高齢期の備え

高齢期の備えを考えます

高齢期の住まい方を考える(15)「入浴」

2015年09月08日 | 老後と住まい
入浴はくつろぎの一時であると同時に、滑って転倒したり温かいところから寒いところに来て脳卒中を起こしたりして「危険」な行為でもあります。そこで、介助があっても自宅の浴槽に入れない場合やデイサービスを利用できない場合は、要支援や要介護の認定を受けた人に限るのですが、介護保険サービスの「訪問入浴サービス」を利用する方法があります。
ある事業者のホームページによると、専門のスタッフ3名が専用入浴車で浴槽を自宅に持ち込んで入浴サービスを行います。時間は約40分(準備15分、入浴10分、片付け10分)となっています。料金は1回につき千円~千五百円程度です。
このサービスでは浴槽の設置と介助・介護のため3畳程度の広さを確保する必要があります。また、どうしても水がはねますので、後の始末も考えておく必要があると思います。
たとえば浴槽を取り換えないと入浴ができないが家の間取りや費用の関係で家の改修ができない場合には訪問入浴サービスの利用も検討したらどうでしょうか。
(投稿者のURL 「老後と住まい」http://www.rougotosumai.com/ )

高齢期の住まい方を考える(14)「入浴」

2015年09月07日 | 老後と住まい
(続き)浴室に入るときに、洗い場にマットを引いている場合がありますが、マット自体が滑ると転倒の原因になります。マットを使う場合は滑りにくいものを使うことが非常に大切です。次に体を洗うことになりますが、高齢の場合、姿勢を保つために椅子(シャワーチェア)を使うことも考えてみたらどうでしょうか。椅子は背もたれが付いていると後ろにひっくり返ることの心配が減ります。肘掛けがついてものもありますが座るときに邪魔になることも考えられますので事前に確認したほうがよいでしょう。また椅子を使うと床に置いた風呂桶が遠くなりますから台が必要になる場合もあります。体を洗うときの立ち座りを助けるには手すりが役に立ちます。手すりを兼ねたシャワースライドバーがあります。浴室の改修時に設置されたらどうでしょうか。
浴槽に入る時には、手すりが助けになります。また、浴槽の横に移乗台を取り付け一旦腰かけて浴槽に移る方法もあります。その場合も手すりがあった方が良いでしょう。
浴槽は8月2日の記事にも書きましたが、和洋折衷型が望まれます。洋式だと体が伸びてしまい姿勢保持が難しくなります。また洗い場から浴槽縁までの高さは40cm程度がよいとされています。浴室の改修の際には是非とも検討されることをお勧めします。
また、浴槽内の姿勢を保つために、浴槽内の椅子や浴槽内での滑りを防ぐための滑り止めマットなども役立ちます。
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高齢期の住まい方を考える(13)「入浴」

2015年09月06日 | 老後と住まい
入浴は普段の生活の中では、複雑で危険の多い動作です。入浴は、浴室に行き、服を脱ぎ、浴室の戸を開け、浴室に入り、体を洗い、浴槽に入り、温まり、浴槽から出て、戸を開け、浴室から出て、体を拭き、服を着て、寝室などに戻る、という一連の動きです。服の着脱も体が硬くなって思うに任せないことも多くなります。また、脱衣や浴室に入る際には、特に冬には、服を脱いだ状態では体が冷えて血圧が上がり脳卒中などを起こす危険性があります。東京都健康長寿医療センターの推計によると1年間に1万4千人の人がお風呂の温度差によって亡くなっているとされています。
浴室の戸がドアの場合、脱衣場のスペースを無駄にしないよう内開きが多いですが、浴室内で倒れた場合救出が難しくなるという危険性があります。できれば、開き戸にすると良いと思います。また浴室の戸の場所には浴室からの水が出ないように10cm位の段差があります。この段差を降りる際に体のバランスを崩しやすく転倒の危険性があります。さらに浴室の洗い場の床が濡れていると滑りやすく、転倒の危険性があります。ドアがガラスでできている場合は、万一、転倒してドアにぶつかってガラスが割れると頭を切るなどの大怪我につながります。もし、浴室の戸がガラスならば、できるだけ早くアクリルなどを使ったドアに変更することをお勧めします。もちろん、その際、開き戸に改修する余裕があれば、開き戸にすることに越したことはありません。(続く)
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高齢期の住まい方を考える(12)「独り暮らし(8)緊急連絡」

2015年09月05日 | 老後と住まい
緊急時の連絡は一人暮らしの高齢者にとって非常に大きな問題です。通報する器具はいくらでもありますが、問題は誰に連絡するかです。近くに子供や親せきが住んでいて、かつ連絡を受ければ直ちに駆けつけてくれる状況にあれば良いのですが、親戚自身がむしろ駆けつけて欲しいという状態の場合もあります。投稿者の母親が一人暮らしをしていますが近所の人も一人暮らしが多く、かつ、駆けつけて欲しい側ですので、ご近所に駆けつけをお願いできる状況ではありません。
住んでいる自治体でも緊急連絡を受け付けてくれることにはなっていますが、取りあえず駆けつけてもらえる人を3人登録することになっていて3人を見つけることが難しく、実態として自治体のシステムが上手く機能しているとは思えません。
また、緊急通報と言っても高齢者にとって通報すべき状況なのか迷いもあるでしょうし、通報できなくなってしまっている状況も考えられます。
最近は、ICT技術を利用した遠隔での見守りシステムも沢山ありますので、その利用を考えてみたいと思っています。
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高齢期の住まい方を考える(11)「独り暮らし(7)衣食住」

2015年09月04日 | 老後と住まい
(続き)トイレで用を足した後、清拭をするわけですが、手の場合手を後ろに回したりする際支障を感じることもあるでしょうから、シャワー付きのトイレが有用だと思います。ただ、感覚が鈍いとどこにお湯が当たっているのか分からないということも考えられますので、そんな時には医者、ケアマネ、理学療法士、作業療法士などの専門家と相談することが大切だと思います。便器の水を流す場合にはリモコンが便利です。若い頃はリモコンが無くても不便は感じませんが、リモコンを自分の使いやすい位置に取り付けておくと大変助かります。
次いで便器から立ち上がるわけですが、手すりがあると助かります。以前の記事にも書いたのですが、手すりの位置は身体機能の低下とともに適切な位置が変わります。手すりの取り付け位置を変えることを前提に取り付けのための下地を広くしておくことも大切です。また、便器からの立ち上がりを助ける福祉用具もありますので、手すりを使っても立ち上がりが難しいようであれば、その利用を検討したらどうでしょうか。
立上って衣服を元に戻す間の姿勢を保つためには手すりが役に立ちます。
トイレが間に合わなくて失敗をすることも考えられますので、床は滑りにくく掃除がしやすい材料にしておくこともお忘れなく。
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