働き方改革関連法ノート

労働政策審議会(厚生労働大臣諮問機関)や厚生労働省労働基準局などが開催する検討会の資料・議事録に関する雑記帳

電通過労死(過労自殺)と時間外労働時間過少申告

2016年12月29日 | メンタルヘルス
報道(朝日新聞)によると、厚生労働省・東京労働局は「広告大手の電通と幹部社員1人を、社員に違法な長時間労働をさせた労働基準法違反の疑いで書類送検した」とのことで、この幹部は昨年クリスマスに過労死(過労自殺)した高橋まつりさんの直属の上司になります。 朝日新聞の取材によると、「(労使が結んだ時間外労働時間の)上限の範囲内に収まるように労働時間を過少申告させた」ということですが、時間外労働時間の過少 . . . 本文を読む

労働組合法が禁止する不当労働行為とは

2016年12月29日 | 労働相談ノート
不当労働行為とは「不当に労働組合に敵対する行為」のことです。つまり、労働組合(合同労組やユニオンや上部団体)活動に対する使用者(経営者)からの不当な圧力や攻撃が加えられることで、「組合つぶし」とも言い得る行為のことです。この使用者(経営者)の不当労働行為は「してはならない行為」として、次のように労働組合法第7条で禁止しています。 1 不利益取扱 労働組合員であること、労働組合を結成しようとした . . . 本文を読む

「過労死等ゼロ」緊急対策のポイント

2016年12月27日 | メンタルヘルス
厚生労働省は2016年12月26日、「過労死等ゼロ」緊急対策を公表しました。「過労死等ゼロ」緊急対策では、違法な長時間労働を許さない取組の強化、メンタルヘルス・パワハラ防止対策のための取組の強化、社会全体で過労死等ゼロを目指す取組の強化を図ることとしています。 「過労死等ゼロ」緊急対策のポイント 1 違法な長時間労働を許さない取組の強化 (1) 新ガイドラインによる労働時間の適正把握の徹底 企 . . . 本文を読む

労働相談 東京(行政機関)

2016年12月27日 | 労働相談ノート
労働相談とは、企業、病院・クリニックなどの医療機関、介護施設などの社会福祉法人で勤務する社員・職員など労働者(働く人)側から解雇・退職強要・有期契約の更新拒否(雇止め)・ハラスメント問題・過労うつ等のメンタルヘルス問題といった労働トラブル・職場トラブルの解決のアドバイスおよびサポートをすることです。 このように労働相談は原則としては労働者側の労働相談になります。経営側の相談を行うケースもあります . . . 本文を読む

労働組合(ユニオン)団体交渉とは

2016年12月26日 | 労働相談ノート
団体交渉(団交)とは、労働組合が労働条件の基準や労使関係事項(団体交渉のルール、就業時間中の組合活動のあり方等、使用者と労働組合の関係に関する事項)などについての取り決めをするために労使が話し合うことです。 こうした労働組合が団体交渉を行う権利は、憲法が保障し、労働組合法は、これを受けて労働組合の代表者、あるいは委任を受けた者が使用者と団体交渉をする権利があると定めています。 労働組合が結成さ . . . 本文を読む

労働基準監督署の指導票と是正勧告書

2016年12月25日 | 労働相談ノート
労働基準監督署の調査(臨検)が行われ、法令違反がある場合、また法令違反になる恐れがある場合には監督官は指導票、是正勧告書を交付します。 指導票は、法令違反にはならないが、より改善した方が良いと思われる事実が発見した場合や法令違反になる可能性がある場合にそれを未然に防止するという意味で交付されます。 この指導票に記載された指導に必ずしも従う必要はないのですが、できるだけ改善することが望ましいでし . . . 本文を読む

労働基準監督署の調査(臨検)とは

2016年12月25日 | 労働相談ノート
労働基準監督署の監督官が労働基準法等の違反の有無を調査するため事業場に立ち入ることを「臨検」といいます。 この監督官の臨検は労働基準法第101条の中で労働基準監督官の権限として規定されていますので、これを拒んだり、忌避したり、陳述しなかったり、または虚偽の陳述をしたり、もしくは帳簿書類を提出しなかったり、または虚偽の記載をした帳簿書類を提出した者は、30万円以下の罰金に処せられます。 労働基準 . . . 本文を読む

電通 過労死から一年となるクリスマス

2016年12月24日 | 労働相談ノート
クリスマスの大きな喜びは、聖書(ルカ福音書)によると、寝ずの番をしていた羊飼いたちへ一番最初に伝えられたそうです。 羊飼いたちと言えば、自分たちからすると牧歌的なイメージが強くありますが、羊は迷いやすい動物なので、羊飼いたちは一晩中寝ないで番をしないといけない仕事であって、過酷な職業であったと言えます。 今の社会でいえば、羊飼いたちは深夜の地下鉄や高速道路工事の労働者、または24時間営業のコン . . . 本文を読む

ストレスチェック集団分析が義務にならなかった経緯

2016年12月24日 | メンタルヘルス
現行のストレスチェック制度については(受検者が正直に質問に回答しているとすれば)社員や職員のメンタルヘルス不調の発見に少しは貢献するかもしれません。 しかし、職場改善の前提となる集団的分析(集団分析)が努力義務(努力義務とは無理して実施しなくてもいいですという意味?)となり、集団分析に消極的な企業が多い現状ではストレスチェック制度がメンタルヘルス対策としての実効性を担保していません。 ですから . . . 本文を読む

精神障害(精神疾患)の労災認定

2016年12月23日 | メンタルヘルス
精神障害(精神疾患)の労災認定は、心理的負荷による精神障害の認定基準(基発1226第1号・平成23 年12月26 日)によって判断されます。認定基準における業務起因性の判断要件は、次のように規定されています。  1 対象疾病を発病していること  2 対象疾病の発病前おおむね6か月の間に、業務による強い心理的負荷が認められること  3 業務以外の心理的負荷および個体側要因により対象疾病を発病したとは . . . 本文を読む