やさしい時間

「写真でブログ」タイトルを変更しました
何気ない日常を写真とともに綴ります

若かりし頃

2013年02月24日 | 私ごと
先日、『ジャズを聞きながら』という記事をアップして
コメントを下さった方とのやり取りの中で
楽しく懐かしい日々を思い出したので、少しお話します。


私が20歳位の頃の話です。

私は准看護師として仕事を始めていました。
当時の勤務は日勤・準夜・深夜と呼ばれる3交代制でした。
日勤の仕事は朝の8時半から申し送りが始まり、
夕方17時から準夜の人に一日の事項を申し送る事で終了します。
準夜は17時から夜中の1時まで、深夜は1時から9時までとなっていました。

これをシフトでこなして行くわけですが、
私は昼間の13時から16時10分まで看護学校へ通っていました。
当然、シフトは特別なものになっており、
日勤は8時半から12時、17時から21時と二分割で行い、
準夜と深夜は他の人と同じ時間でしていました。

という訳で、随分と優遇されて学校へ行かせてもらっていました。
中途半端な仕事で、なかなか覚えられない事もありましたが、
仕事しながら学ぶという事は、とても現実に即した物でもありました。
毎日が忙しく、そして充実していました。
学校が終わってから、サークルに入る事も出来ないし、
昼間に通う他の学生たちの中には、高校の同級生も多くいて、
終わった後にお茶をすることも出来ませんでした。
羨ましいと思うことも多々ありましたが、
それでも、良い看護師を目指しての勉強は楽しかったのです。

たまに、学校が休みの日に仕事も休みのシフトが回って来る事があります。
そんな時は、友達との外出を計画したものです。

その頃、駅の近くにはジャズ喫茶がたくさんあり、
好きな曲をリクエストするとかけてくれました。
ジャズ喫茶を利用する人は、みんな本を読んで過ごしていました。
おしゃべりすると曲が聞こえなくなるので、誰も話しません。
そこで飲むコーヒーも大人な感じで、まだ子供だった私には
そこ自体が異空間で、面白く、居心地が悪く、、、
でもたまに行きたくなるのは、大人への憧れと
精一杯背伸びしたくなる心理があったのかもしれません。


そんな頃、友達に連れて行かれた池袋の「…パーク」
名前が思い出せません。
そこは今で言うカフェ風居酒屋で、
日替わりで生バンドが演奏していました。
ジャズシンガーの歌があったり、ピアノだけのシックな時もあり、
混声合唱団のスキッとした歌だったり、、、

あまり時間が取れない中、比較的良く行った場所です。
そこはいつもざわざわしていて騒がしく、
来ている人の様々な言葉が行き交う
ジャズ喫茶とは全く対照的な場所でした。

うるさくて相手の声が良く聞こえません。
それでも好きでした。



ショータイムになり、ジャズのピアノの音が響き始まると
店内は一変した。
それまでの喧騒とざわめきはほっとしたため息に変わる。
店内を歩くウエイターの数も減り、
流れるジャズを楽しんで欲しいという思いが伝わる。
暫くはジャズピアノの音に酔いしれ、拍手で演奏が終わる。
するとまたざわめきと喧騒の中へ店内は飲みこまれた。



もしかしたら、そんな二面性が好きだったのかもしれません。
気取らないジャズの店、そんなお店にまた行ってみたい。


私がジャズを好きになったのは、まだ20歳の頃でした。
大人への憧れと、現実との交差する中で
ジャズは大人の象徴だったのかもしれません。