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「 梗 概 」 恋愛小説 白いYシャツと青いTシャツ 第9話

2012-02-04 10:35:21 | 梗概/白いYシャツと青いTシャツ

「ねえ、哲也、できたんでしょ、オーダー料金3000円ね」

「どうしてわかったの?」

「哲也、哲也はいつも青なんだね」

「そうみたいだよ、どうやら青が好きみたい」


香織の姿をみると、いつもと同じ、

白のYシャツとジーンズ、スニーカー、なのにいつもと違う感じがした。


「待っててくれたんでしょ、眠そうだし、お酒の匂いしないし」


香織はいつも、哲也のことみててくれたんだ。


「哲也、今日は帰れ、学校の課題もあるんだろ、

  一睡もしてないと良いものも描けないぞ、あとは大丈夫だから」


店長と他の店員さんに言われ、店を離れた。

違ったところは、香織が来ても店員さんも笑顔で挨拶を交わしていて、

どうやら「クレーマー」のニックネームはなくなっていたようだ。


「哲也、遊ぼうよ」


二人で歩いていく、

新宿の街を歩きながら前へ前へと歩き日比谷公園にたどりついた。


「これでいいのかなー」

哲也は香織に2連リングを渡したのだが、つまらない顔をしながら返された。


「指輪、指にはめてくれないの?」

哲也に言われても、困ったしぐさをする哲也のことを見て香織は大笑いした。


「ねえ、私達ってどんな関係なんだろうね」

哲也は、からかってるのか?と思った。

しょうがなく、出された指に指輪をはめた。

よく考えると、なれなれしくなってきたなって思うようになってきた。

香織と会うときは、彼女のペースで、その日を過ごした。

二人でベンチに座り、お互いのことを話した。

香織は両親には育てられず、施設で育ち、

両親の愛情なんて知らない、何も知りたくもない、

周り全ての人間が面白くないという。


「幸せって言葉、大嫌い!」

哲也の小さい頃は両親と弟と暮らしてきたが、

考えてみると「愛情?」感じたことなかった。


あまりにも自由すぎて、この自由が僕にとって両親の愛情だったのかな。


「哲也と会うと気分が変るんだよね、いつも変らず、会いたいときに、
 
  そこにはいつも哲也がいるような、そんな気がするの、おかしい?」




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