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「 梗 概 」 恋愛小説 白いYシャツと青いTシャツ 第14話

2012-02-06 15:39:28 | 梗概/白いYシャツと青いTシャツ

面接はなく、名刺に書かれた名前の人からの紹介で、

哲也を探したというのだ。

名刺に書かれた名前をみると、全く知らない人物であった。

あるプロダクションのマネージャーで、

ある企業で適した人財を探していたところ、

哲也の名前があがったというのだ。

哲也は、この際、どうでも良いかと思い、

社会の流れにのり、2日後からの出社となった。

会社に出社して哲也は驚いたことがあった。

高校生の時、デザイン事務所でアルバイトしていた時の人達がいたのだ。


「やあ、元気してた?」

「また、一緒に仕事が出来て嬉しいよ」


哲也に、笑顔で声をかけてくる。


「どうしてここに、みんながいるんですか?」


哲也は、不思議に思いきいてみた。

当時の事務所は、ある企業と合併し、新会社設立になったという。


「お前さんをしたっていた人がいてね、探すのに苦労してたらしいよ」

「そうそう、もう一緒に仕事は出来なくなったけどね」


哲也はいったい誰が、自分の事を探してたのだろうと思った。

「相変わらずだね、その格好は、昔と変わらないんだな。」

初日から、いつも通りのスタイルで、そう、

青色のシャツにジーンズ、スニーカーの姿である。

出社すると、そのスタイルに対しては何も触れられなく、

そこでは、広告、企画、宣伝、出版などの仕事で、

まぁーそれなりにこなしていった。

一年が過ぎると、もう一人前にみられ、

企画、撮影、プレゼンなどの仕事をしていた。

そんな時に、香織に再会した。

哲也がこの会社に勤めている事を知っていたのだ。

何かと色々あったが、哲也がここにいるのは、

香織が所属するプロダクションの、

マネージャーの紹介であったということである。

日程表をみると、その日は撮影の仕事で、

香織の所属するプロダクションのモデルの撮影であった。


哲也は目を疑った。

目の前にいるのあの香織の姿である。

ただ、呆然としていたところ、マネージャーから声をかけられた。

あの彼女とは、どういう関係かとね。

哲也は答えることができなかった。


「あの時と一緒だ」

アクセサリー店のバイトで、香織のオーダーで、

やってみたかった、アクセサリ制作、香織はチャンスをくれた。


今回の就職は、

香織が、またチャンスを与えてくれたのだと思った。


数ヵ月後、香織は、プロダクションを辞め、結婚したという。

哲也は、香織と占い師に会い、朝まで一緒だった事を思い出す。

一夜を歩き回り、二人で陽の出を見た後の帰りの電車の中。

哲也は、あの時のように幸せを願い、祈った。


その後の哲也は妻子を持った。

妻は、哲也の思い出の半分を共有してくれた。

もし、香織と出逢っていなければ、

こんな幸せの生活はなかったと思う哲也だった。




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