ブラックバスやブルーギル等の外来生物が日本の在来種を捕食する事で生態系が変わってしまうと言う話をよく耳にするが、日本へのブルーギル輸入は約50年前(1960年)に現在の天皇陛下(平成天皇)が皇太子時代にアメリカからお持ち帰りになったのが始まりであり、当時は食用を期待して養殖が始まったそうだ。
そんな天皇陛下の期待を裏切り、川や湖で繁殖してしまい、日本ではあまり食用としては好まれていない。
日本では生態系を崩す害魚として有名なブルーギル…。一見害ばかりで、良い所なんて無いように思える。
しかし、中国にはブルーギルの養殖で財をなした人のブルーギル御殿があるのだ!
日本では悪者扱いされているブルーギルだが、中国では「藍鰓太陽魚」(ランサイタイヤンユィ)とか「太陽魚」(タイヤンユィ)と呼ばれ、私が住んでいる広東省一帯ではウナギと並び養殖が盛んな魚である。
環境の変化にも強く、何でも食べて、病気になり難い。
白身で肉厚で美味しく、養殖が簡単。養殖業者にとっては最高の水産品と言える。そして、スーパーや市場で売られているブルーギルは大きくて、よく肥えていて、とても美味しそうだ。
そんな訳でブルーギルは広東一帯では良く食べられる魚となっており、スーパーや市場などでも良く見かけるポピュラーな食用魚とも言える。日本でも、「琵琶湖鯛」などと呼ばれているという。
値段は500g/18元ほど(2007年時点)。
最近はちょっと値上がりした様だが、淡白な白身は清蒸と言う料理の仕方に適しており、蒸し魚として食べる事も多い。また、基本的にどんな味付けも可能な魚なので、唐辛子や香辛料を加えて煮込む「水煮魚」、カラッと揚げて甘酢をかけて食べる「糖醋太陽魚」なども美味しい。
正直に言って、私は中国に来るまでブルーギルという魚は良く見たことも、食べた事もなかったので、スーパーや市場でブルーギルが普通に売られていても、それがあの害魚のブルーギルだとは思いもよらず、美味しい白身魚だと思っていたくらいだ。
ブルーギル料理
ちなみに、ブラックバスも中国では養殖されてスーパーなどでも売られている。
中国名は「大口黒鱸」、「加州鱸魚」、「黒巴斯」等。こちらも鱸(スズキ)科の淡白な白身なので結構美味しい。
やっぱり、中国料理が素晴らしい点と言えば、何でも美味しく料理してしまう事だ。日本人は川魚や淡水魚特有の匂いに対して、苦手意識があるのかも知れない。
確かに淡水魚のフナ、コイ、ナマズ等は独特の臭みがあるし、ほとんど臭いがしないアユやヤマメ、イワナ、マスも苦手な人もいると思う。しかし、食材は料理の仕方や味付けによって美味しくも不味くもなる。
もしかしたら、日本人は淡水魚の上手な料理の仕方を知らないだけなのかも知れない。
確かに塩だけ振って焼いたりした魚も美味しいし、刺身も美味しい。日本人はシンプルな料理が大好きだけれど、料理の仕方はそれだけじゃないし、もともと、食用可能な魚なのだから料理の使用によっては、ちゃんと美味しく食べられるはずである。
これだけ美味しい物が売っている中国で市場を獲得しているブルーギル。
もし、日本での養殖や食用に成功していれば、今頃、害魚なんて悪いレッテルを貼られずにすんだだろうし、中国の様に鮮魚店やスーパーに並んでいただろう。
それに、多くの日本人は、まだブルーギルの本当の美味しさを知らないんだと思う。野生のブルーギルは美味しくないのかも知れないが、釣りがや魚が趣味と言う人を除けば、一般の人で直にブルーギルを見た事がある人は少ないと思う。
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また、中華料理ではアメリカザリガニも食べられているアメリカザリガニもブルーギルと同じ様に外来生物であり、日本では1927年に食用蛙のエサとして持ち込まれたのが始まりだと言う。しかし、アメリカザリガニは田んぼや池で繁殖し、稲の根っこを切ってしまう厄介者として駆除されてきた。
中国も同様にアメリカザリガニを害虫として捕獲、処分して来たが、中国の処分の仕方は豪快だ。食べてしまうのだ。
もともと、アメリカザリガニはエビ科。味はエビその物だ。もちろん、水質や寄生虫の問題もあるが、食用にされている物は水質のいい場所で捕られたものであり、しっかり熱を通しているので、多少の心配はあるが食べられる。
ザリガニ料理
中国ではザリガニは「小龍蝦」(ミニロブスター)と呼ばれ、結構な高級食材でもある。私も何度か食べたが、味は伊勢海老やロブスターと同じ。普通のエビよりも身がしっかりしていて、プリプリ感があるのが特徴だ。
ザリガニは淡水で生活している為、食用にする際には二、三日から絶食させ、泥を吐かせてから料理する。
私の父が子供頃は戦後間もなかったので、祖父や父は川や池でザリガニを捕って来て食べていたと言う話を聞いたが、今でもザリガニ漁師は、ペットショップ以外にもフランス料理店にザリガニを卸しているそうだ。日本では一般的でないにしろ、ザリガニを食材として扱っている場所もあるという事だ。
中国アメリカザリガニ料理ネット
外来種のブラックバス、ブルーギル、アメリカザリガニ…、生態系を破壊する為に嫌われているが食材としては悪くないと、個人的には思っている。食べた事がない人や魚嫌いな人は臭いとか不味いとか言うでしょうが、それは思い過ごしと言う物だろう。
ちなみに私が今までチャレンジした変わった食材は
狸、熊、ウサギ、犬、猫、ハト、ザリガニ、蛇、蛙、ロバ、ラクダ、たがめ、蚕の蛹、亀、雷魚、ブルーギル、ブラックバス、牛のペ○ス、睾丸、蝉の抜け殻、アヒルの水掻き、アヒルの頭、ニワトリの脚、豚の頭、ヘチマ等等。
人間食べようと思えば何でも食べられるもので、今では慣れっこ。
しかし、私が未だ征服できない食べ物…、それは梅干!なぜか梅干だけは嫌いで、見るのも嫌。何ででしょう。
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友人が言うには、なんちゃら菌があって食べると危険だよ!って騒いでましたが、普通に美味かったです(笑)
琵琶湖周辺でもブラックバスを使った料理店はたくさんありますね。ブラックバスバーガーなんてのもあります。
ギル大量繁殖を逆手に、捕獲して市場で売れれば環境保全の一環としても有効だと思うけどなぁ。
それにしても中国風に料理になると、ギルがめっちゃ美味そうに見えますね。
それに比べて中国人は偉いですねぇ、自分も発想は中国と似ていて食われたら食い返せ!食ってしまえ!と思っています。
ザリガニ美味しそうですねぇ、海老の味がするなら養殖して食べてみたいですよ。