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「どう変わるのかを考え,現在は何をするべきかを考える」-鈴木敏文氏の提言

2019-10-14 10:56:05 | 「身の程」人生


「どう変わるのかを考え,現在は何をするべきかを考える」-鈴木敏文氏の提言
    source:日刊工業新聞 2019年4月10日  https://newswitch.jp/p/19594

 日本の流通業界に数々の革命を起こしたセブン&アイ・ホールディングスの鈴木敏文名誉顧問は,日刊工業新聞(2019年4月10日)で「変化はネットで終わりじゃない」として,「世の中は更に変わる。どう変わるのかを考え、現在は何をするべきかを考えるといい」と,時代対応,革新の発想について次のように語っている。


-変化はネットで終わりじゃない

「新しいものを生み出さなければ、衰退するのは当たり前だ。従来のものは、いずれ全て成長が止まる。ただ、時代の変化に挑戦すれば、また状況は変わる。例えば、雑誌や新聞などの活字媒体はガタガタきて、今はネットと騒いでいるが、これで終わりではない。次に受け手がどう変わるか考え、そこに対する手を打つ。5-10年後、人工知能(AI)やITで世の中は更に変わる。どう変わるのかを考え、現在は何をするべきかを考えるといい」

 

-新しい発想を生むには何が必要ですか。
 「難しいことは考えてない。あれば便利だから工夫して実現した。現在のセブン銀行は、時間を気にせず現金を出し入れできたら喜ばれると思った。過去の成功や経験にとらわれると発想できない。プロはそうなりがちだ。『雨が降れば傘をさす』のと同じで、世の中が変わるのは当たり前。その変化を捉え、困り事を見つけ、常に挑戦する意欲を持つことが重要だ」

-若い世代に引き継いでほしいことは。
 「全ては挑戦だ。この山を越したら、次の山が見える。それを越そうと思って私はやってきた。誰かに頼まれたわけでも、命令されたわけでもない。これが生きがいだ。日本人の多くは、まねすることが勉強だと思っているが、まねでは二番手や三番手にしかなれない。皆が新しいことに挑戦すれば、日本はより豊かな国になる」。

 

さらばカリスマ セブン&アイ「鈴木」王国の終焉
希代のカリスマが情熱をかけて事業を立ち上げて最後に足下を掬われる。
鈴木会長ほどの人物を持ってしても有終の美を飾る難しさを感じた。
伊藤という社外取締役の存在も自身の存在理由が原動力になり、社会的損失をもたらす矛盾を感じた。
起業家、関係者、組織力学に興味をお持ちの方なら必読です。
日本経済新聞出版社

 

先を見て、何をすべきか考えよ 『さらばカリスマ セブン&アイ「鈴木」王国の終焉』p110
 いかに先を見て、何をするべきかを考えるのが経営者としての責任だと感じている。ヨーカ堂は過去にやったことが骨身に染みついている。でも独立運営店舗はやっと芽が出てきた。自分たちでやるんだという気持ちが出てきたということ。人に頼らない。人の話を聞いてやるのではない。それは全く役に立たないというのが私の信念である。

「絶対失敗する」の声を押し切る さらばカリスマ セブン&アイ「鈴木」王国の終焉』p193
 1980年代から金融業の研究を続けてきたイトーヨーカ堂グループ。1990年代半ばから、一気に進んだ金融制度改革「金融大改革(ビッグバン)」の異業種参入を認める規制緩和が鈴木の背中を押した。
 金融庁に提出した設立趣意書。鈴木が収益の桂に据えたのは手数料収入だった。コンビニの店内ATMの利用者が金融機関の口座から預金を引き出す際の手数料のことだ。普通の銀行が手掛ける融資業務などは一切行わない、決済専門の銀行だった。狙いはあくまで消費者の利便性を高めること。そして24時間預金の引き出しができるATMを店内に置き、集客力に磨きをかけることだった。

 

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