まるこの「時事和訳ブログ」

英文記事を訳したり雑感を書いたりします
まるこの「写真ブログ」にもどうぞ
@リンク先へはブックマークからどうぞ

原発再稼働に関する地域の提案は注目の価値がある・・・ 朝日新聞

2012-04-27 | Weblog

 関西電力が経営する大飯原発の閉鎖されている2基の原子炉を再稼働する政府の計画に対して国民に強い感情があることが最近の朝日新聞の世論調査で分かりました。

原子炉のある福井県でさえ40%が計画に反対と答えました。関西電力の電気を使っている近畿地方の6県で、半分以上の人が再稼働に反対でした。その中のほぼ80%は、電力消費を減らし、もし必要なら夏の電力不足のために計画停電を受け入れると答えました。

さらに、福井県や近畿地方の回答者の大半が原子炉の再稼働をさせる決定は県よりも地域住民の同意が得られるべきだと言いました。県内の回答者の60%以上も原子炉再稼働決定の基準として使われている安全基準を信用しないと答えました。

調査の結果、多くの人が原子炉再稼働に対する政府の動きを支持していないことがわかりました。

政府が人々の意見に答えて計画を修正する柔軟さを示すことなく地方の自治体の合意を得ようとし続けても原子炉を再稼働させる政府の計画は失敗するでしょう。野田政権は地域住民や自治体の中で原子炉の安全性について強い不安があるという現実に向き合う必要があります。

今週いくつかの関連する動きがあります。経済産業大臣は、4月23日に地方政府の原子炉再稼働の支持を取り付けるために滋賀県と京都府に副大臣を送りました。橋下大阪市長と松井大阪県知事は4月24日に藤村官房長官に会う予定です。26日には関西連合政府を形成している7件の知事が会合を行います。

大阪府と大阪市は原発再稼働のための8条件を提案しています。京都府知事と滋賀県知事は共同で再稼働に関して7条件を提案しました。

彼らは、政府に間に合わせの手段でも原子炉の安全を確実にすると信じている理由を述べ、日本の原発依存を終わらせるためのロードマップを描くことを要求しています。また、政府が電力の需給の見積もりを出し、独立した専門委員会によって施設の検証・評価がなされることを要求しました。その大半は政府の原発計画についての人々の不安を反映しています。

二組の共通した質問に、政府は恒久的な安全手段が取られる前に何故再稼働を急ぐのか、電力の供給を十分に満たすために再稼働がいかに必要かというものがあります。

福島第一原発の事故は、原子力発電の安全神話を突き崩し、原子力の安全基準と規制を揺るがしました。原発災害が引き起こした恐ろしい結果を解決することによって原子力発電に代わる実行可能な未来の方法を確定し、原子炉の安全基準だけでなく迅速に新たな安全手段を講ずることによって国民の信用を得ることが必要不可欠です。

政府はこの経験を肝に銘じ関西電力が電気を提供している地域の住民や自治体の提案を真剣に考慮すべきです。

国内の電気の需給の見積もりを客観的に見直すことを目的に作られた政府の委員会は4月23日に初めての会合を開きました。この夏は電力不足がどれくらいになるのか?危機を乗り切るために企業や家庭はどれ位電力消費を減らさなければならないか?委員会がこのような疑問に関する情報を十分開示し、徹底的な議論を通して幅広い選択肢を提案することを期待します。

それでも、世論調査によれば、夏までに原発の安全性への国民の信用を取り戻すのは非常に困難だろうということがわかります。政府は、国民の生活や経済状況への影響を最小限にするために節電や他の効果的な方法を推進することによって、夏場に原発を稼働させない可能性の方向により努力することがもっと懸命でしょう。

          *************

朝日新聞4月24日の社説の英語版を訳しました。同じテーマでも読売新聞とは対照的に原発再稼働は早過ぎると指摘しています。読売は一刻も早く再稼働すべきとしています。両方の考え方を知ると、どちらにも一理ありおもしろいですね。