2012年1月2日、月曜日。当時の私たちは(欧州の拠点として)ロンドンに住んでいた。この日は昨日までのドンヨリとした雨雲がキレイに消えて、見事に晴れた。冬は天気が悪いと霧でフライトが欠航したりするので、まずは一安心。リスボンへは午後便であったので、のんびり朝兼昼を食べてから出発した。
ロンドンからリスボンへは1800キロ、2時間半のフライトである。空港は中心地から7キロと近いせいか、着陸のアプローチ時には大西洋に沈んだ夕陽の残照と靄で、街全体が淡くオレンジ色に発光しているように美しく、何ともロマンチックな景色!と感動。この景色に魅せられて、滞在中に「毎日夕陽を撮る!」が、ひとつテーマになった。
リスボンについて(wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%9C%E3%83%B3
【基本情報】ポルトガルの大西洋沿岸部、中央やや南よりに位置し、テージョ河の河口近くにひらけた、旧い歴史を持つ都市である。(通貨ですが、1€は当時のレートで約100円…と単純計算してください。)
さすが南国、地中海性気候。ホテルに向かう道すがら、バスの中でかなり暑さを感じていたのが、気温を確認して納得!日が落ちてからでも14度!しかもお天気が良かったせいか、夜になってもコート不要、ウールのジャケット一枚で外出できるという!じんめりどんより冷え冷えのロンドンとは大違い、天国である。そんな季節外れの陽気に誘われて、まずは市街地の中心へ。
ロシオ広場 Rossio(リスボンの中心部) ※正式名称は「ドン・ペドロ4世広場」。ロシオとはポルトガル語で中央広場、と言ったような普通名詞らしい。だから他の町にも「ロシオ広場」はあるそうだ。ここから大通りをテージョ河・・・これは河と言っても海に近いような川幅で、とんでもないスケールなのだが・・・方面へ下っていくと、コメルシオ広場に出る。昔の王宮があった場所で今は政府の建物や官公庁が立ち並ぶ場所である。トラムやバスが行き交っている。正月2日の夜とて人は少なく、至ってのんびりモード。軽く何か食べようかと、大通りから一本入った大衆食堂へ。魚が旨いらしい。ロンドンのまずい食生活に辟易していた私には朗報である。
セルベジェリア「バレアル Baleal」
http://www.turisplan.pt/restaurantebaleal/ingles/especialidades.htm
頼んだのはイワシの塩焼き(定番)、相方は小エビ入りオムレツ。結構な量があって「もう充分!」というほどイワシを食べた・・・そして我々はこの「ボルトガルでは普通の一人前ですが何かサイズ」に一週間悩まされることとなった。ユーロ導入後のヨーロッパではあまり見かけなくなってしまった、安くておいしくて量がめちゃくちゃ多い、南欧の食卓風景。これだけでも、昔のイタリアを思い出して胸があたたかくなる。
夜も遅い時間だったせいか、お店には地元の常連客だけがいる。店内のテレビで地元スポルティング・リスボンとブラガのカップ戦中継をやっているんで、常連と(暇な)ウェイターさんたちは大盛り上がりで、時折「しっかりせんか、スポルティング!」とヤジが飛んでいた。さすがサッカーの国である。
さて翌朝。リスボン初観光である。まずは「お城」へ。ん?誰だ「城マニア」なんて言ってるのは!マニアじゃない、好きなだけだ!
トラム12番に乗って市街地を抜け、城に近い展望台で下車。今日はテージョ河に一面靄がかかって、巨大な「4月25日橋」も「キリスト像(クリスト・レイ)」も雲海の向こうに浮かんでいるようで、一体ここはどこなんだ?という不思議な感覚にとらわれた。(写真の市街地が途切れたあたりから、本当は河口や橋が見える。)
サン・ジョルジェ城
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%AB%E3%82%B8%E3%82%A7%E5%9F%8E
城自体はほぼ廃墟で石造りの外壁や塔が残るのみ。とはいえ、上に登って見遥かすリスボンの大パノラマは素晴らしい!外周も塔も50センチほどの石壁上の通路を歩いて行ける。高さは30m以上!古代~中世に重い鉄鎧つけてここを全速力で走ったであろう兵士達の勇気は、自分には当たり前ながら「ない」。現在の城の住人は、クジャクの家族とにゃんこたちのみである。
城のある丘を下り、さらに市街地を歩く。青空に白さが眩しいサン・ヴィセンテ・デ・フォーラ教会 Igreja de Sao Vicente da Foraの横の小道を抜けると泥棒市 Feira da Ladra(毎週火・土曜開催)がある。ヨーロッパのどこの町でも見かけるガラクタや古着がいっぱい。「商売になるのかしら?」なんて値段で売っているのを冷やかすのも楽しい。意外に気に入ったのがあれば、ふたつとない旅の思い出になるのでタイル絵やアクセサリーはじっくり眺めたり。
市電の走る道をさらに登る。リスボンは別名「7つの丘の街」と呼ばれるほどに起伏が激しい。急な坂道、切り返しの難しそうなカーブをゴトゴトとレトロな市電が揺れながら登って行き、その合間をタクシーや自家用車がすりぬけていく。道路事情だけ見ればまさにローマ並みにカオスである。
時刻は14時半。そろそろ腹が空く。カイス・ド・ソドレ駅に近いの細い路地にある大衆食堂の貼り出しメニューがいい感じだったので、入ってみることに。内装はポルトガル伝統のタイル装飾がいい感じである。
レストランテ リオグランデ Rio Grande
http://www.tripadvisor.jp/Restaurant_Review-g189158-d1877225-Reviews-Rio_Grande_Restaurante-Lisbon_Estremadura.html
かろうじてわかるのが「ランチセットメニューは9ユーロ(約900円)。何せ二人ともポル語はさっぱりなので、読むのも大変である。ウェイターのおじさんはそこそこ英語ができたので、これは何?あれは何?と片っ端から聞くことに(こういう時、ガイドブックはほとんど役に立たない)。今日のランチはこんな感じですよ、と教えてもらったのがこちら。
メインから一品
・ポークソテー赤唐辛子ソース フライドポテト添え
・ポークレバーのソテー フライドポテト添え
・ポルトガル風ソーセージ(肉のほかにパンや野菜が入ったやわらかい腸詰)フライドポテト添え
・ポークカツレツ
※ポテトはサラダに変えることもできます、とのこと。
飲み物(1種類選択)
生ビール・ハウスワイン赤/白・ミネラルウォーター・オレンジジュース
デザート
プティフラン(プリン)またはフルーツサラダ
コーヒー
カフェラテ・エスプレッソ・アメリカーノ選択可
す~ばらしい~♪
このお値段で、もう、充分です!!(とかく旅行中のエンゲル係数は高い)しかも、素朴ながらすごく美味しかった。
シアード地区の中心、カモンイス広場とケーブルカー。坂の多いリスボンには3か所のケーブルカーと1か所のエレベーター(!)があり、観光スポットとなっている。特にこの「ビッカ線」のケーブルカーはテージョ河を見ながら登っていく景色がいかにもリスボンらしくて、ポスターや絵はがきにもよく取り上げられている風景の一つである。
ほんの2分程で終点w歩いた方が速い!?という人もいるくらい、のんびりしたものである。さらに観光客御用達28番のトラムに乗って市街地の西側へ。エストレーラ聖堂から、隣接するエストレーラ公園を抜けて、国会議事堂まで散策。そろそろ日が傾いてきたせいか、街全体が微かに白熱灯のような黄色みを帯びてきている。路地の向こうには、西陽に照らされたサン・ジョルジェ城が見える。まもなく日没であろうと、議事堂の前から再びトラムに乗ってカイス・ド・ソドレの駅まで降りていく。この駅はリスボンからテージョ川沿いに大西洋沿岸のエストリル(F1で有名)やカスカイスの町まで行く起点になっているだけでなく、フェリー/高速船ジェットフォイルのターミナルがあり、対岸の町へ渡って行くこともできるのだ。巨大な入り江のようなテージョ河を渡る手段は、市街地の東西端にある2本の大きな自動車用の有料の橋しかないので、こうした渡し船は大事な交通手段である。
テージョ河の落日を見ようと、あたりは観光客や地元のカップルでにぎわっている。風もほとんどなく、春のような暖かさの中、駅コンコースで買ったコーヒー片手にカメラを構えて日没を待つ・・・普段仕事に追われているのとは真逆なひととき。
と、側にいた観光客?の男女3人連れに声をかけられる。(声をかけられやすい・・・のは、いつものことである)
「すいません、こっちをバックに写真撮ってください♪」
「いいですよ~」
黄昏色のリスボン、いい写真が撮れました!
ロンドンからリスボンへは1800キロ、2時間半のフライトである。空港は中心地から7キロと近いせいか、着陸のアプローチ時には大西洋に沈んだ夕陽の残照と靄で、街全体が淡くオレンジ色に発光しているように美しく、何ともロマンチックな景色!と感動。この景色に魅せられて、滞在中に「毎日夕陽を撮る!」が、ひとつテーマになった。
リスボンについて(wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%9C%E3%83%B3
【基本情報】ポルトガルの大西洋沿岸部、中央やや南よりに位置し、テージョ河の河口近くにひらけた、旧い歴史を持つ都市である。(通貨ですが、1€は当時のレートで約100円…と単純計算してください。)
さすが南国、地中海性気候。ホテルに向かう道すがら、バスの中でかなり暑さを感じていたのが、気温を確認して納得!日が落ちてからでも14度!しかもお天気が良かったせいか、夜になってもコート不要、ウールのジャケット一枚で外出できるという!じんめりどんより冷え冷えのロンドンとは大違い、天国である。そんな季節外れの陽気に誘われて、まずは市街地の中心へ。
ロシオ広場 Rossio(リスボンの中心部) ※正式名称は「ドン・ペドロ4世広場」。ロシオとはポルトガル語で中央広場、と言ったような普通名詞らしい。だから他の町にも「ロシオ広場」はあるそうだ。ここから大通りをテージョ河・・・これは河と言っても海に近いような川幅で、とんでもないスケールなのだが・・・方面へ下っていくと、コメルシオ広場に出る。昔の王宮があった場所で今は政府の建物や官公庁が立ち並ぶ場所である。トラムやバスが行き交っている。正月2日の夜とて人は少なく、至ってのんびりモード。軽く何か食べようかと、大通りから一本入った大衆食堂へ。魚が旨いらしい。ロンドンのまずい食生活に辟易していた私には朗報である。
セルベジェリア「バレアル Baleal」
http://www.turisplan.pt/restaurantebaleal/ingles/especialidades.htm
頼んだのはイワシの塩焼き(定番)、相方は小エビ入りオムレツ。結構な量があって「もう充分!」というほどイワシを食べた・・・そして我々はこの「ボルトガルでは普通の一人前ですが何かサイズ」に一週間悩まされることとなった。ユーロ導入後のヨーロッパではあまり見かけなくなってしまった、安くておいしくて量がめちゃくちゃ多い、南欧の食卓風景。これだけでも、昔のイタリアを思い出して胸があたたかくなる。
夜も遅い時間だったせいか、お店には地元の常連客だけがいる。店内のテレビで地元スポルティング・リスボンとブラガのカップ戦中継をやっているんで、常連と(暇な)ウェイターさんたちは大盛り上がりで、時折「しっかりせんか、スポルティング!」とヤジが飛んでいた。さすがサッカーの国である。
さて翌朝。リスボン初観光である。まずは「お城」へ。ん?誰だ「城マニア」なんて言ってるのは!マニアじゃない、好きなだけだ!
トラム12番に乗って市街地を抜け、城に近い展望台で下車。今日はテージョ河に一面靄がかかって、巨大な「4月25日橋」も「キリスト像(クリスト・レイ)」も雲海の向こうに浮かんでいるようで、一体ここはどこなんだ?という不思議な感覚にとらわれた。(写真の市街地が途切れたあたりから、本当は河口や橋が見える。)
サン・ジョルジェ城
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%AB%E3%82%B8%E3%82%A7%E5%9F%8E
城自体はほぼ廃墟で石造りの外壁や塔が残るのみ。とはいえ、上に登って見遥かすリスボンの大パノラマは素晴らしい!外周も塔も50センチほどの石壁上の通路を歩いて行ける。高さは30m以上!古代~中世に重い鉄鎧つけてここを全速力で走ったであろう兵士達の勇気は、自分には当たり前ながら「ない」。現在の城の住人は、クジャクの家族とにゃんこたちのみである。
城のある丘を下り、さらに市街地を歩く。青空に白さが眩しいサン・ヴィセンテ・デ・フォーラ教会 Igreja de Sao Vicente da Foraの横の小道を抜けると泥棒市 Feira da Ladra(毎週火・土曜開催)がある。ヨーロッパのどこの町でも見かけるガラクタや古着がいっぱい。「商売になるのかしら?」なんて値段で売っているのを冷やかすのも楽しい。意外に気に入ったのがあれば、ふたつとない旅の思い出になるのでタイル絵やアクセサリーはじっくり眺めたり。
市電の走る道をさらに登る。リスボンは別名「7つの丘の街」と呼ばれるほどに起伏が激しい。急な坂道、切り返しの難しそうなカーブをゴトゴトとレトロな市電が揺れながら登って行き、その合間をタクシーや自家用車がすりぬけていく。道路事情だけ見ればまさにローマ並みにカオスである。
時刻は14時半。そろそろ腹が空く。カイス・ド・ソドレ駅に近いの細い路地にある大衆食堂の貼り出しメニューがいい感じだったので、入ってみることに。内装はポルトガル伝統のタイル装飾がいい感じである。
レストランテ リオグランデ Rio Grande
http://www.tripadvisor.jp/Restaurant_Review-g189158-d1877225-Reviews-Rio_Grande_Restaurante-Lisbon_Estremadura.html
かろうじてわかるのが「ランチセットメニューは9ユーロ(約900円)。何せ二人ともポル語はさっぱりなので、読むのも大変である。ウェイターのおじさんはそこそこ英語ができたので、これは何?あれは何?と片っ端から聞くことに(こういう時、ガイドブックはほとんど役に立たない)。今日のランチはこんな感じですよ、と教えてもらったのがこちら。
メインから一品
・ポークソテー赤唐辛子ソース フライドポテト添え
・ポークレバーのソテー フライドポテト添え
・ポルトガル風ソーセージ(肉のほかにパンや野菜が入ったやわらかい腸詰)フライドポテト添え
・ポークカツレツ
※ポテトはサラダに変えることもできます、とのこと。
飲み物(1種類選択)
生ビール・ハウスワイン赤/白・ミネラルウォーター・オレンジジュース
デザート
プティフラン(プリン)またはフルーツサラダ
コーヒー
カフェラテ・エスプレッソ・アメリカーノ選択可
す~ばらしい~♪
このお値段で、もう、充分です!!(とかく旅行中のエンゲル係数は高い)しかも、素朴ながらすごく美味しかった。
シアード地区の中心、カモンイス広場とケーブルカー。坂の多いリスボンには3か所のケーブルカーと1か所のエレベーター(!)があり、観光スポットとなっている。特にこの「ビッカ線」のケーブルカーはテージョ河を見ながら登っていく景色がいかにもリスボンらしくて、ポスターや絵はがきにもよく取り上げられている風景の一つである。
ほんの2分程で終点w歩いた方が速い!?という人もいるくらい、のんびりしたものである。さらに観光客御用達28番のトラムに乗って市街地の西側へ。エストレーラ聖堂から、隣接するエストレーラ公園を抜けて、国会議事堂まで散策。そろそろ日が傾いてきたせいか、街全体が微かに白熱灯のような黄色みを帯びてきている。路地の向こうには、西陽に照らされたサン・ジョルジェ城が見える。まもなく日没であろうと、議事堂の前から再びトラムに乗ってカイス・ド・ソドレの駅まで降りていく。この駅はリスボンからテージョ川沿いに大西洋沿岸のエストリル(F1で有名)やカスカイスの町まで行く起点になっているだけでなく、フェリー/高速船ジェットフォイルのターミナルがあり、対岸の町へ渡って行くこともできるのだ。巨大な入り江のようなテージョ河を渡る手段は、市街地の東西端にある2本の大きな自動車用の有料の橋しかないので、こうした渡し船は大事な交通手段である。
テージョ河の落日を見ようと、あたりは観光客や地元のカップルでにぎわっている。風もほとんどなく、春のような暖かさの中、駅コンコースで買ったコーヒー片手にカメラを構えて日没を待つ・・・普段仕事に追われているのとは真逆なひととき。
と、側にいた観光客?の男女3人連れに声をかけられる。(声をかけられやすい・・・のは、いつものことである)
「すいません、こっちをバックに写真撮ってください♪」
「いいですよ~」
黄昏色のリスボン、いい写真が撮れました!