「日中関係に影響与えず」と中国 死刑囚へ刑執行(共同通信) - goo ニュース
日本人死刑囚に親類ら面会 中国、8日中の執行は不明(朝日新聞) - goo ニュース
4月6日、中国遼寧省大連で麻薬密輸罪に問われ、2009年4月に死刑判決が確定した赤野光信死刑囚(65)に対する刑が大連にて執行されました。
赤野死刑囚の刑は致死薬注射方式によって執行されたと伝えられていますが、薬物(覚せい剤)の密輸で捕まり、薬物で殺されるなんて、…なんとも皮肉なものです。
また、4月8日にも麻薬密輸罪で死刑判決が確定し、中国当局から死刑執行を通告されている武田輝夫死刑囚(67)=愛知県出身=、鵜飼博徳死刑囚(48)=岐阜県出身=、森勝男死刑囚(67)=福島県出身=の死刑が執行される予定だそうです。
中国当局からは4月1日、日本政府に「7日後に3人の死刑を執行する」と通告したと伝えられていますが、6日に刑が執行された赤野光信死刑囚(65)の場合は通告した期限より1日遅かったため、今回の3人の死刑が8日中に執行されるかどうかは不明だということです。
今回の一連の日本人に対する死刑は1972年の日中国交正常化以来初めてですが、中国で重罪を犯せば、外国人であろうと中国人同様に死刑判決を受ける事例が多くなると思います。現に以前にも4キロのヘロイン密輸の罪で捕まったイギリス人が死刑にされています。
中国の刑法では覚せい剤50グラム以上の密輸に対し、「懲役15年または無期懲役、死刑」が科せられますが、4月6日に死刑になった赤野死刑囚の場合は覚せい剤を2.5キロも日本へ密輸しようとしていました。
たった50グラムの密輸でも懲役15年、無期懲役、死刑になる中国から2.5キロも密輸しようとするなんて、死ぬほど大胆不敵な犯罪です。
(実際に麻薬密輸で死刑になりましたが…)
しかも、赤野死刑囚は06年に逮捕される以前から、何度も中国に渡航し麻薬密輸を行っており、中国当局からマークされていたといいます。中国人ならば即極刑に処されていたはずですが、逮捕されてから死刑判決を受け、執行されるまで4年も待ったということは、中国側としても死刑執行には慎重になっていたと思います。
もし、中国で赤野死刑囚が逮捕されずに、日本への密輸に成功していたら、この密輸された覚せい剤は日本でばら撒かれて、多くの人々の健康や財産を蝕んでいたことでしょう。考えるだけでも恐ろしいですし、日本への密輸が未然に防がれて本当に良かったと思います。
今回、中国での日本人の死刑問題について、日本政府からは内部干渉と受け取られることを懸念し、正式抗議には及びませんでした。日本人が死刑になるということで、日本国としては、死刑は確定しているけれども「日本人の命は助けたい」という意味合いで助命嘆願のポーズだけはしなくてはならなかったと思います。
でも、結局はこの麻薬密輸犯達は中国で死刑にされ、中国は麻薬犯罪に対して外国人に対しても一律に厳しい刑罰を与える姿勢を堅持しています。
私は中国のこのような決断は尊重されるべきだと思いますし、これからもこのような姿勢でいて欲しいと思います。
私は「日本の価値基準に照らせば、麻薬密輸に対する死刑は重すぎる」だの、日本国内の価値基準を持ち出すこと自体がどうかと思いますし、日本の麻薬に対する刑罰は軽すぎるような気がします。
死刑囚の遺族には申し訳ないが、ハッキリ言ってしまえば、麻薬密輸で逮捕されたことも、中国で死刑になることも犯罪に手を染めた自分が招いた結果だということをほかの日本人も真摯に受け止めるべきだと思います。
また、外国ではその国の国情や宗教、民族の違いから、日本人の常識では考えられないようなことが罪になったりするので、思わぬ犯罪に巻き込まれたり、自分が罰を受けないために、その国に行く前にぜひ国情を理解してから行くべきだと思います。
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