福島原発事故から子どもを守る「ふくしま集団疎開裁判」
福島県郡山市の子どもたちが、郡山市に、放射能被害の不安のない地域で教育を受けさせることを求めている裁判(仮処分)です。11月26日、仙台高等裁判所で2回目の期日が開かれます。山下俊一氏の証人尋問を実現し、福島の真実を明らかにしたいと思っています。そのため、毎週金曜日の17時~、文科省前や財務省前で抗議活動や勉強会をやっています。福島の子どもたちを支援してください。
「ふくしま集団疎開裁判」をご理解、ご支援ください!
父さん :「集団疎開裁判」ってなんだ?
娘 :去年の6月、郡山市の小・中学生14名が郡山市に、「放射能の危険のない安全な場所で勉強させてくれ、避難させて欲しい」って訴えた裁判よ。緊急性があるから仮処分という手続きでやってるの。ゼミの教授から教えてもらった。
父さん :郡山市の汚染レベルは高いからな。でも、自主避難すればいいのに。何で、裁判なんかしてんだ?
母さん :自主避難にはお金がかかるし、自分さえよければいいのか、友達はどうなるんだと反発する子どもも多いそうよ。それに、地元では避難に批判的な雰囲気もあるのよ。「除染して皆で頑張ろうとしているのに、郷土を見捨てるのか」って。だから、自分たちからはなかなか集団避難の声をあげられないらしいわ。それで、裁判で、国や自治体に子どもたちを集団避難させる義務があること認めてもらい、集団避難の道筋を作ろうしているわけ。
父さん :母さん、やけに詳しいな。まあ、俺だって、福島で小さい子どもがいれば、まず、絶対安全なところへ逃がしたくなるよ。「郷土、郷土」と言ったって、子どもを犠牲にしたらこの国はおしまいだ。
娘 :自主避難する人は増えているわ。県民はそれだけ危険を感じているということでしょう。
こんなときこそ、政府は、税金を使って、避難したくてもできない子どもたちを助けるべきよ。それが福祉国家よ。
母さん :今回はそれだけじゃない。原発事故は人災よ。政府は加害者よ。子どもは被害者よ。どうして、加害者が被害者を助けないで見殺しにしていられるのか、分からないわ。
父さん :で、裁判所は、郡山市にそう言ったのか?
母さん :それが、福島地裁郡山支部は、去年の12月16日に、放射能の危険基準は100ミリシーベルトという説を持ち出して、子どもたちの訴えを認めなかったのよ。それで、いまは、仙台高等裁判所でやってるわ。
娘 :100ミリシーベルト基準には批判があるわ。NHKもチェルノブイリ事故の低線量地域の子どもの被害をうったえていたわ。福島の子どもの甲状腺検査でも40%以上に異常が出ているし、除染も思ったほど効果がないし、ホットスポットも放置されたまま。裁判所は、いろいろな学者から、最新の正しい情報を取るべきよ。
母さん :ふくしま集団疎開裁判のブログでは、支援と行動を呼びかけている。実は、陶芸教室の仲間から誘われ、支援の署名をして、集会や勉強会にも出てるの。裁判は予断を許さないらしいわ。裁判所は自主避難できれば、裁判の必要性はないと考えているらしいの。お父さんもブログも読んで、協力して。
父さん :母さんは意外と活動的だな。子どもを守るのは大人の最低限の役目だ。父さんも負けずにやるか。
娘 :さすが、お父さん。私も一緒にやる!
* 11月26日に仙台高裁で2回目の審理があります。裁判所は、「なぜ、自主避難できないの?」と尋ねています。そうでしょうか? 自主避難させれば、国や県や市は責任を果たしたことになるのでしょうか? 自主避難の可能性が、国や県や市の子どもに対する責任を免除するのでしょうか? チェルノブイリからの最新報告は、さまざまな体調不良に悩むチェルノブイリの子どもたちは、日本政府に、福島の子どもを避難させることを求めています。多くの県民は自主避難が可能でも、できない事情があるのです。
私たちは、この裁判で、山下俊一氏らの証人尋問を求めています。裁判所や政府を動かすのは、真実と正義とそれを訴える一人一人の市民の声です。一緒に考え、行動し、どんなかたちでも結構です。どうか、福島の子どもをご支援ください。