川崎の話に気をとられて、随分遅くなってしまった気がします。
3月22日に建築家・丹下健三氏が他界しました。
強烈に主張していながら、どっぷり風景に溶け込んでしまう、カクカクした建築。
この人の作品にはいつもそんな印象を受けました。
東京カテドラル聖マリア大聖堂や代々木体育館(画像)といった、
あまりこの人らしくない60年代の作品は、結構好きなのでたまに観にいきます。
東京都庁が出来上がった時、
随分<偉そうな>ビルだなと思いながら見学に行きましたが、
展望台直通のエレベーターホールに並ぶ年配の観光客を中心にした沢山の人を見たとき
「妙に日本人が並んでることが似合っているビル」
そんな感じを受けました。
因みに初期の代表作、香川県の県庁舎屋は、
建物の幅いっぱいに設置された張り出し廊下によって、
日本の伝統建築と西洋建築を見事に融合したと言われますが、
それよりも10以上も前に、軍艦島の<報国寮>という建物では、
この技法が既に確立されていました。
恐るべし、軍艦島!