黒沢永紀オフィシャルブログ(旧・廃墟徒然草)

産業遺産と建築、廃墟、時空旅行、都市のほころびや不思議な景観、ノスタルジックな街角など、歴史的“感考”地を読み解く

風変わりな味のあるアパート

2007-06-04 04:31:50 | 建築
先日アップした都営上目黒アパートの帰りに、
代官山から渋谷へ抜けた途中、気になったものをアップしています。

風変わりな味のあるアパート、ジュネス順心。



道に面して突然のようについている扉。
わざわざ階段をつけて高い位置に設置し、
豪邸の車寄せのような雰囲気もある玄関。
どこを見ても、あまりみかけない造りです。
特に手前の、道に張り出した部分は、なんのスペースかわかりませんが、
そこだけ丸窓がつけられています。



窓枠は部屋の四角い窓も、この丸窓も、
全て白く塗られた木枠です。



丸窓を反対側からみると、赤く塗られた小さな煙突。
そしてその壁面にはたった一つだけの小さな窓。

玄関は玄関で、また細かい細工が随所に施されています。
モザイクはモザイクでも、これまた他ではあまり見かけない感じの並べ方で、
中央に色ガラスで作った花柄があしらわれた丸窓も目を惹きます。
梁柱も、ただの角柱ではなく、
角度をすこしづつ交互につけた三角形の削りをいれ、
さらにそこに斜めに幾筋かの線を彫り込む
(一番下の階段画像の右側の柱のような感じ)
といった懲りようです。



内部は内部で、狭いながら複雑な作りになっています。
特に玄関から見た時に、右も左も一番奥の部屋が見えず、
まだまだその先があるように感じさせ、
廊下に点灯する裸電球も、ケーブルの結び目とともにいい感じです。



特に目を惹く、中央に陣取った階段。
階段の上には靴箱が見えますが、二階は土禁のようです。



階段の左横に貼られた、レトロな感じのポスターは、
劇団俳小の『美しきも伝説』という公演のポスターですが、
去年の9月に上演されたもののようです。
建物内にその劇団の事務所があるのかと思いましたが、
そういうわけではなさそうで、
かわりに流星的演団という劇団の事務所が入っているようです。


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