去年は台風で電線が倒れ、停電と断水が4日間続く…という事があったので、今年は念入りな準備をしているのり丸じゃ。
現在、エアコンは27度(24時間フル稼働)に設定してある。
直射日光が差し込むこの家の中は、エアコンをつけていないと38度になることもあるからじゃ。
ウチが来た当初、のり丸はキッチンや寝室には猫を入れないつもりだった。
しかし、のり丸の留守中に停電やエアコンの故障などが起こると部屋の温度が上昇して、ウチが熱中症になる可能性もある…。
なので、いざという時は猫が本能的に「風が通る場所」「ひんやりした床」を探り当てられるように、すべての部屋を開放したのじゃ。
今、ウチはこの3LDKを自由に動けるからラッキーなのかもしれんの。
家中をウロチョロするウチを、今更のり丸には止める手立てはない。
ウチはドア、引き戸、引き出しの開け方などをすべてマスターしとる。
だからウチはどこでも開けて入り、すべての配置を把握しとるんじゃ。
台風の日は、窓が全部閉まっているから特に鬱憤がたまる。
ウチは好奇心旺盛で、運動が大好きな…つまり若いエネルギーを持った猫じゃ。
人間の子供だって、楽しいものがない部屋に閉じ込められたら、落書きしたり悪戯したり、なんらかの発散をするじゃろ。
若いエネルギーは未知のもの、新しい冒険に向かうようにできている。
だからエネルギーは閉じ込められると圧縮し、火山のように噴出することがあるのじゃ。
【悪い顔しているって?クローゼットのドアを開けるのは簡単じゃ】
【堂々と入っていくウチ】
【そして、のり丸が一番やめてほしいことをする】
【高速で足でカカカカッと蹴っている】
【クワーッ】
【ウチの眉毛がりりしい】
【大好きな風呂場で遊ぶ】
【だいぶ発散できた】
【ワニのような受け口になっている】
【最近は隣のお婆さんが通っても、窓際から逃げなくなった】
【今日は暗い川だったの】
ウチはいつもこの川を眺めている。
川から何が流れてくるのだろう。
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人間は二つの翼を持っていた
四つの顔を持つ者もいた
一つの体に男と女それぞれ二つの顔を持つ者もいた
馬の足を持つ者も
犬の頭に魚の尾びれを持つ者も
つまりあらゆる動物が混じり合っていたのだ
全て川から流れてきたものだ
(バビロンのベルス寺院にて発見された石盤より/A.セルカン訳)
※「宇宙エレベーター」より。筆者のアニリール・セルカンは訳ありだが、この本自体は面白い。
じゃあ、またの。