Sho's-Blog/PoemStory/illust

MessagePoem/LoveStory/youngStory/SFfantasyStory/illust

「 梗 概 」 恋愛小説 白いYシャツと青いTシャツ 第8話

2012-02-04 09:30:53 | 梗概/白いYシャツと青いTシャツ

傘で顔は見えなかったが、香織の姿を映し出した時、

何故だろうか、心地よく包まれているような気がした。


「できた、描けた、よっしゃー」


最終授業をボイコットして、アルバイトの店へと向かった。

店長に頼み込んで、店裏の工具などを借りた。

使った事ない機具でも、使ってる姿を見てたから、大体わかる。

これだけは、哲也一人で作りたかった。

香織は一つのチャンスをくれたんだと思った。

ワクワクしながら、失敗しながら、指にけがをしながら、


「失敗は成功の元だ」


と小言をいいながら、一人、アクセサリー作りに没頭した。

今日は金曜日、明日は土曜日、香織が来る日だ。

きっと必ず来ると思いながら、夜を明かした。

何度失敗した事か、店長に叱られるかと思ったが、

店長は特に何も言わず、だいぶ費やしたなって言われただけだった。


「眠い、眠い、眠い」


朝、午前:9時、店員さん達によって店が開かれた。

哲也がデザインしたものは、金銀メッキのユリの花をかたどった、

制作日とイニシャルを刻んだ2連リング(from-T)であった。


哲也は小さい時から、

ユリの花を観て香りを嗅いでいたせいか、とても好きな花だった。

ぼんやりしていると、

陽の灯を背にした、香織がこっちへ向かってくる気がしてきた。

店の入り口に目を向けると、香織の姿があった。

香織は、他の店員さんにも挨拶を交わしながら、

哲也のいる方を向いて真っすぐに歩いて来る。

香織は、哲也の正面に立ち、


「哲也、できたんでしょ、それとも飲みすぎたの?」

「え? なんで?」

「顔色悪いし、眠そうだし、瞼重そうだし」

「ん・・・」



哲也は、こんな綺麗な人と出逢えていたんだと、

香織の微笑みは天使のように、輝きさえ覚えた。




にほんブログ村こちらも^out_point^ポチと



最新の画像もっと見る

コメントを投稿