りとるぱいんわーるど

ミュージカル人形劇団“リトルパイン”の脚本の数々です。

“アリアの海”2013年3月6日公演日記

2013年03月10日 20時53分32秒 | 公演日記




       2013年3月6日(水)


       毎年、この時期にお声を掛けて頂いている小学校
     
      へ、今年も行かせて頂きました♥

      今年は、“アリアの海”の短縮バージョンを披露させて
   
      頂きました(^-^)



      (短縮バージョンを作る時は、随所にト書きを挿入し、

      編集し直すのですが、そのト書きは今までは私が

      入れていました^^;・・・が、今年は私が録音する為

      のパソコンを操作していたので、プロである台詞先生

      に無理矢理お願いして、素敵な声でト書きを入れて

      頂いたので、より一層、短縮バージョンでありながら

      クオリティの高い作品に作り直すことが出来ました♥

      快くト書きを入れてくださった先生、ありがとうござい
  
      ました^^;)




         

             始まる前のアリアちゃん。







           8:00   ・・・   会場入り。

                      舞台セッティング。



          

         
      ↑
  後ろの時計の時間から、会場入りして簡易舞台の
        組み立て完了まで、10程だと分かります(^-^)


          

     



                  

         
          8:35   ・・・   “アリアの海”開演。


                  ↓


          8:50   ・・・   終演。

                      舞台解体撤収作業。 
                    

           






    
      

      今回も短時間のバタバタした公演ではありましたが、
   
     いつも真剣に観てくれる子ども達の笑顔に、心和む

     1日となりました♥

      お手伝いに入ってくれた方、当日色々と協力してくださ
 
     った小学校PTAの方々、ありがとうございましたm(_ _)m

     


                 ミュージカル人形劇団“リトルパイン”

                                 代表 どら。






    

     (おまけフォト^^;)

     

       みんなで横一列になって演技最中です(^^;
     











 ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪



     (どら余談^^;)

     今回、訳あってビデオを撮ることが出来なかった為、
     いつものようにビデオ写真や映像をご覧頂くことが
     出来ませんm(_ _)m

     公演中の舞台裏写真が数枚あるので、そちらはまた
     ご覧頂けるかと思っていますが、紹介できるものが
     少なく、申し訳ありませんm(_ _)m

     来週、再来週と公演が続きますので、またそちらの
     日記と合わせお楽しみ下さい♥




































“アル・ロー” ―全16場― 完結編

2013年03月03日 20時08分46秒 | 未発表脚本

      その時、扉をノックする音。

      リリ、立ち上がる。

 

  リリ「・・・はい・・・」

 

      アル、入って来る。

 

  アル「リリ・・・」

  リリ「アル・・・(慌てて涙を拭うように。)」

  アル「ミシェルの奴に・・・何か聞いたのかい?」

  リリ「(微笑む。)もう・・・帰ってしまうんですってね!」

  アル「長いこと留守にしてたから・・・仕事が立て込んでてね。」

  リリ「私、今まで・・・考えれば当たり前のことなのに・・・アルに

    も自分の生活があるなんて・・・思ってもみなかった・・・馬鹿

    よね・・・いつまでも一緒にいれる筈ないのに・・・私・・・」

  アル「リリ、違うんだ!」

  リリ「・・・え・・・?」

  アル「一緒について来て欲しい・・・」

  リリ「アル・・・」

  アル「俺と一緒に行こう・・・」

  リリ「(嬉しそうに微笑む。が、直ぐに悲しそうな眼差しになり、

    ゆっくり首を振る。)」

  アル「どうして!?」

  リリ「・・・私とあなたは・・・住む世界が違い過ぎるわ・・・。私を

    連れて帰っても・・・あなたが困るだけ・・・」

  アル「そんなことある訳ないだろ!!俺は君を愛しているんだ

     !!ずっと一緒にいたい・・・!!」

  リリ「・・・もう・・・決めたの・・・ロバンさん達と行くって・・・」

  アル「リリ!!(腕を掴む。)」

  リリ「離して・・・(涙声で。)・・・あなたとは行けない・・・」

 

         リリ、走り去る。

         

  アル「・・・どうして・・・リリ・・・」

 

         フェード・アウト。

 

      ――――― 第 15 場 ―――――

 

         カーテン前。マハル出る。

         続いてリリ出る。

 

  マハル「あんた、本当にアルについて行かないの?」

  リリ「(頷く。)」

  マハル「彼について行かないでどうするの!?あんた、一生

      こんな芝居一座で過ごすつもり?」

  リリ「・・・私・・・」

  マハル「アルは真剣に、あんたのことを愛してるのよ!!あん

      ただって分かってんでしょ!?」

  リリ「・・・私なんかが一緒に行ったら・・・迷惑なだけですから

    ・・・」

  マハル「あんた、どうして自分にもっと自信を持たないの?アル

      は初めてあんたを認めてくれた人だって言ってたじゃな

      い!!」

  リリ「・・・マハル・・・」

  マハル「第一、この一座のスターは2人もいらないのよ!!こ

       の一座のスターは私!!あんたがいつまでもいたら

       迷惑なのよ!!愚図愚図言っててないで、さっさとアル

       と行っちゃいなよ!!・・・悔しいけど・・・アルにもあん

       たにも・・・お互いが必要なのよ・・・。あんたが行かない

       んなら、私が行っちゃうよ!!」

  リリ「(思わずマハルに抱き付き、涙声で。)マハル!!ありがと

    う・・・ありがとう・・・」

  マハル「分かったら、さっさと行きなよ!!後は私が上手く皆に

      話しとくからさ・・・。ティボーもちゃんと連れてくんだよ。」

  リリ「(頷く。)・・・あなたのことは一生忘れない・・・」

 

         リリ、走り去る。

 

  マハル「幸せにならなかったら許さないからねー!!(叫ぶ。)

       」

 

         マハルの叫び声で、フェード・アウト。

 

      ――――― 第 16 場 ―――――

 

         カーテン開く。と、ステーションの雑踏の中、

         汽笛の音が響く。

         人混みの中からダンドラ、ミシェル現れる。

         アル、ゆっくり2人に続く。

 

  ダンドラ「元気だせよ!彼女が行かないと言ったんだろ?仕方

       ないじゃないか。戻ったら女なんか選り取りみどりだ。」

  アル「軽々しく言うな!!彼女程の素晴らしい女性がそう簡単

     に見つかるものか!!」

  ダンドラ「(呆れたように。)相変わらず短気だな。」

  アル「俺は諦めるものか!!いつか必ずもう一度彼女を捜し出

     してみせる!!」

  ダンドラ「それにしても全く驚いたな。朝になってみると、もう出

       発した後だったなんて。リリをおまえに拐われそうで、

       焦ったんじゃないか、あの親方。(笑う。)」

  アル「畜生!!売れっ子になった途端、手の平返しやがって

     、あの野郎!!」

  ダンドラ「やれやれ・・・ミシェル、チケットを買いに行こう。こい

       つは手に負えないぜ・・・」

 

         ダンドラ、ミシェル出て行く。

         アル、トランクケースに腰を下ろし、

         物思いに耽る。 

         その時、雑踏に紛れて微かにアルの名

         を呼ぶ声が聞こえる。

         アル、驚いて立ち上がり、辺りを見回す。

 

  アル「リリ・・・?そんな訳ないか・・・」

 

         雑踏の中から現れたリリ、アルから

         少し離れて立つ。

 

  リリ「(嬉しそうに。)アル!!」

  アル「(驚いて。)リリ!?どうして・・・」

  リリ「私も・・・一緒に行っていい・・・?(微笑む。)」

 

         アル、リリの後ろに立つティボーに気付く。

         ティボー、嬉しそうに頷く。

 

  アル「(リリに駆け寄り抱き締める。)勿論さ!!」

 

        

         (音楽流れる。)

         ダンドラ、ミシェル入って来る。

         アルとリリに気付き、2人嬉しそうに

         顔を見合わせる。

         アル、ダンドラに気付き2人、頷き合う。

         ダンドラ、ミシェル、ティボー去る。

         アル、リリの手を取り歌う。

 

         “いつからだろう・・・

         この手を離したくないと

         心から感じたのは・・・

         今まで一度も触れたことのない

         胸に染み渡るこの温かさに・・・

         いつも側にいて欲しい・・・

         そう感じたのは・・・

         もう離さない決して・・・

         やっと掴んだこの温もりは

         永遠の先へと続いて行く

         終わりのない幸せだから・・・”

         

   

 

  アル「愛しているよ・・・」

  リリ「(嬉しそうに微笑む。)」

 

         嬉しそうに手を取り合い、微笑み

         彼方を見遣る2人。

 

 

 

 

 

 

 

 

         ――――― 幕 ―――――

 

 

 





















“エドワード” ―全12場― 完結編

2013年03月03日 20時06分03秒 | 未発表脚本



  デビル「幼い頃のおまえには、死への興味があった・・・。だから
      普通の人間には見えない、俺の姿が見えたんだ。そして
      再び俺と再会した・・・それは今、おまえが死んでもいいと
      心に感じているからだ!!」

         デビル歌う。

         “さぁ行くぞ
         何もかも分かる時が来た
         死の国へ・・・
         誰もが恐怖に包まれ
         足を踏み入れるのを拒む場所
         扉を開ける時がきた
         おまえが望んだその先に
         待つのは絶望か快楽か・・・”

         デビル、エドワードの手を引き後方へ
         行こうとする。

  エドワード「待ってくれ・・・」
  デビル「(ゆっくりエドワードを見る。手を離す。)何だ・・・怖気づ
      いたのか・・・?」
  エドワード「違うんだ・・・俺がおまえと行けば・・・本当にローラは
        ・・・ローラは元の優しく清らかな心を持つ人として・・・
        ずっと生きることが出来るんだな・・・?」
  デビル「(ニヤリと微笑む。)ああ・・・そうさ・・・」
  エドワード「(安心したように。)・・・よかった・・・」

         デビル、段上へ。
         2人、其々歌う。

    エドワード               デビル
    “大切なことに気付いた・・・    “大切なことなど
    やっと・・・               ありはしない・・・
    誰かへの想いは           自分だけが正しくて
    自分への想いと同じこと・・・    他人を思い遣る暇などない
    誰かの為になることは       自分の心に忠実に
    自分の心を満たすこと・・・      興味があれば覗けばいい
    たとえ共に同じ世界に       たとえそこが闇に
    生きることは出来なくても・・・    支配された暗黒の国でも・・・
    心が繋がっていれば        おまえ一人で見つけた
    それでいい
    世界なんて関係ないんだ・・・    誰も知らないその場所へ
    相手を思えば自ずと分かる     さぁ来るんだ今!!”
    自分のいるべき場所が
    どこか・・・”

         その時、ローラの声が聞こえる。

  ローラの声「待って!!」

  エドワード「・・・ローラ・・・?」

         そこへ下手よりローラ、花の咲いた
         鉢植えを手に、走り登場。

  ローラ「エドを連れて行かないで!!」
  デビル「誰だ?(ローラを認める。)何だ、花で生き返った娘か・・・
      」
  エドワード「ローラ・・・どうしてここへ・・・」
  ローラ「エド・・・ありがとう・・・私の為に・・・でももういいの・・・」
  エドワード「・・・え・・・?」
  ローラ「もう・・・あなたのその想いだけで十分よ・・・(手に持って
      いた鉢植えを、下に投げ付ける。)」

         鉢植えが壊れる音。(“ガシャーン”)

  エドワード「ローラ!!」
  デビル「何!?」
  エドワード「君は何てことを!!折角得た命の花を・・・」
  ローラ「こんな花で生き返ったって・・・私は幸せではないのよ、
      エド・・・。況して・・・愛するあなたが私の身代わりとなって
      私の前からいなくなるなんて・・・私には耐えられない・・・
      」
  エドワード「ローラ・・・」
  デビル「なんて愚かな人間だ・・・!!その花がないとおまえは、
      5分と生きてはいられないんだぞ!!」
  ローラ「いいわ!!(デビルの前へ進み出る。)さぁ、死の国の使
      いの者よ!!私をあなたの国へ連れて行くがいいわ!!
      」
  デビル「そこまで言うならいいだろう・・・!!おまえの命、ここま
      でだ!!」
  エドワード「ローラ!!」

         デビル、ローラの手を掴む。
         と、ローラは表情がなくなり、人形のよう
         になる。

  エドワード「ローラ!!ローラ!!行くな・・・!!」

         デビル、ローラの手を引き、後方へ
         行こうとする。
         その時、声が聞こえる。

  声「お待ちなさい!!」

  デビル「(回りを見回す。)・・・え・・・?」
  エドワード「(回りを見回す。)」

         そこへ上手よりエンゼル、ゆっくり登場。

  エンゼル「待ちなさい、デビル・・・」
  デビル「エンゼル・・・!!」
  エドワード「・・・エンゼル・・・?」
  エンゼル「あなたの役目は、良い人間を黄泉の国へ連れ帰るこ
        とではないでしょう・・・?」
  デビル「・・・しまった・・・(小声で。)」
  エンゼル「正しい生き方をして、一生を終えた人間を、天の国へ
        導くのは私の仕事・・・あなたの仕事は良くない行いを
        して死んだ人間を、黄泉の国の魔王の裁判を受けさせ
        る為に連れ帰ること・・・の筈よ。」
  デビル「い・・・いかにも・・・そうだが・・・」
  エンゼル「さぁ、ここからは私が引き継ぐから、あなたはあなたの
        仕事にお戻りなさい・・・。今度また同じような悪いこと
        をしようとしたなら、私から魔王に頼んであなたが裁判
        裁かれることになるわね・・・。」
  デビル「わ・・・分かったよ・・・!畜生・・・どうも俺様はこのエンゼ
      ルとは馬が合わないんだ・・・。(エドワードに向かい。)お
      い、おまえ・・・また死後の世界を覗き損ねたな・・・(笑う。
      )」
  エンゼル「(咳払いをする。)」
  デビル「(笑うのを止めて。)あ・・・いや・・・(溜め息を吐く。)まぁ
      いい・・・もう俺様の出番はなさそうだ・・・。じゃあな!!」
      
         デビル、消えるように去る。

  エンゼル「本当に困った人・・・。時々あのデビルは、人間を困ら
        せるようなことをして、皆に迷惑をかけるの・・・。今回
        の花のようにね・・・。」
  エドワード「あなたは・・・」
  エンゼル「私は天の国の使いの者、エンゼル・・・」
  エドワード「天の国・・・」
  エンゼル「ええ・・・」
  エドワード「院長先生の言ったことは・・・本当だったんだ・・・」
  エンゼル「あなたのお父様、お母様も私のところへやって来たの
        よ・・・小さなウサギさんもね・・・」
  エドワード「・・・え・・・?」
  エンゼル「(微笑み頷く。)さぁ、ローラ・・・あなたは私と一緒に行
        きましょう・・・」
  ローラ「・・・はい・・・」
  エドワード「ま・・・待って下さい!!」
  エンゼル「何かしら・・・?」
  エドワード「少しだけ・・・少しだけ彼女に最後の別れを言う時間
         を僕に・・・!!」
  エンゼル「・・・いいわ・・・でも急いで・・・。花が傷付いて・・・もう
         彼女の時間が残り少ないから・・・。」
  エドワード「はい・・・ありがとうございます!」

         エンゼル、上手へ去る。

    ――――― 第 12 場 ―――――

         背景変わる。(陽の差す、美しい場所に
         なる。)
         エドワード、ローラの側へ歩み寄る。

  エドワード「(ローラの手を取る。)・・・ローラ・・・」
  ローラ「・・・(気が付いたように。)エド・・・?私・・・一体・・・」
  エドワード「ローラ・・・大丈夫かい・・・?」
  ローラ「・・・ええ・・・でも・・・」
  エドワード「ローラ・・・ありがとう・・・僕を助けに来てくれた・・・」
  ローラ「・・・エド・・・私・・・(何かを悟ったように。)・・・もう・・・お
      別れなのね・・・」
  エドワード「・・・ごめん・・・僕が・・・君を守りきれなかったんだ・・・
         」
  ローラ「ううん・・・あなたが私を救ってくれたのよ・・・もう一度・・・
      あなたとこうして話すことが出来てよかった・・・。私の方
      こそ・・・ありがとう・・・」
  エドワード「君と出会ってから今日まで・・・側にいるのが当たり
         前だと思っていた・・・いつも・・・鉄砲玉のような俺が
         ・・・仕事でミスをしても・・・君は必ず笑ってくれた・・・
         そんな君が・・・(思わず言葉に詰まる。)」
  ローラ「エド・・・悲しまないで・・・。分かったでしょう・・・?住む世
      界がたとえ違っても・・・お互いが相手を思い遣る心を持
      てば・・・それで幸せなのよ・・・。あなたが自分を犠牲にし
      てまで、私の命を救おうとしてくれたこと・・・私は忘れない
      ・・・」
  エドワード「ローラ・・・」

         音楽流れ、ローラ歌う。

         “ありがとう・・・
         いつでも私に幸せをくれた・・・
         ただ側にいて
         私に笑顔を与えてくれた・・・”

         エドワード歌う。

         “ありがとう・・・
         知らずに大切だと思う
         心が芽生えた・・・
         側にいる当たり前が
         ただ心地よくて・・・
         永遠に続くと信じて疑わなかった・・・”

         ローラ、嬉しそうに微笑み、ゆっくりと
         後方へ後退りするように。

  ローラ「エド・・・ありがとう・・・ありがとう・・・(木霊する。)」

         エドワード残して、ローラ消えるように
         去る。

  エドワード「ローラ・・・!!(絞り出すように。)」

         エドワード歌う。 

         “ほんの少しの確実な時間・・・
         2人は確かにここにいた・・・
         同じ世界の住人として
         風を共有し生きた証・・・
         この手の温もりが覚えている
         たとえどんなに離れても
         会えないことを悲しんだりはしない・・・
         直ぐには会えなくとも必ず・・・
         いつかまた会える・・・だから・・・
         その時まで・・・
         ありがとう・・・”

  ローラの声(エコー)「エド・・・あなたを愛しているわ・・・」

  エドワード「ローラ・・・君を愛しているよ・・・」








          ――――― 幕 ―――――        
  








   どこから今の私言葉か・・・は、7場のラストのローラの歌~
   が正解でした(^O^)

   さて、では次回からの掲載作品ですが・・・
   今現在、書き進めているアリアちゃん作品に登場する、
   イルカのキューイくんのお話し・・・か、今回作品同様、
   昔に途中まで書き進め、放っておいた作品のどちらか・・・
   と考えています(^^;
   一先ず、明日までお待ち下さい(^_^;)
   お楽しみに~♪

   余談ですが・・・ 
   イルカのキューイくんを書き終えたら、夏の第7回人形劇
   公演の2作品目を書いて行きたいと思っています♥
   最近、優先順位を決めないと、やることが多くなってきて
   いるので、ボ~ッとしている間にどんどん時間が過ぎて
   いってしまって、とっても焦ってしまうのです・・・(´・_・`)










 ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪



     (どら余談^^;)

     只今、この間録音してきたばかりの新作の、編集作業
     に没頭しています(^_^;)
     中々新しいお話しが書けずにいますが、お許し下さい
     m(_ _)m




     
     2月28日(木)

     明日は人形練習日ですが、13日の小学校で公演する
     “ジュリーちゃん”を練習しようと思います♪
     最初、何を公演するかで“クリフくん”と迷ったのですが、
     色んな意味でリベンジとなるジュリーちゃんを、少し短
     めの30分バージョンに作り直し、公演しようと思ってい
     ます(^_^)
     春公演では撮り損ねたビデオも、今回は上手く撮れれば
     いいな・・・と思ってるんですけどね・・・(^_^;)

     その前に、6日は毎年呼んで頂いている小学校で、
     こちらは“アリアちゃん”の15分バージョンを公演予定
     であります♥
     
     23日が、今年度ラストになる公演がありますが、こちらは
     “ももちゃん”と“クマさん”の2本立てになる予定です♥
     
     中々、年2作品の新作発表では、どうしても使い回しが
     多くなり、そろそろ手持ちも増やしていきたいな・・・と
     思うんですけど・・・(^^;

     一先ず・・・
     3月、少しバタバタしますが・・・頑張ります(*^^)v
     



































“アル・ロー” ―全16場― 6

2013年03月01日 20時45分29秒 | 未発表脚本

 

  ダンドラ「まぁ、そう驚くな。どうでもいいじゃないか、そんなこと

       。この一座の中にいるのか?写真はどうした?」

  アル「(溜め息を吐いて。)そこまで知られてちゃ、仕方ないな。

     ガキの頃・・・俺達に写真を教えてくれた人を、覚えている

     か?」

  ダンドラ「ああ・・・あの人がいなけりゃ、今の俺達はいなかった

       ・・・」

  アル「おまえも知ってる通り、カメラを捨てて踊り子と一緒になっ

     た人だ・・・」

  ダンドラ「写真を教えてもらってた時は、あの人が有名なカメラ

       マンだなんて思いもしなかったけどな。あの時の騒ぎ

       は今でも覚えている。(不思議そうに。)それと何の関

       係があるのさ・・・」

  アル「その人の娘だ・・・」

  ダンドラ「え?」

  アル「あの人と一緒になった踊り子との間の・・・」

  ダンドラ「本当に・・・?」

  アル「・・・俺が・・・心奪われたのは・・・」

  ダンドラ「アル・・・」

  アル「初めは林の中で楽しそうに踊っている彼女に偶然出会

     ったんだ。そして・・・ただ訳もなく惹かれた・・・その踊りの

     素晴らしさに心を奪われたんだ。後でヨーロッパ中を騒が

     せた名踊り子の娘だと分かって・・・“成程”と納得したよ

     ・・・。それで父親が誰なのかが分かった・・・。この偶然に

     俺は感動してしまったんだ。もう俺は彼女を手放したくな

     い・・・そう思ったよ・・・」

  ダンドラ「(困惑したように。)おまえ・・・愛しているのか・・・?」

  アル「・・・ああ・・・」

  ダンドラ「写真はどうするんだ!!おまえまで、あの人のように

       カメラを捨てるのか!?」

  アル「捨ててもいい・・・と思ったのは事実だ・・・」

  ダンドラ「(心配そうに。)アル・・・俺は反対だ!!おまえが写真

       を捨てるなんて・・・俺には我慢できない!!」

  アル「落ち着けよ!!思ったと言っただけだ。やめるとは言って

     ないぜ。あの人とは違う・・・。俺は彼女を撮り続けたいん

     だ。」

  ダンドラ「(安心したように溜め息を吐く。)なんだ・・・安心したよ

       ・・・。それで・・・?いつまでここにいるつもりだ?撮り続

       けると言ったところで、おまえの生活の場はここではな

       い筈だ。彼女も一緒に連れて行けるのか?」

  アル「え・・・?」

  ダンドラ「おまえ・・・今日が何月何日か分かっているか?個展

       の開催日まで後、どれだけあると思ってるんだ。」

  アル「あ・・・」

  ダンドラ「おまえが決めた展覧会だろ?」

  アル「俺が決めた訳じゃ・・・あの糞親父が・・・」

  ダンドラ「だけど、それにおまえも乗ったんだろ?なら、ちゃんと

       責任は果たせ。それに市長から園遊会の誘いがある

       んだ。」

  アル「(溜め息を吐いて。)・・・そうか・・・いつだ?」

  ダンドラ「今月の終わりさ。」

  アル「おまえも・・・?」

  ダンドラ「ああ・・・声は掛かっているが・・・俺はそんなものに興

       味はないんだ。だが、おまえはそう言う訳にいかないだ

       ろ?」

  アル「糞う・・・誰の差金か一目瞭然だ。」

  ダンドラ「まぁ、そう言うな。有名人故・・・ってことだ。(アルの肩

       に手を掛ける。)兎に角、オフィスに連絡くらい入れて

       やれよ。おまえから電話の1本もなくて、スポンサー親

       父にはせっつかれるわで、レイモン達にはいい迷惑だ

       ぜ。」

  アル「ああ・・・分かってるよ・・・。それで?おまえはいつまでい

     るんだ?」

  ダンドラ「レイモン達におまえを連れて帰ると約束したんだ。お

       まえが帰るまで、一緒にいるつもりだ。」

  アル「そうか・・・。では一先ずこの村唯一の宿屋に戻るとする

     か。」

  ダンドラ「それは有り難い。こんな何もない村に、宿屋があると

       はね。ずっと歩き続けで、足が棒みたいなんだ。(笑う

       。)」

 

         2人、足早に出る。暗転。

 

      ――――― 第 12 場 ―――――

 

         カーテン前。

         下手よりレイモン、フーケ、ロベール、アナベル

         登場。

 

  ロベール「よかったですね!先生から連絡が入って!」

  レイモン「ああ、一安心だよ、本当。」

  フーケ「で、先生はいつ戻って来るんだ?」

  レイモン「来週には帰って来るみたいだ。全く今まで何処ほっつ

       き歩いてたんだか・・・。」

  アナベル「あら、いつものことじゃない。」

  レイモン「まぁ・・・。だけどこれでオットーさんにも連絡が出来る

       よ。」

  フーケ「よかったじゃないか。」

  レイモン「(思い出したように。)あ、ロベール!先生が部屋を

       用意しとけってさ。」

  ロベール「へや・・・ですか・・・?」

  レイモン「ああ。」

  フーケ「誰か連れて来るのかな?」

  レイモン「さぁ・・・」

  ロベール「ひょっとしてあれじゃないですか?ダンドラさんが言

        ってた、先生が夢中になってるとかって娘・・・」

  アナベル「成程・・・有り得るわね・・・。」

  レイモン「誰と一緒でも、俺は先生さえ戻って来てくれれば、そ

       れでいいよ。」

  フーケ「そうそう!」

 

         4人、話しながら上手へ出て行く。

 

      ――――― 第 13 場 ―――――

 

         カーテン開く。と、芝居一座の小屋。

         上手よりミシェル、座員達と談笑

         しながら出る。

 

 

 

  レニエ「じゃあ、あんたもカメラマンなんだ。」

  ミシェル「いやぁ、俺はまだカメラマンと言ったって卵さ。専ら今

       は、先生の助手・・・だけど数年後には個展の一つや

       二つ開いて・・・」

  ルイーゼ「じゃあ、あんたもここへは写真を撮りに来たの?」

  ミシェル「違うよ。俺達はアルさんを連れ戻しに来たんだ。」

  ガロ「連れ戻す・・・?」

  ミシェル「ああ。あの人も、うちの先生と一緒で、結構有名な

       カメラマンなんだぜ。それでもう直ぐ、個展やら市長

       主催の会があるから、それに出席する為に帰らなき

       ゃいけないんだ。長いこと帰ってこないから、アルさ

       んの部下から連れ帰ってくれって頼まれたんだ・・・」

  エレーナ「市長・・・?」

  

  エヴァ「部下・・・?」

  ミシェル「ああ、アルさんの会社の・・・」

  エレーナ「アルの会社・・・?」

  マックス「あの人・・・ひょっとして偉い人・・・?」

  ミシェル「まぁ・・・そうだな・・・うちの先生と同じ位かな。本来な

       らこんなところでのんびり写真撮ってる暇なんかない

       人だろうな。」

  ルイーゼ「じゃあ・・・いくらリリが想いを寄せたって無理じゃな

        い・・・」

  ミシェル「リリ?ああ、アルさんが今、夢中になってるって言う

       ダンサー娘かい?」

  エヴァ「アル・・・帰っちゃうんでしょう・・・?」

  ミシェル「アルさんがどう言う考えか知らないけど、アルさんの

       居場所はここじゃないからな。」

  

       

 

         下手よりリリ、聞いていたように出る。

         

  

  

 

  ガロ「リリ・・・」

 

         座員達、ミシェル、リリを認める。

 

  ミシェル「君がリリ・・・?」

  リリ「今の話し・・・本当ですか・・・?」

  ミシェル「え・・・?ああ・・・」

  ガロ「・・・仕方ないよ・・・アルさんとは住む世界が違い過ぎる

     んだ・・・」

  エレーナ「いつかは別れなきゃいけないのよ・・・」

  エヴァ「そう言えば、ロバンさんがそろそろ次の場所へ向かう

      ・・・って・・・」

  レニエ「本当か?」

  サミー「この村ともおさらばか。」

 

         座員達、ミシェル下手へ出て行く。

         (ガロ、一寸残って。)

 

  ガロ「リリ・・・元気だせよ。」

 

       

         ガロ、リリを気にしながら下手へ出て行く。

         マハル、下手より出、リリの様子を見詰める。

 

  リリ「あなたに会えて・・・あなたを愛して・・・私の世界が変わっ

     たと・・・アル・・・」

 

         リリ、上手へ走り去る。

         マハル、ゆっくり舞台中央へ。

         (音楽、静かに流れる。)

         アル、下手より出る。

 

  アル「マハル!リリを見なかったかい?」

  マハル「(振り返りアルを認める。)・・・部屋じゃない?」

  アル「ありがとう。(思い出したように。)あ・・・もう足は大丈夫

     なのか?」

  マハル「ええ・・・殆ど平気・・・」

  アル「(嬉しそうに。)それはよかった。じゃあ!(手を上げて走

     り出ようとする。)」

  マハル「アル!!」

  アル「(振り返り。)何だい?」

  マハル「・・・リリのこと・・・好き・・・?」

  アル「・・・ああ・・・」

  マハル「(溜め息を吐いて。)そう・・・よかった・・・あの子・・・幸

      せになるわね?」

  アル「マハル・・・幸せにするさ・・・」

  マハル「全く・・・あの子って馬鹿だから・・・(涙声になる。)皆か

      ら食み出し者になってる私のことにも一生懸命で・・・参

      っちゃう・・・。あなたの相手が他の女じゃ許さないけど・・・

      リリなら・・・」

  アル「・・・マハル・・・」

  マハル「早く行ってあげて・・・きっと今頃沈んでると思うわ・・・」

  アル「え・・・?」

  マハル「あなたの友達と一緒に来た人・・・色々あなたのこと言っ

      てたから・・・。」

  アル「ミシェル・・・分かった!直ぐ行ってみるよ!」

 

         アル、走り出て行く。

         マハル、その方を見詰めている。

 

  マハル「・・・さよなら・・・」

 

         音楽でフェード・アウト。

 

      ――――― 第 14 場 ―――――

 

         絵紗前。リリの部屋。

         リリ、沈んだ面持ちでソファーに座って

         いると、ティボー、お茶を持って入って

         来る。

 

  ティボー「(リリの様子に気付いて。)どうされました?お嬢様。

       また何かお辛いことでも・・・?」

  リリ「ティボー・・・どうして私は・・・ただの踊り子なのかしら・・・」

  ティボー「とんでもない!ただの踊り子などではございませんぞ

       。リリお嬢様はマルティーヌ様の血を継いでおいでなの

       ですから。」

  リリ「そうね・・・ありがとう・・・少し一人にして頂戴・・・」

  ティボー「そんな暗いお顔をなさっていると、アル殿にご心配を

       おかけしますぞ。リリお嬢様は、笑顔が一番お似合い

       なのですから・・・。」

 

         ティボー、出て行く。

 

  リリ「・・・母さん・・・(胸元のネックレスをそっと握る。)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

      ――――― “アル・ロー”7へつづく ―――――

 

 

 

 

 

 

    

 

 

 

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