抗加齢医学は今や広範な分野をカバーする研究領域ですが、加齢とともに様々な自己免疫疾患が増えてくることを考えても、agingと免疫機能は深く関連していると考えられます。この論文はミトコンドリアDNAの安定・複製に関与しているTfam(mitochondrial transcription factor A)をT細胞で欠損させると老化が進むという論文です。
著者らはTfamをCD4 floxマウスを用いてT細胞で欠損させたマウス(Tfam cKOマウス)を作成しました。このマウスではTh1細胞機能が亢進しており、type Iサイトカインである IFN-γや TNF-αの発現亢進が見られました。若齢(2カ月齢)Tfam cKOマウスにおいても免疫機能が低下しており、正常な高齢マウス(22カ月齢)と同程度にマウス痘を起こすectromelia virusに対する抵抗性が低下していることが明らかになりました。また7カ月マウスでは貧血、亀背、低体重などagingに関連したphenotypeが見られました。それ以外にも筋力低下などsarcopenia、精巣脂肪の萎縮などのlipolysis、拡張期心不全、さらには脳の前庭領域へのT細胞の侵入に伴う運動失調や認知機能低下なども見られるなど様々な組織の加齢が亢進していました。同様の所見はLck floxマウスを用いたcKOでも認められました。メカニズムとしてはcKOマウスの肝、心、精巣脂肪、膵などではcyclin inhibitorであるp21の発現増加が見られ、何らかの関係を示唆しました。この加齢促進過程にはどうやらTNFαが関与しているらしく、なんとetanerceptで加齢変化が抑制されました。またNAD+/NADH比が組織で低下していることに着目し、NAD+前駆体であるnicotinamide ribosideを投与すると、何ということでしょうw(゜o゜)w、様々な組織の加齢変化が改善したではないですか。ということでこの論文の結論は加齢変化にimmunometabolismが重要ですよということらしいです。
T細胞のミトコンドリア機能と各組織のagingとの関連を明らかにした点は興味深いですが、メカニズム解明は中途半端ですし、後半の治療実験はいかがなものかという気もします。
著者らはTfamをCD4 floxマウスを用いてT細胞で欠損させたマウス(Tfam cKOマウス)を作成しました。このマウスではTh1細胞機能が亢進しており、type Iサイトカインである IFN-γや TNF-αの発現亢進が見られました。若齢(2カ月齢)Tfam cKOマウスにおいても免疫機能が低下しており、正常な高齢マウス(22カ月齢)と同程度にマウス痘を起こすectromelia virusに対する抵抗性が低下していることが明らかになりました。また7カ月マウスでは貧血、亀背、低体重などagingに関連したphenotypeが見られました。それ以外にも筋力低下などsarcopenia、精巣脂肪の萎縮などのlipolysis、拡張期心不全、さらには脳の前庭領域へのT細胞の侵入に伴う運動失調や認知機能低下なども見られるなど様々な組織の加齢が亢進していました。同様の所見はLck floxマウスを用いたcKOでも認められました。メカニズムとしてはcKOマウスの肝、心、精巣脂肪、膵などではcyclin inhibitorであるp21の発現増加が見られ、何らかの関係を示唆しました。この加齢促進過程にはどうやらTNFαが関与しているらしく、なんとetanerceptで加齢変化が抑制されました。またNAD+/NADH比が組織で低下していることに着目し、NAD+前駆体であるnicotinamide ribosideを投与すると、何ということでしょうw(゜o゜)w、様々な組織の加齢変化が改善したではないですか。ということでこの論文の結論は加齢変化にimmunometabolismが重要ですよということらしいです。
T細胞のミトコンドリア機能と各組織のagingとの関連を明らかにした点は興味深いですが、メカニズム解明は中途半端ですし、後半の治療実験はいかがなものかという気もします。
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