無責任?最善の選択?なぜ彼女たちは子どもを産み、棄てるのか!? 強烈なセンセーションを巻き起こした「赤ちゃんポスト」。本書では,緊急下の女性という最も暗き存在に光を当て,改めてこの装置の本質的な課題に迫る。赤ちゃんポスト発祥の地ドイツでの最新の実態や研究の動向,国内での赤ちゃんポストの取り組みを紹介。 |
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赤ちゃんポストと緊急下の女性: 未完の母子救済プロジェクト (〈1〉) | |||
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● ゆりかご死体遺棄事件で判決
2014年10月,熊本市の慈恵病院「赤ちゃんポスト」に生まれてまもない赤ちゃんの遺体を放置した罪に問われた母親に対し,熊本地方裁判 所は「思慮の浅い行動は非難されるべきだが,遺体に対する思いやりが相応に感じられる」とし,執行猶予の付いた有罪判決を言い渡した。
山鹿市の無職Y被告(31)は2014年10月,熊本市西区の慈恵病院が設置の,親が育てられない赤ちゃんを匿名で受け入れる「こうのとりの ゆりかご」いわゆる「赤ちゃんポスト」に,自宅で出産し,その後死亡した赤ちゃんを放置したとして死体遺棄の罪に問われた。
判決で熊本地方裁判所の大門宏一郎裁判官は「妊娠したことを両親に相談するなどしていれば,適切に処置できたはずで,思慮の浅い行動は当然、非難 されるべきだ」と指摘した。そのうえで,「遺体を適切に扱ってくれるかも知れないという思いから赤ちゃんポストに置いていて,遺体に対する思いやりが相応 に感じられる」として懲役1年,執行猶予3年を言い渡した。
判決を傍聴した慈恵病院の蓮田太二理事長は,「十分事情を理解した温情ある判決だと思う。裁判官も言っていたようにまっすぐな道を歩んでほしい」 とコメントした。熊本市の大西一史市長は,「裁判の中で新たな事実も明らかになり,赤ちゃんポストの運営に関する市の専門部会に報告,検討をお願いすると ともに,相談体制の充実などについて国にも働きかけていく」と表明した。
>>>「ゆりかご」男児遺体遺棄容疑で母逮捕 熊本県警 2014年10月04日
熊本市の慈恵病院の「こうのとりのゆりかご(赤ちゃんポスト)」で10月3日夜、男児の遺体が見つかった事件で、熊本南署と県警機動捜査隊は,死体遺棄の 疑いで山鹿市、無職Y子容疑者(31)を逮捕した。Y容疑者は「数日前に、自宅で出産した男児が死亡していた。かわいそうに思い, 車に乗せて一人で運んだ」と供述し,容疑を認めた。
Y容疑者は,両親と小学生の男児との4人暮らし。両親は妊娠と出産を知らなかったという。
>>>女が逮捕された4日,同病院の蓮田太二理事長と蓮田健産婦人科部長が院内で記者会見を開いた。
-事件を受けて。
理事長「私たちは、育てられない赤ちゃんを預かるということで設置しており,亡くなってから預けられたというのは理解できない。非常に残念に思う。どうして生存していた時に預けなかったのかと悔しい思いというか,非常に残念な思いでいっぱい」
-今後のゆりかごの運用は。
理事長「変わらない。事件を知らず,(ゆりかごを)閉じたと知らずに来た人が赤ちゃんを連れてきて,ゆりかごの前に置き去りにしていく危険性を考えると,すぐ簡単に閉じるわけにはいかない」
=2014/10/05付 西日本新聞朝刊=
名前のない母子をみつめて: 日本のこうのとりのゆりかご ドイツの赤ちゃんポスト | |
日 本初となる「こうのとりのゆりかご」(赤ちゃんポスト)を設置・運営し,母と子の命を見つめ続けてきた慈恵病院理事長自身の回想から,その誕生の 背景に迫る。さらには,先行するドイツでの実態レポート,匿名・内密出産について議論し,日本での母子支援のあり方を問う。緊急下の女性と子どもをめぐる 好評書籍の第2弾。 著者:蓮田太二(はすだ・たいじ)1936年 台湾に生まれる1962年 熊本大学医学部卒 1978年 医療法人聖粒会 慈恵病院を設立。病院の運営を移管。理事長就任 2007年 「こうのとりのゆりかご」設立。運営開始 2011年 病院長兼務 |
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北大路書房 |
<赤ちゃんポストに関する記事> ---------------------------------
●<赤ちゃんポスト>7年間に受け入れ101人 11人に障害 2014年 9月26日
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140926-00000143-mai-soci
「赤ちゃんポスト(こうのとりのゆりかご)」の運用を検証する市の専門部会は,2007年5月の運用開始から約7年間に受け入れた101人のうち約1割に あたる11人に何らかの障害があることを明らかにした。専門部会が幸山政史市長に提出した検証報告書は,障害が預け入れの理由かは不明としながらも「新た な課題となる懸念がある」としている。
●熊本・慈恵病院赤ちゃんポスト受け入れの1割は障害児 2014.9.27 07:04
http://sankei.jp.msn.com/region/news/140927/kmt14092707040001-n1.htm
慈恵病院(熊本市)の「こうのとりのゆりかご」(赤ちゃんポスト)に平成19年5月の運用開始から約7年間に預けられた計101人のうち,約1割の11人が何らかの障害を抱えている
●<赤ちゃんポスト>7年間に受け入れ101人 11人に障害 2014年9月26日
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140926-00000143-mai-soci
「赤ちゃんポスト(こうのとりのゆりかご)」の運用を検証する市の専門部会は,2007年5月の運用開始から約7年間に受け入れた101人のうち約1割に あたる11人に何らかの障害があることを明らかにした。専門部会が幸山政史市長に提出した検証報告書は,障害が預け入れの理由かは不明としながらも「新た な課題となる懸念がある」としている。
●ゆりかご検証報告書「匿名再検討を」 2014.9.27
http://www3.nhk.or.jp/lnews/kumamoto/5004528911.html?t=1411786960124
「病院が匿名性を絶対視することは,子どもの人権上問題があると認識している。あくまでも子どもは親を知る権利があり,それをなんらかの形で担保できる仕組みがを考えていかないといけない」。
●慈恵病院は「匿名は必要」 2014.9.27
http://www3.nhk.or.jp/lnews/kumamoto/5004865681.html?t=1411789496035
報告書を受けて「赤ちゃんポスト」を運用している熊本市西区の慈恵病院の蓮田太二理事長と蓮田健産婦人科部長が会見した。
報 告書の中で,「匿名での預け入れを貫くことは容認できない」と指摘されたことに対して、「妊娠を隠し通したいという母親は多く,赤ちゃんを捨てたり殺した りする最終手段にでる前に,赤ちゃんを守らねばならない。実の親を知る権利を全ケースで保障するのは難しい」と匿名の預け入れに理解を求めた。
●熊本・慈恵病院赤ちゃんポスト受け入れの1割は障害児 2014.9.27 07:04
http://sankei.jp.msn.com/region/news/140927/kmt14092707040001-n1.htm
慈恵病院(熊本市)の「こうのとりのゆりかご」(赤ちゃんポスト)に平成19年5月の運用開始から約7年間に預けられた計101人のうち,約1割の11人が何らかの障害を抱えている
●赤ちゃんポスト:6人が身元不明 「成長に影響」「まず命を」 関係者の声 2014年05月23日
http://mainichi.jp/area/kumamoto/news/20140523ddlk43100647000c.html
熊本市西区の慈恵病院が設置する「赤ちゃんポスト(こうのとりのゆりかご)」の2013年度利用状況が発表された22日,預けられた子供が9人と低迷を続ける一方,6人の身元が不明だった結果に関係者からはさまざまな意見が聞かれた。
●赤ちゃんポスト:「預かった子ども幸せに」 慈恵病院理事長が講演 ゆりかご経緯など紹介 2014年05月12日
「こうのとりのゆりかご(赤ちゃんポスト)」を運営する熊本市の慈恵病院の蓮田太二理事長が,「乳児の養護と幸せを考える~託された命を護(まも)り育む,想(おも)いとかたち~」と題して講演した。
http://mainichi.jp/area/kumamoto/news/20140512ddlk43100333000c.html
●子供置き去り667件 10~12年度、育児放棄など 2014/7/1
http://www.nikkei.com/article/DGXNZO73598670R00C14A7CR0000/
親が育児放棄(ネグレクト)し,自宅などに子供を置き去りにしたケースが2010~12年度の3年間に全国で計667件あったことが分かった。田村憲久厚生労働相が同日の閣議後の記者会見で明らかにした。
●子供遺棄・置き去り:891人 過去5年、2歳以下4割−−毎日新聞調査 2014年08月16日
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140926-00000143-mai-soci
今年3月までの過去5年間で路上などに遺棄されたり自宅などに置き去りにされたりして,全国の児童相談所(児相)が対応に当たった子供が891人だった。
●子供遺棄・置き去り:心の傷今も深く 「親なんていない方が…」 2014年08月16日
http://mainichi.jp/shimen/news/20140816dde041040016000c.html
へその緒のついた女児が店内トイレのごみ箱から見つかった千葉市内のコンビニ店。救命にあたった医師は「こんなことが繰り返されてはならない」と力を込める
●女の生きる価値とは? 大阪二児置き去り死事件を追ったルポライターが語るシングルマザーの貧困と孤立 2014年03月09日
http://www.huffingtonpost.jp/wotopi/post_7055_b_4928631.html
2010 年夏,大阪のマンションで3歳の女児と1歳9ヶ月の男児の遺体が発見された。子どもを置き去りにしたとして逮捕されたのは23歳の母親。逮捕直後の報道で は母親が風俗嬢として働いていたこと,子どもを放置しながらSNSでは遊びまわる様子を投稿していたことなどが報じられた。
長野県上田市にまい降りたコウノトリ ・ 撮影 安藤和義氏