カメラマン

私は写真を撮るのが好きです。
どうして好きなのかはよく分かりません。
何を撮りたいのかもまだよく分かりません。

でも、自分の撮った写真を見て
少しでも成長しているのに気が付いたりすると
それはそれでとてもうれしくて
また写真を撮りに出かけたりしたくなります。

友達の一人が言っていました。

「写真にその時の気持ちを投影しているのかな」

そうなのかもしれません。





いつも一方的な想いのまま
被写体の花や風景にファインダーを向ける

私の片思いだから、思い通りに撮れなくても
仕方ないと諦めたりしたけれど、
花の側から撮って欲しいと請われると
真剣に美しく撮らないといけないプレッシャーに
押しつぶされてしまいそう

どんなふうに撮ればあなたらしく美しく
一瞬の美しさを表現出来るのだろうかと
今日はずっと考えて
私がカメラマンでいいのかと逡巡した


そんな思いがあなたに逢いに行くのを躊躇させる

少し酔っぱらって、街を歩いてみたら
迷いが涙になった

歩きながら泣いていると
いつの間にか花の咲く窓辺に来ていた

見上げても見えない影を追って
暫く見上げた後、また歩き出す


今日だけ、、、そう固く決心して
お酒で緩んだ心を許そうとする

あなたを撮る決心はまだしないまま
それでも、何か出来る事を探そうとしている
そんな自分の真意も測りきれず
今日はただ泣いた