東京の晴海埠頭に残る廃線跡~晴海線~ですが、
そもそもこんな東京のど真ん中で、なぜこんなにも長い期間、
廃線跡が残存しているのかが不思議に思えてきます。
晴海埠頭の所有者別色分け地図をみると、その殆どが都有地になっているので、
都の港湾局に問い合わせてみると、
これらの土地を今のところ売却する予定はないということなので、
それが再開発の遅れている最大の原因かと思われます。
事実同じ晴海埠頭内でも、私有地である敷地は、
トリトンスクエア晴海をはじめ、いち早く再開発が完了しています。
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前回のblogで取り上げた雑木林をさらに埠頭の先の方へ進むと、
打ち捨てられた広いスペースが広がっています。
かつてバブル経済の頃、この地域を活性化しようと様々な施設が建設されました。
その中にはドーム21という多目的ホールもあり、
新宿梁山泊、第3エロチカ、維新派、大駱駝艦などのそうそうたる劇団が、
公演を行ったりもしていましたが、
現在では施設自体も撤去され、跡地転用されていた駐車場も閉鎖されています。
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画像中央に写るフェンスは、かつて日本水産があった広い敷地の囲いです。
手前からフェンスに向かって2本の草の線が見えますが、
これが日本水産の横を通過して埠頭の倉庫街へ延びていたレール跡です。
画像では見えませんが、現在でもアスファルトに埋もれて軌道が残存しています。
運河の方へ行くと、晴海線がしっかり書き込まれた案内板が今も残り、
付近には太平洋セメントの事務所跡や、もう使われなくなったバース跡など、
専用線に限らず、かなり<綻んだ殺風景>がいい感じで広がっています。
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まだドーム21が営業していた頃は、周囲の土地は殆どが駐車場として整備されていましたが、
その当時からある1箇所だけ、手が付けられていない場所がありました。
この
晴海線の特集の最初に取り上げた場所がそれです。
約30m四方のわずかな土地ですが、
そこだけまったくなんの手も加えられない状態で放置され、
植物も延び放題、ゴミも捨てられ放題の中に、
何本も軌道が並ぶヤード跡が残存しています。
最後にここを訪れたときは、枕木を組み合わせて積み上げ、
その上にトタンなどを載せて雨露をしのげるようにしたものがありました。
恐らく一時期人が住んでいたのでしょうが、
その時はもう使っている様子はありませんでした。
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