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  「人の噂も七十五日」-徳洲会グループ事件の顛末

2015-02-22 17:34:06 | 「身の程」人生

  2014年8月25日付の日本経済新聞で,---「徳洲会事件,徳田虎雄元理事長は不起訴に 捜査終結へ」との見出しで,徳洲会グループを巡る公職選挙法違反事件で,東京地検特捜部が徳田虎雄元理事長(76)を近く不起訴(起訴猶予)処分とし,一連の捜査を終結する方針を固めた。特捜部は昨年12月,虎雄氏の親族やグループ幹部ら計10人を,徳田毅元衆院議員(43)の選挙をめぐる同法違反(買収など)罪で起訴,9人の有罪判決が確定した。
虎雄氏は難病のALS(筋萎縮性側索硬化症)で療養中のため、裁判で刑事責任を問うのは困難だと判断したとみられる。---と報じていた。

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 「人の噂も七十五日」とはよく言ったモノで,徳洲会事件は,忘却の彼方への感がある。あの騒ぎは,なんだたのだろうか。   

 徳洲会グループを長年取材したジャーナリストの青木理氏は,昨今の醜聞一辺倒の報道を振り返り,「徳洲会が素晴らしいなどとは言わないが,乱暴で下品な面のある悪だけが捜査を受けて徹底指弾され,一見上品だけどもっと巨大な悪がノウノウとしているのは,あまりに不公平な情景に見えてならない」と記している。

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 日本最大の医療法人「徳洲会」 で,組織ぐるみの選挙違反があったとして、東京地検特捜部の強制捜査を受けた。いま徳洲会で問題になったのは,徳田虎雄理事長の次男である毅代議士の昨年 末の総選挙の際,徳洲会グループの病院から300名以上が派遣されて選挙活動を行い,旅費や宿泊費の他、日当も受け取っていたことである。

  Livedoor粉飾決算事件で東京地検特捜部に逮捕され懲役2年6ヶ月の実刑が確定し服役していた堀江貴文氏が出所後出した『ネットがつながらなかったので仕方なく本を1000冊読んで考えた そしたら意外に役立った』で,『トラオ 徳田虎雄 不随の病院王』を読んで徳田虎雄氏の生き方に強い共感を覚えたとし,は次のように書いている。

 phote:徳洲会ホームページより

  本を読んでいると時折,あまりに強烈すぎる才能に出会うことがある。
 しかし、閃光のように強烈な才能というものは、どういったわけ か、その持ち主に強烈な影をも落とす。なんでなんだろうね? これ。 幸運をつかみ取る才能は、同時に不幸にも足を取られやすいのか。ロケットエンジンの ように,強烈な生命エネルギーは扱いが難しく、ちょっとのミスで大事故につながりかねないのか。

 紹介したいのは『トラオ 徳田虎雄 不随の病院王』 (青木理) だ。
 徳田虎雄は,全国66病院を含む280余の医療施設を擁する病院帝国を一代にしてつくりあげた人物として,政界にも広く知られる人物だ。            
 帝国の名前は医療法人・徳洲会。しかし彼は,その卓越した経営の才能を持ちながら,不治の難病ALS (筋萎縮性側索硬化症) とともに生きることを余儀なくされる。
                              『ネットがつながらなかったので仕方なく本を1000冊読んで考えた そしたら意外に役立った』 p97~p99

 この一節は,まさに,東京地検特捜部の強制捜査を受けた徳田虎雄氏の今を,予言しているかのようである。

                                                               

 

トラオ 徳田虎雄 不随の病院王
クリエーター情報なし
小学館

  Livedoor粉飾決算事件で実刑が確定し服役していた堀江貴文氏が出所後書いた『ネットがつながらなかったので仕方なく本を1000冊読んで考えた そしたら意外に役立った』で,『トラオ 徳田虎雄 不随の病院王』を読んで徳田虎雄氏の生き方に強い共感を覚えたと述べている。その内容は,「虎雄氏主導の選挙違反」といわれる今回の騒動を予感させる内容である。

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 超絶人生が教えてくれる、自分の立ち位置

 本を読んでいると時折,あまりに強烈すぎる才能に出会うことがある。
 しかし、閃 光のように強烈な才能というものは,どういったわけか、その持ち主に強烈な影をも落とす。なんでなんだろうね? これ。 幸運をつかみ取る才能は,同時に 不幸にも足を取られやすいのか。ロケットエンジンのように、強烈な生命エネルギーは扱いが難しく,ちょっとのミスで大事故につながりかねないのか。
 答えはよくわからないけれど、この種の 〝才能″ は,読む者の心に,いつまでも残るものだ。その強烈な閃光で生き様を刻み付けるように,痕跡を残していくのだ。
 どれも到底真似できる生き方ではない。
 でも,極端すぎる生き様を知ることで,自分が置かれている状況に幸せを感じたり,自分に足りないものを知るヒントになるかもしれない。
                                         
 紹介したいのは『トラオ 徳田虎雄 不随の病院王』 (青木理) だ。
 徳田虎雄は,全国66病院を含む280余の医療施設を擁する病院帝国を一代にしてつくりあげた人物として,政界にも広く知られる人物だ。            
 帝国の名前は医療法人・徳洲会。しかし彼は,その卓越した経営の才能を持ちながら,不治の難病ALS (筋萎縮性側索硬化症) とともに生きることを余儀なくされる。
 ALSは,物理学者のスティーヴン・ホーキング博士によって広く知られるようになった病気だ。体中の筋肉が麻痺し,コミュニケーションや呼吸にも障害が及び,社会生活が困難になる難病だ。現在,世界中でさまざまな研究が行われているが,いまだに有効な治療法や原因究明がなされていない。
 徳田虎雄もALSが進行し,口で言葉を発することができない。鋭い眼光を宿す、ぎょろりとした彼の目が,いまは口の代わりをしている。
  コミュニケーションをとるときは、眼前のプラスチックの文字盤を目で追い,秘書や看護師がその視線をとらえ、文字を書き取ることで言葉にする。そんな状態でもなお,彼は徳洲会の理事長をつとめる。ホームページには 「世界200カ国に医療福祉施設夢の実現に向けて皆で頑張ろう」という彼の熱いメッセージが 掲げられている。

 本書では終始,そんな徳田虎雄の無限のバイタリティーに驚かされっぱなしだ。


ぜんしんの きんにくは よわつてしまっても あたまは せいじようで さえわたっている げんきだつた ときより むしろ ぶんかてき せいかつ かも

 一章の冒頭で綴られる彼のこの言葉が,すべてを物語っているようだ。ALSは彼を少しずつ蝕む。いずれは目の動きすら奪ってしまうという。しかし,ALSのハンデ程度では,彼は止まらないし,止められない。

 彼の 〝疾走″ は、幼少期に弟を失ったことから始まった。
 故郷の徳之島(鹿児島県の奄美群島) で,ある夜、弟が嘔吐と下痢を繰り返し,目をむいて気を失った。徳田があちこちの医者に往診を頼むも、誰も来てくれず,ようやく医者が来てくれたのは翌日の昼過ぎ。弟はもう,死んでいたという。
 この壮絶な経験が,「年中無休,24時間オープン」 を旗印とする徳洲会をつくり今もなお,彼を走らせ続けているのだろう。

  そのまっすぐな生き方は、時に世間から 〝キワモノ的″ とも評されるが、僕は強い共感を覚えた。彼なら世界中の過疎地に、病院を作りまくれるに違いない。体中の筋肉が止まっても、彼は止まらないはずだ。自分の運命にとらわれず,自分の力で運命すらも超えて前進していく姿に圧倒させられる。

   『ネットがつながらなかったので仕方なく本を1000冊読んで考えた そしたら意外に役立った』  p97~p101

                         :*☆*:…:*★*:…:*☆*:…:*★*:…:*☆*:…:*★*:…:*☆*:…:*★*:

ネットがつながらなかったので仕方なく本を1000冊読んで考えた そしたら意外に役立った (ノンフィクション単行本)
 堀江貴文:2006年,証券取引違反の疑いで東京地検特捜部に逮捕され,実刑判決。長野刑務所にて服役。
  角川書店

 

トラオ 徳田虎雄 不随の病院王
クリエーター情報なし
小学館

 

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徳州会の機関誌,「The Palm」 (ザ・パーム)に掲載の徳田虎雄氏の一文。母コタルさん,そして 祖父徳信(とくのぶ)さんに関するエピソードを次のように綴っています。


  昭和二十一年、祖父は亡くなるときに母を呼んで,「おかげで世の中で一番おいしいものを食べることができて,思い残すことは何もない。おまえが嫁に来てからは,私は誰よりも幸せだった。ここにためたお金が千百円あるが,これはみんなおまえにやる。好きなように使いなさい。本当に長い間よくしてくれて,ありがとう。おまえが『塩一升する』ように,天から露を降ら してやるからな」と,震える手でお金を渡した。
 「塩一升する」というのは,塩を一日に一升使うような大勢の人へのもてなしが客にできるということで,その家の繁栄と家の者が大物になるということを意味する。自分が死んだら,天から露を降らせて,家を繁栄させてやるという意味である。
  今,徳洲会の病院では,いかに減塩食だといっても毎日塩十升しているであろう。祖父の露のせいもあろうが,その露も母の献身のゆえである。とすればこの塩は,何十年も休まずに働きつづけた母の汗の結晶である。そして,僕の理念に従って真の医療に献身する医師,看護師,技師,事務職員たちのゆってん汗の結晶である。汗は汗を生み、その汗が塩千升,塩万升となり,しかもそれが人々の命に益しているのである。
 祖父も本望,母も本望であろう。

   出典:「The Palm 冬号(第47号)」 ザ・パーム出版(株)刊 成功の哲学 第6回  徳田虎雄  p128 

 


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