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JR九州 「感動の経営」 vs 4割が「不採算区間」

2018-12-21 05:04:11 | JR九州

 

     
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 JR九州(「九州旅客鉄道株式会社」)。鉄道会社なのに,売上の6割は鉄道以外の収入で,8年連続増収の好業績である。1987年の国鉄分割民営化の会社スタート時は,JR北海道,JR四国とともに「三島(さんとう)JR」と称され,300億円の赤字に青息吐息の状態であった。それが,高速船,外食,不動産,建設,農業,ホテル,流通,ドラッグストアなど売上の6割を鉄道部門以外の事業活動で8年連続増収。2016年はに東証一部上場,2017年に黒字500億円を達成している。

鉄道部門の花形のクルーズトレイン「ななつ星 in 九州」(通称,ななつ星)は,高額にもかかわらず,2013年の運行開始以来,予約数が定員をはるかに上回る応募が続いている。DX(デラックス)スイート(7号車の最高客室)の過去最高競争率が316倍という人気ぶりである。
 

>>>JR九州,4割が「不採算区間」 -存続の可否が検討課題-

 JR九州 http://www.jrkyushu.co.jp/company/index.html は,22路線76区間の1日・1キロメートルあたりの2016年度の乗車人員(輸送密度)を公表している。それによると,平均1000人未満だったのは肥薩線や吉都線、指宿枕崎線などの8路線13区間で,多くは九州南部のローカル線である。

JR九州 路線図



 1日1キロあたりの平均利用者数(輸送密度)では,新幹線を含む全22路線の61区間のうち4割にあたる25区間が4千人を下回った。旧国鉄の分割時に,鉄道からバスへの転換を促された基準である輸送密度4000人以下を下回った区間は,
・日豊線
・筑肥線
・宮崎空港線
・筑豊線
・日田彦山線
・後藤寺線
・久大線
・唐津線
・豊肥線
・肥薩線
・三角線
・吉都線
・指宿枕崎線
・日南線
 の14路線・32区間である。

 路線ごとでは,最も少なかったのは豊肥線の宮地―豊後竹田間の99人,肥薩線・人吉―吉松間(138人),日南線・油津―志布志間(210人)が続く。

 なお,鹿児島線の門司港(北九州市)―鹿児島(鹿児島市)の輸送密度は3万4432人と,JR九州が発足した1987年度から約4割増えた。篠栗線の吉塚(福岡市)―桂川(福岡県桂川町)も2万1550人と倍増した。
 このように,福岡の都市周辺の路線や中核市間を結ぶ路線は輸送密度が増えたが,日南線,三角線などローカル線8路線は減少した。 

 ⇒⇒ JR九州   路線別ご利用状況   https://www.jrkyushu.co.jp/company/info/data/rosenbetsu.html

【九州新幹線】
線名区間営業キロ
(km)
平均通過人員
(人/日)
旅客運輸収入
(百万円/年)
1987年度2017年度2017年度
九州新幹線 博多~鹿児島中央 288.9 19,012 54,155
博多~熊本 118.4 27,579  
熊本~鹿児島中央 170.5 13,062
【在来線(幹線)】
線名区間営業キロ
(km)
平均通過人員
(人/日)
旅客運輸収入
(百万円/年)
1987年度2017年度2017年度
山陽本線 下関~門司 6.3 26,352 18,795 559
鹿児島本線 門司港~鹿児島 281.6 25,138 34,649 44,855
門司港~小倉 11.0 29,689 23,849  
小倉~博多 67.2 68,929 83,716
博多~久留米 35.7 46,908 68,642
久留米~大牟田 33.6 16,115 9,311
大牟田~熊本 49.1 16,900 6,989
熊本~八代 35.7 17,266 10,793
川内~鹿児島中央 46.1 11,252 7,360
鹿児島中央~鹿児島 3.2 9,962 11,900
日豊本線 小倉~鹿児島 462.6 10,249 ※19,697 21,291
小倉~中津 51.8 34,776 29,266  
中津~大分 81.1 13,455 14,726
大分~佐伯 64.9 8,050 ※26,948
佐伯~延岡 58.4 3,428 793
延岡~南宮崎 86.3 6,149 6,028
南宮崎~都城 47.4 4,398 3,624
都城~国分 42.2 2,029 1,478
国分~鹿児島 30.5 9,875 11,329
篠栗線 吉塚~桂川 25.1 10,755 21,866 2,231
吉塚~篠栗 10.3 13,712 32,538  
篠栗~桂川 14.8 8,698 14,439
長崎本線 鳥栖~長崎 148.8 12,646 14,805 12,430
鳥栖~佐賀 25.0 24,187 31,546  
佐賀~肥前山口 14.6 19,732 21,434
肥前山口~諫早 60.8 9,108 8,613
諫早~長崎 24.9 14,988 18,702
喜々津~浦上 23.5 2,640 4,765
筑肥線 伊万里~姪浜 75.7 7,557 9,959 3,720
伊万里~唐津 33.1 728 227  
唐津~筑前前原 29.9 7,233 5,859
筑前前原~姪浜 12.7 13,593 44,975
佐世保線 肥前山口~佐世保 48.8 5,651 6,660 1,984
宮崎空港線 田吉~宮崎空港 1.4 1,841 88
【在来線(地方交通線)】
線名区間営業キロ
(km)
平均通過人員
(人/日)
旅客運輸収入
(百万円/年)
1987年度2017年度2017年度
香椎線 西戸崎~宇美 25.4 3,299 6,335 814
西戸崎~香椎 12.9 2,921 4,858  
香椎~宇美 12.5 3,690 7,860
筑豊本線 若松~原田 66.1 6,993 5,326 1,458
若松~折尾 10.8 4,545 4,069  
折尾~桂川 34.5 10,177 8,608
桂川~原田 20.8 2,981 534
日田彦山線 城野~夜明 68.7 2,057 ※32,514 317
城野~田川後藤寺 30.0 3,287 2,514  
田川後藤寺~夜明 38.7 1,103 ※4-
後藤寺線 新飯塚~田川後藤寺 13.3 1,728 1,309 70
久大本線 久留米~大分 141.5 3,122 ※51,856 1,655
久留米~日田 47.6 3,040 ※4-  
日田~由布院 51.5 2,564 1,340
由布院~大分 42.4 3,890 2,483
唐津線 久保田~西唐津 42.5 3,528 2,169 313
久保田~唐津 40.3 3,649 2,229  
唐津~西唐津 2.2 1,315 1,066
大村線 早岐~諫早 47.6 3,197 5,246 1,066
豊肥本線 熊本~大分 148.0 2,963 ※63,550 1,869
熊本~肥後大津 22.6 4,902 10,957  
肥後大津~宮地 30.8 2,711 ※4
宮地~豊後竹田 34.6 1,028 99
豊後竹田~三重町 23.9 2,384 947
三重町~大分 36.1 4,203 3,943
肥薩線 八代~隼人 124.2 1,400 507 430
八代~人吉 51.8 2,171 603  
人吉~吉松 35.0 569 138
吉松~隼人 37.4 1,109 719
三角線 宇土~三角 25.6 2,415 1,331 144
吉都線 吉松~都城 61.6 1,518 474 87
指宿枕崎線 鹿児島中央~枕崎 87.8 3,751 3,269 1,341
鹿児島中央~喜入 26.6 8,253 8,474  
喜入~指宿 19.1 3,687 2,551
指宿~枕崎 42.1 942 306
日南線 南宮崎~志布志 88.9 1,423 774 282
南宮崎~田吉 2.0 2,129 3,726  
田吉~油津 44.0 1,189
油津~志布志 42.9 669 210

 

 >>>感動経営

 

 

感動経営――世界一の豪華列車「ななつ星」トップが明かす49の心得

 

 

“感動飢餓"の時代。
現代は、こういい表せる時代ではないだろうか。
JR九州には現在、37のグループ会社がある。
JRというと鉄道がメインだと思われるだろうが、
売上の6割を鉄道以外の事業であげている。
博多と韓国をつなぐ高速船「ビートル」、
東京・赤坂にある「うまや」などの外食店、
不動産、農業、ドラッグストアなどその分野は多岐にわたる。
順風満帆だったわけではない。
国鉄分割民営化から北海道、四国とともに
「三島(さんとう)JR」と中央では称され、逆境と屈辱を味わった。
幸いだったのは、当時の社員全員が
「このままではJR九州は必ず潰れる」
という強い危機感を共有できたことだ。
鉄道事業だけではいずれ立ちゆかなくなる、新たな活路を見出さなくては。
この思いを共にして、ちょっとやそっとうまくいかなくても歯を食いしばりながら、
明るく前向きに日々の仕事に取り組んだ。
逆境となると、もう夢しかなかった。
大きな夢も小さな夢も、みんなとはたしたときの嬉しさは、どれも格別のものだった。
そんな時間を経たからこそ、いまの私が最も大切にしているもの。
それは、「感動のない仕事は仕事ではない」という思いだ。(中略)

経営は、ひとに感動を与えるためにある。
経営は、感動することからはじまるのだ。
こんな思いで、本書『感動経営』を書き上げた。
この一冊で、読者の皆さんを感動させることができたなら、
私もまた書いた者として感動することができる。
ぜひ、素晴らしい感動の授受を。

 唐池恒二著   ダイヤモンド社刊

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