赤ちゃんポスト-匿名か実名論争(実の親を知る権利を保障することが、必ずしも子どもに良いとは言えない?)
◇匿名か実名か…熊本市と病院、平行線のまま
「匿名での預け入れを貫くことは容認できない」との指摘
「子供の命」と「出自を知る権利」のどちらを優先するべきか--。「こうのとりのゆりかご」を巡る専門部会は検証報告書で匿名での利用を容認しない姿勢を改めて強調し、慈恵病院に出自に関する情報確保の努力を求めた。逆に慈恵病院は「預け入れ数低迷の背景には匿名性が保たれない恐れがあるのでは」と指摘するなど、利用者と積極的に接触しない姿勢を崩さない。報告書に強制力はなく、両者の主張は平行線で着地点は見えない。
毎日新聞の全国調査調査によると,今年3月までの過去5年間で路上などに遺棄されたり自宅などに置き去りにされたりして、全国の児童相談所(児相)が対応に当たった子供が891人だった。
慈恵病院(熊本市)の「こうのとりのゆりかご」(赤ちゃんポスト)が2007年5月の運用開始から約7年間に預けられた計101人のうち、約1割の11人が何らかの障害を抱えている。
慈恵病院の「こうのとりのゆりかご」活動を検証の熊本市の専門委員会は,「病院が匿名性を絶対視することは、子どもの人権上問題があると認識している。あくまでも子どもは親を知る権利があり、それをなんらかの形で担保できる仕組みがを考えていかないといけない」,と懸念を示した。
これに対して,慈恵病院は,「妊娠を隠し通したいという母親は多く、赤ちゃんを捨てたり殺したりする最終手段にでる前に、赤ちゃんを守らねばならない。実の親を知る権利を全ケースで保障するのは難しい」と匿名の預け入れに理解を求めた。
また、「性犯罪や売春などで妊娠するケースも少なくなく、実の親を知る権利を保障することが、必ずしも子どもに良いとは言えない。預けられた子どもたちがどうやって乗り越えるのか、預けられたあとのことも関係機関で話し合っていかなければならない」との見解を示した。
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●<赤ちゃんポスト>7年間に受け入れ101人 11人に障害 2014年 9月26日
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140926-00000143-mai-soci
「赤ちゃんポスト(こうのとりのゆりかご)」の運用を検証する市の専門部会は,2007年5月の運用開始から約7年間に受け入れた101人のうち約1割にあたる11人に何らかの障害があることを明らかにした。専門部会が幸山政史市長に提出した検証報告書は、障害が預け入れの理由かは不明としながらも「新たな課題となる懸念がある」としている。
●熊本・慈恵病院赤ちゃんポスト受け入れの1割は障害児 2014.9.27 07:04
http://sankei.jp.msn.com/region/news/140927/kmt14092707040001-n1.htm
慈恵病院(熊本市)の「こうのとりのゆりかご」(赤ちゃんポスト)に平成19年5月の運用開始から約7年間に預けられた計101人のうち、約1割の11人が何らかの障害を抱えている
●<赤ちゃんポスト>7年間に受け入れ101人 11人に障害 2014年9月26日
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140926-00000143-mai-soci
「赤ちゃんポスト(こうのとりのゆりかご)」の運用を検証する市の専門部会は,2007年5月の運用開始から約7年間に受け入れた101人のうち約1割にあたる11人に何らかの障害があることを明らかにした。専門部会が幸山政史市長に提出した検証報告書は、障害が預け入れの理由かは不明としながらも「新たな課題となる懸念がある」としている。
●ゆりかご検証報告書「匿名再検討を」 2014.9.27
http://www3.nhk.or.jp/lnews/kumamoto/5004528911.html?t=1411786960124
「病院が匿名性を絶対視することは、子どもの人権上問題があると認識している。あくまでも子どもは親を知る権利があり、それをなんらかの形で担保できる仕組みがを考えていかないといけない」。
●慈恵病院は「匿名は必要」 2014.9.27
http://www3.nhk.or.jp/lnews/kumamoto/5004865681.html?t=1411789496035
報告書を受けて「赤ちゃんポスト」を運用している熊本市西区の慈恵病院の蓮田太二理事長と蓮田健産婦人科部長が会見した。
報告書の中で、「匿名での預け入れを貫くことは容認できない」と指摘されたことに対して、「妊娠を隠し通したいという母親は多く、赤ちゃんを捨てたり殺したりする最終手段にでる前に、赤ちゃんを守らねばならない。実の親を知る権利を全ケースで保障するのは難しい」と匿名の預け入れに理解を求めた。
●熊本・慈恵病院赤ちゃんポスト受け入れの1割は障害児 2014.9.27 07:04
http://sankei.jp.msn.com/region/news/140927/kmt14092707040001-n1.htm
慈恵病院(熊本市)の「こうのとりのゆりかご」(赤ちゃんポスト)に平成19年5月の運用開始から約7年間に預けられた計101人のうち、約1割の11人が何らかの障害を抱えている
●赤ちゃんポスト:6人が身元不明 「成長に影響」「まず命を」 関係者の声 2014年05月23日
http://mainichi.jp/area/kumamoto/news/20140523ddlk43100647000c.html
熊本市西区の慈恵病院が設置する「赤ちゃんポスト(こうのとりのゆりかご)」の2013年度利用状況が発表された22日、預けられた子供が9人と低迷を続ける一方、6人の身元が不明だった結果に関係者からはさまざまな意見が聞かれた。
●赤ちゃんポスト:「預かった子ども幸せに」 慈恵病院理事長が講演 ゆりかご経緯など紹介 2014年05月12日
「こうのとりのゆりかご(赤ちゃんポスト)」を運営する熊本市の慈恵病院の蓮田太二理事長が,「乳児の養護と幸せを考える~託された命を護(まも)り育む、想(おも)いとかたち~」と題して講演した。
http://mainichi.jp/area/kumamoto/news/20140512ddlk43100333000c.html
●子供置き去り667件 10~12年度、育児放棄など 2014/7/1
http://www.nikkei.com/article/DGXNZO73598670R00C14A7CR0000/
親が育児放棄(ネグレクト)し、自宅などに子供を置き去りにしたケースが2010~12年度の3年間に全国で計667件あったことが1日、分かった。田村憲久厚生労働相が同日の閣議後の記者会見で明らかにした。
●子供遺棄・置き去り:891人 過去5年、2歳以下4割−−毎日新聞調査 2014年08月16日
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140926-00000143-mai-soci
今年3月までの過去5年間で路上などに遺棄されたり自宅などに置き去りにされたりして、全国の児童相談所(児相)が対応に当たった子供が891人だった。
●子供遺棄・置き去り:心の傷今も深く 「親なんていない方が…」 2014年08月16日
http://mainichi.jp/shimen/news/20140816dde041040016000c.html
へその緒のついた女児が店内トイレのごみ箱から見つかった千葉市内のコンビニ店。救命にあたった医師は「こんなことが繰り返されてはならない」と力を込める
●女の生きる価値とは? 大阪二児置き去り死事件を追ったルポライターが語るシングルマザーの貧困と孤立 2014年03月09日
http://www.huffingtonpost.jp/wotopi/post_7055_b_4928631.html
2010年夏、大阪のマンションで3歳の女児と1歳9ヶ月の男児の遺体が発見された。子どもを置き去りにしたとして逮捕されたのは23歳の母親。逮捕直後の報道では母親が風俗嬢として働いていたこと、子どもを放置しながらSNSでは遊びまわる様子を投稿していたことなどがセンセーショナルに報じられた。
長野県上田市にまい降りたコウノトリ ・ 撮影 安藤和義氏
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┃☆┃ 「明日,ママがいない」-慈恵病院からBPOへの審議の申し立て受理されず
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児童養護施設を舞台にした日本テレビ系のドラマ「明日、ママがいない」について,熊本県の慈恵病院 http://jikei-hp.or.jp/ から,放送倫理・番組向上機構BPOへの放送人権委員会への審議の申し立ては,「委員会運営規則第5条の苦情の取り扱い基準に照らして、審理対象外」と判断され,受理されなかった。
※第五条 http://www.bpo.gr.jp/?page_id=1141#h_03
放送倫理・番組向上機構(BPO)は,審理対象としない理由を“「児童養護施設関連ドラマへの申立て」審理対象外と判断” http://www.bpo.gr.jp/?p=7612&meta_key=2014 とし示している。その要点は,以下の点にある。
1)番組の問題部分が児童養護施設入所中の子ども、里子や施設職員の名誉を侵害するという点について、個別具体的な子どもや里子、施設職員個人の特定がなされていないため個別具体的な名誉侵害の有無を判断することができない。
2)児童養護施設の子どもが学校等で非人格的なあだ名等で呼称され、からかわれるという点についても、個別具体的な子どもが特定できないし、著しい不利益の内容も明らかでないため、取り扱うべき事案であるか否かを判断することができない。
3) 申立を行った病院は、病院の名誉やその他の権利侵害等を主張するために申し立てを行ったのではなく、あくまで児童養護施設入所中の子ども等の名誉等を問題 とする、と説明している。しかし、申し立てを行うことができるのは「その放送により権利の侵害を受けた個人またはその直接の利害関係人を原則とする」と規 定されているため、申し立てを行った病院と、侵害を受けた当事者との利害関係を認定することはできなかった、
※参考 JjCASTニュース http://www.j-cast.com/2014/05/22205469.html
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【慈恵病院の見解】 http://jikei-hp.or.jp/tv_mama/
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1月29日,熊本の慈恵病院は、ホームページ上で,日本テレビ系ドラマ「明日、ママがいない」について「養護施設の子供や職員への誤解偏見を与え、人権侵害だ」として放送中止を申し入れたことについて、同病院の見解 http://jikei-hp.or.jp/tv_mama/ を改めて示した。
声明文の冒頭で「日本テレビによる『明日、ママがいない』放送に当たりまして当院のお願いが一種の論争を引き起こす形となったにも関わらず、皆様に十分な 情報が伝わりにくくなっていることに対し、深くお詫び申し上げます」と謝罪した上で,「ご理解いただければと、私たちの考えをホームページ上に掲載させて 頂くことに致しました」と趣旨を説明した。
>>>日本テレビ ドラマ「明日、ママがいない」放送終了に当たりまして
http://jikei-hp.or.jp/tv_mama2/
▶ホームページ公開の経緯 http://jikei-hp.or.jp/tv_mama2/
3月12日にドラマは最終回を迎えました。
第 1回、第2回放送内容は児童養護施設の子どもをはじめとして多くの関係者を傷つける内容でした。しかし、その後の放送分については次第に差別的な表現がな くなりました。あだ名の設定は最後まで変わりませんでしたが、それ以外については大きく問題になる内容ではないと受け止めています。
また、感動的な部分、考えさせられる部分もあり、制作に携われた方々が子どもへの影響に配慮なさりつつ、メッセージ性のある作品を目指されたことがうかがえました。関係の皆さまのご努力に感謝と敬意を表します。
一方で、「最初は過激で抗議を受けたが、その後はいいドラマになって感動した」という評価に落ち着いているようにも見えます。社会はそのように見ても、傷ついてしまった施設の子どもや関係者からは、「こんなことなら、そっとしておいて欲しかった」という声が漏れてきます。
「テレビ局は視聴率のために私たちを利用しているだけで、私たちを理解してくれない」
「児童養護施設をドラマにすれば、関係者から抗議を受けてスポンサーも降りてしまう。リスクのある領域なので近寄らない方が無難」
両者の間にこのような認識が残ったように思います。
今回の問題は社会的養護について、当事者と一般社会との認識の乖離(かいり)を浮き彫りにもしました。
「施設の子を守りすぎると『過保護な子』になってしまい、問題です。そのような育て方をすると強い人間になれません」
このようなお声もいただきましたが、施設現場には「社会の無理解」と映ります。
被虐待児が6割を占め、病的精神状態にも対処しなければならないのが実情ですから。
何が問題だったかの「整理」と「確認」を行わなければ、溝を埋めることはできません。
ま た、例え日本テレビや制作関係の方々が問題を理解されても、その他の方たちの理解を得られなければ、別のドラマで同じ問題が再発する可能性があります。 BPO(放送倫理・番組向上機構)の青少年委員会は、審議入りしない決定を行いました。理由は未公開ですが、放送業界がこの問題に正面から向き合うことを 願っています。この問題への対処は、誰が悪いとか誰が罰を受けるという事を決めるものではありません。
“社会的養護”という重く難しいテーマをどのように社会に伝え、理解していくべきかの最低限のガイドライン作りにあると思います。
ドラマに限らず、メディアで社会的養護を取り上げていただく事は重要です。社会がその実情を理解し、問題を認識することで、社会も国も改善へ動き出します。
しかし、取り上げていただく際に準備や配慮が必要であることをお考えいただきたく、私たちの見解を述べたいと思います。
・ドラマの問題点について
・ なぜ、このような問題点が生じたのでしょうか?
・後半が感動的なら、許されるのでしょうか?
・児童養護施設出身の皆さまへ
・児童養護施設、被虐待児の現実を知ってください
>>>日本テレビ ドラマ「明日、ママがいない」放送に当たりまして
http://jikei-hp.or.jp/tv_mama/
・第1回放送分の問題点について
・「フィクションだから、いいのでは?」
・取材して頂きたかった
・「児童養護施設内での虐待など、施設のマイナス部分を出してはいけないのか」
・「児童養護施設出身者は問題ないと言っている」
・「テレビ局や俳優を傷つけている」「放送中止は、やり過ぎでは?」
・「名誉毀損で訴えるべきでは?」
・「売名行為では?」
・今後のお願い
・【追記1】 フラッシュバック回避のためのお願い
・【追記2】 被虐待児への理解と応援を
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┗■ 「明日ママ」記事・バックナンバー
- 「明日、ママがいない」 フィクションだからいいの...
- 「明日、ママがいない」 フィクションだからいいの...
- 「明日、ママがいない」 -7話までを総括
- 日テレ「明日、ママがいない」 - フィクションだか...
「こうのとりのゆりかご」を見つめて (熊日新書) | 揺れるいのち―赤ちゃんポストからのメッセージ | こうのとりのゆりかご検証会議・最終報告「こうのとりのゆりかご」が問いかけるもの―いのちのあり方と子どもの権利― | 「こうのとりのゆりかご」は問いかける―子どもの幸せのために (熊日新書) |
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僕は運命を信じない―不滅のボクサー坂本博之物語 | |
幼少時に両親が離婚。親類に預けられたがそこでの生活は極貧を極め、弟と一緒にザリガニを捕まえ食したこともあると語っている。その後預けられた福岡市東区の養護施設『和白青松園』のテレビでボクシングの試合を見たことがきっかけで、プロボクサーを志すようになる。 | |
西日本新聞社 |
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表現の自由 1 ?状況へ | 表現の自由 2 ?状況から | 図書館と表現の自由 |
表現の自由をとりまく環境は時々刻々と変化し,表現の自由自体も変貌を遂げ,裾野を広げる。表現の自由に関する議論を,時間的・空間的に変化し続ける「状況」の内と外から,改めて捉え直すことを試みた企画。第I巻では表現の自由の「理論」の最先端を行く研究者達が,代表的な基本概念・理論的課題の解明により「現場」の状況へと語りかける。 |
第II巻では,表現の自由の「実務」が直面する課題状況が現場の目から語られる。 | 図 書館は国民が情報を受け取る機会を保障するため極めて重要な役割を担っている。図書館や利用者・出版社の法的地位、図書館における図書の収集・管理・利 用、インターネットへのアクセスなど、図書館をめぐる問題をさまざまな場面に分けて、表現の自由の保障のあるべき姿から、包括的に検討を加えた。 |