれが俺の仕事さ
         誰にも止められはしない
         ただ命を賭けて”

      J“お願いだ聞いてよ
       オイラの話しを
       誰にも言えずに
       今まで来たんだ”

      エンゼル“ああ おまえは    (下手後方にハリー、セリ
            掟 破り          上がる。)
            今 未来を変える   ハリー“甘い奴 
            つもり”              大切な人を
                              置いたまま一人
      J“チャンスがあるなら守れる      いつも
       心に溢れる思いが”          飛び回る勝手
                              心が離れ
                              たとえ悲しませても
                              自分さえ良ければ
                              それでいい
                              おまえは彼女に
                              相応しくない”
                          (ハリー、セリ下がる。)


   



      エド“たとえ何があろうとも
         人々を守るのが使命だ”

         (上手後方にマリィセリ上がる。)

      マリィ“私たちの側にいて
          ずっと守って欲しいの
          でもあなたはいつも・・・”

      J“お願い今なら間に合う     エンゼル“ああ掟破り”
       助かる命を無駄にしないで
       悲しむ家族がいるなら
       少しでも大切だと思うなら    コーラス“いつもただ
       残された者の気持ちを            一緒に”
       思って自分のことだけ
       考えて行かないで
       ここにいてよ             コーラス“守るもの”
       仕事なんていい
       家族のことだけ
       それが一番大切なことでしょ”

  エド「(Jの頭に手を置く。)じゃあな!!(走り去る。)」
  J「待って・・・待ってくれよ・・・!!兄ちゃん・・・!!オイラと母
   ちゃんを置いて行かないでくれよーっ!!父ちゃんの馬鹿野
   郎ー!!(泣く。)」

         Jの泣き声残して。


   
    
           「父ちゃんの馬鹿野郎ー!!」






            ――――― 幕 ―――――








   ――――― “J―未来の君へ―”3へつづく ―――――









 ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪


    (どら余談^^;)

    今日は、次回録音作品の台詞練習日でした~♪
    次回は結構、男の子らしい男の子の役の私ですが、久し
    ぶりに低めのトーンの台詞の数々が、発散出来て気持ち
    良かったです(^_^)





    11月29日(木)

    今日、1幕ラスト動画を、“YouTube”にアップ致しました♪
    (またまた“グーグル版”が調子悪くて・・・>_<)

    一番の盛り上がり場面・・・私の腕が限界状態の映像、
    またよければご覧下さい(^^;





 
  http://milky.geocities.jp/little_pine2012/index.html
 
         http://ritorupain.blogspot.com/

     http://blogs.yahoo.co.jp/dorapontaaponta






























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