緑香庵通信

三軒茶屋から世田谷線で6分・松陰神社前のアロマテラピーサロン。

条件が変わると本質が見えてくる その2

2016-03-23 20:16:30 | アロマテラピーとは

前回の続きです。今日もかたいよ~。ご容赦。

 

さて、条件が変わった時、見落としがちだがとても大切なのは「施術者にとって」今の状態が心地よいかどうか。「受けてにとって」ではなく。これが今回のポイントその2。

自分の姿勢に無理がないか、関節が変な方向を向いていないか、自然に重さをかけることができるかなどなど、確かめるポイントはいくつもあるけれど、トリートメントの成功は、「施術者」の内的な状態がいつもどおり平らかに保たれているかどうかに大きく左右される。

受け手に、心地よくトリートメントを受け入れてもらえているかどうかは、意識の上でも無意識にでも、施術者は常に気にかけているものだが、概して自分のことには目がいかない。一生懸命であればあるほどに。ところが、施術者の状態を、受け手は相当細かいところまで見事に感じ取っているのである。意識はされなくても、そこはかとなく無意識のレベルで。この影響力は思っているより多分ずっと大きい。

「お昼ご飯、何食べようかな?」これはOK。「このあと歯医者だ、急いで行かなきゃ。」これはNG。どちらも施述には直接関係ないことだけれど、ここに流れている「気分」、それを受け手は微妙にすくいとってしまう。

施術の姿勢に無理があり、そのことに施術者本人が気づいていないような場合でも、施術者の内部で起きているネガティブな感覚がノイズとなり、嫌な要素として伝わりやすい。良い情報より、悪い情報に人は敏いのだ。

「ここ固いな。ぜったいほぐしてやろう」「ここ冷たいね。ぜったいあっためてあげよう。」こういう、施術者としては一見ポジティブな思いも、受け手からすれば「重たい嫌な感じ」となりかねない。たとえそれが意識の上で認知されなくとも、人は強制されると無意識に反発するものだ。

できれば、施術者はふんわりとした良い気分でいたい。それが手を通して直接、また、あらゆる振る舞いを介して受け手へと伝わっていく。そして、その「気分」から生まれたものに、受け手の中身が反応していく。その変化を感じ取った施術者の手がまた、それに応えていく。こうして、心地よい循環がうまれる。施術者自身がまず、楽でハッピーというのは、何にも増して大前提ということ。

さて、こういうふんわりした気分と、一方で、さまざまに変化する条件のなかで手技の目的を実現していくために、絶えず感覚も知力も精妙に稼働させていくという態度は、両立が難しいように思える。が、しかしまあこれも練習なのだと思う。脳はとてもお利口さんで、効率良く働きたいと努力している。慣れてくれば、自動化され無意識の場所にしまわれる。そうなってしまえば、ふんわりした気分で全体を感覚することが優先できるようになるはず。と思って、日々これも鍛錬なのね~。



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