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梗概小説/兄妹の秘密-夢幻-:Vol.018 牧師からの導き

2013-06-14 17:31:06 | 梗概/兄妹の秘密
母からは、聖子の兄は病死と聞かされるが、聖子は自殺をしたのではないかと思った。
聖子の兄、銀河(あきら)の絵には血の匂いがする、凝固材の代わりに銀河自身の血液を使い描いたもの、あんなにも荒々しい銀河の絵画はなかった。
聖子は母に対し、嘘で固められた偽りと裏切り、恋おしいものを失い憎悪と殺意が満ち、画材置きのテーブルの上にあるナイフを手にした。
母は聖子がナイフを持った時、脅える事もなく聖子の殺意を知りながら、母は殺される覚悟を決めていた。
その時、ミシェル夫人は兄銀河の素顔を話し始め、ナポリにある銀河の墓の場所を聖子に教える。

これから歩く先には、もう一つの銀河の墓がある事を知る聖子。
この兄銀河の二つの墓の意味とは何か?

聖子は実の母への殺意を持ちながら、ミシェル夫人に教えられた墓地へと向かった。
その墓地は教会の牧師に管理され、木々に囲まれ自然の中にあり、亡き魂を天国へ導くような墓地であった。
聖子は牧師に声をかけ銀河の墓の場所を聞き、牧師に案内されながら牧師は聖子に銀河の話をする。
「世の裏の世界でしか生きて行けない事もある」
牧師の話を聞く聖子の気持ちは、悲しみに包まれながらも安らかさを持ち、母への殺意は消えていく。
銀河の墓の前には花束が毎日交換され、常に新しい花束が置かれている事に疑問もつ聖子だが。
「兄さん、安らかに、お眠りください」
聖子は心の中で祈りを奉げ、これから自分はどう生きるべきかを考えるようになる。
これまで両親のレールの上でしか生きていけなかった自分を嫌になる聖子。
「牧師さん、私はこれからどう生きて行けばいいのですか?」
牧師は、しばらく無言で聖子の涙する瞳を見つめ、そして。
神からの祝福と導きによって聖子の生き方は決められると導き、聖子の傍から離れていく。
この日、聖子の懐中時計の秒針は止まり、右回りの時計の歯車は左回りの反時計回りする事になる。
聖子は一度日本へ戻り、自らの身の回りの整理をし、数千万円の資金を持ちイタリアのローマへ行き、その後の消息は解らなくなった。

ローマへ行着くと、日本円で一日二千円程の小さな宿に泊まり、これからの人生を考え始める。
聖子はイタリアの南方へ下る事は出来なかった。
ナポリへ行けば、また同じ思いを抱くに違いない、母への憎しみと殺意に捉われてしまうと考えるようになっていた。
牧師の言葉を思いだす聖子であったが、自らが歩き始めなければ神の祝福も導きもないと思い、イタリアの上方へ向かう事にした。
まず最初に泊まった地はテルニ、ドルーニャを越えてフィレンチェに泊まった。
このフィレンチェには古美術商人達との出会いがあり、イタリア商人達の情報を得る事が出来た。
次に向かった先はミラノで、この街の現代ではファッションというものが中心に動いていた。
イタリア最後に泊まったのはトリノで、この街では表向きは静かな住み心地は良いが、古美術商人達は裏の顔を持ちながら商売をしていた。

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