緑香庵通信

三軒茶屋から世田谷線で6分・松陰神社前のアロマテラピーサロン。

心と身体

2008-04-17 10:00:00 | アロマテラピーとは
ラジオから耳にしたちょっと面白い話。
人工心臓の手術を受けて、初めて成功した人のエピソード。
術後、体は健康になったのだがひとつの変化に気がついた。
それは「感情が動かなくなった」ということ。

これはとても興味深い。
まさかこれで、「感情は心臓にあり」ということにはなりませんが、
少なくとも次のようなことは考えられそうです。
人工心臓は常に「よい状態」にコントロールされていて、
不必要に血流が変化したりすることはないと推測できます。
そういう状態では感情の動きを感じられないということは
反対に、人は血流の変化という生体の反応を
感情の動きとして感じる(ことがある)
ということでしょう。

感情の生まれる道筋を予想してみましょう。
ある刺激に対して脳の中で何らかの
感情の元(もと)というようなものがまず生まれ、
それによって身体の中で様々なことが発現する。
心拍や血流が変わったり、汗が出たり、体温が変化したり、
ある種のホルモンが出たりひっこんだり。
そういう身体の状態の動きも含めて、
人はその時の「感情」として認識する
のでしょう。

あるいは、時には身体の反応が先にあり、
それがある種の感情を作り出すこともあるかもしれません。
感情と生体の反応の関係は、因果の順番はさておき、
どうも密接なものがありそうです。

単純に「心と身体」「精神と肉体」と分けて考える時代は
もうさすがに終わりのようです。
どちらが優先でもない。「どちらも」であるし、
そもそも分けられるようなものではないということですね。

こうなると、脳の旧い部分(本能や感情、ホルモン、自律神経)
に直接届き刺激しながら、同時に、皮膚という、
人間の最大の臓器であり脳と密接に関わる部位に働きかける
アロマテラピー・トリートメントというものは、
その有用性がますます注目されるわけです。

単なる「リラックス」「癒し」と侮るなかれ。
心を含めた身体をまるごと扱うことのできる、
数少ない方法だと思います。