卒婚の先輩 清水アキラ氏,1年4カ月でギブアップ:「私が音を上げた」と告白
出典:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181129-00000064-dal-ent デイリースポーツ
元貴乃花親方 花田光司氏(46)は,先月“離婚”したが,花田氏ご本人は, 「離婚」ではなく「卒婚」だと語った。この一言で注目を集めた“卒婚”。13年11月に“卒婚”を宣言していたタレントの清水アキラ氏が29日,自身が出演のテレビ番組で,15年には「卒婚を卒業」していたことも明かした。
都内の自宅を処分し、清水氏は長野県野沢温泉の実家へ,奥さんは都内の賃貸マンションで生活。だが、寂しさに絶えかねてわずか1年4カ月で卒婚生活は終了したという。「夜になると一人。話し相手いないからそのうちテレビと話しだした。天気予報の人が『寒いですね』と。俺なにやってるんだと」と振り返り「結局私が音を上げた」と語った。
15年3月から再び都内で同居。「離れてみて(妻の)ありがたさ,愛おしさ,尊さがわかります」とは,告白の弁。
さて,花田氏はいかに・・・・・・・。
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内舘牧子さんのベストセラー『終わった人』講談社文庫では,結婚生活33年となる夫婦の「卒婚」をほろ苦く,描写している。
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┃★┃ 『終わった人』
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▼終わった人
内舘牧子著の『終わった人」は,「生きがい」をテーマとした小説である。
人は皆,歳と共に世代交代の波に押し出されるように社会の第一線から身を引き,世間から次第に忘れ去られ,自分の新たな身の置き場を探し求めるようになる。特に組織の中に生きてきたサラリーマンはこの変化が顕著である。
大手銀行の出世コースから子会社に出向,転籍させられ,そのまま定年を迎えた田代壮介。仕事一筋だった彼は途方に暮れた。生き甲斐を求め,定年後の自分の居場所を探しあぐねた末,数十年慣れ親しんだ戦場に再び身を投ずることになる。そのリスクの大きさが今の自分の身の丈を超えていたにもかかわらず……。
『卒婚-」p510~p511
主人公「俺」と,妻「千草」との,やりとり。
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「私、離婚はしないわよ」
「え?」
「離婚のプラス面を数えあげても、どうしても踏ん切りがつかない」
「九千万で苦しめられてもか?」
「許してはいない」
「離婚しないで盛岡に帰れってことは、別居か」
「卒婚(そつこん)」
「卒婚? 何だ、それ」
「店のお客さんに聞いたの。最近、すごく多いって。そのお客さんも卒婚したんだけど、結婚を卒業すること」
「離婚と同じだろ」
「じゃないの。離婚は不仲の夫婦が籍を抜く方法よ。でも、卒婚は籍を抜かずに、お互いに自分の人生を生きるために、同居の形を解消するの」
「……俺たちは不仲じゃないと思っていいのか」
千草は表情を変えず言い切った。
「不仲よ。私も許していないし、あなたも私にうんざりしてる。でも、お互い、離婚には行きつけないでいる」
その通りだが、ずいぶんと都合のいい形態だ。「卒婚」などという女性受けしそうな造語も不快だ。
千草は俺のそんな内心を読んだのだろう。
「二重生活になるから、お金の問題がある。それは、きちんと話しあってからスタートさせるわ。介護だとか籍が入っているために出てくる諸問題は、それが起こった時に考えればいいと思う。私、身にしみたから。人生なんて、先々を前もって考えて手を打っても、その通りには行かないものだって」
九千万のことを言っているのは明白だった。老後を考え、その時々で我慢もして、地道に積んでいた金が一瞬にして消えたのだ。
「世の多くの人は、平均寿命は生きるだろうと考えて、できる我慢はして、将来のために今を犠牲にして頑張る。でも、五十代でポックリ、六十代でポックリもあるのよね。人は『今やりたいことをやる』が正しいと身にしみた」
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終わった人 (講談社文庫) | |
「人生にあまりなどない」。会社人としては 終わったとしても,人の一生はそれだけでは ない。 |
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講談社刊 内舘牧子著 |
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