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「 梗 概 」 恋愛小説 白いYシャツと青いTシャツ 第12話

2012-02-06 09:02:18 | 梗概/白いYシャツと青いTシャツ

朝日が昇りはじめたとき、二人は神宮前でしゃがんでいた。

陽が昇るのを哲也と香織は見ながら、

手をつないだまま、香織は笑いながら左手で目を拭いていた。

哲也は、いつもどおり何も考えず、ボーットしながらすわっていた。

香織は何かを考えながら、日が昇るのをみていたと思う。

哲也はなさけないくらい、言葉に詰まってた。

香織は、下向きになり、じっと道路をみていた。

数時間、この状態が続いた。

お互いに会話などなくなった。

スナックでの状態と一緒だと思った。

ただ、違う事は、香織は哲也の手を握っていたことだ。

軽く握られていた手を哲也は強く握りしめた。

香織は顔を上げて哲也を見てる。


「これでいいだろ」


哲也は声をかけると、香織は深い深呼吸を何度かして、寄り添ってきた。


「私達ってなんなんだろうね、知り逢って、これからどうなるんだろう」


香織のこの言葉で、哲也は、いたためられないものを感じた。

お互い立ち上がり、ここにいたら前へ進めないよと哲也は言った。

彼女に見送られながら電車に乗った。

哲也は、原宿駅から電車に乗って家に向かった。

電車の中で哲也は涙が、抑えきれなかった。


「僕は香織は、いったい何なんだ」


哲也は、そう思いながら、

都会の空を見上げていると、夢や希望ばかりが、一人よがり。


香織に夢を与えてくれるが、はかない夢になるかもしれない。

もし、神様が本当にいるのなら、香織を幸せにして欲しい。

相手が僕でなくてもいい、別の誰でもいいから、

香織に幸せを感じさせて欲しい。

夢など希望などなくてもいいから、ただ平凡でもいい、

香織の心を満たして欲しい。

夢に惑わされて一人にしないで欲しい。

そう願わずに入られなかった。


家に戻った哲也は、そのまま、眠る事ができなかった。

その日の夜遅くに、香織からの電話があった。


「仕事みつかったよ」


その後、哲也も専門学校の後期に入り、何かと忙しくなり、

哲也と香織は、しばらく逢わなくなった。

そして、電話の鳴る音もなくなった。




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