徒然草庵 (別館)

人、木石にあらねば時にとりて物に感ずる事無きに非ず。
旅・舞台・ドラマ・映画・コンサート等の記録と感想がメインです。

鍵泥棒のメソッド 【黒版】東京初日感想 (ネタバレあり)

2014年05月12日 | 舞台

演劇集団キャラメルボックス(以下CB)『鍵泥棒のメソッド』が10日に開幕しました!
既に友人と行く約束をして、東京公演中盤のチケットも入手済みだったのですが…。

やはり「1日でも早く観たい!」というのが、ファン心理でございます。(笑)
抜け駆けだと責められようが、気にしなーーーーいっ!

というわけで。
公演二日目の本日、【Black Version】(以下、黒版)に参戦してきました!


公式HP
http://www.caramelbox.com/stage/keyoflife/
※今回は【Black】と【White】の2つのバージョンがメインキャストを入れ変えて上演されます。


予定外の観劇だったので、当日池袋パルコ6階でチケットを仕入れてからサンシャイン劇場へ。
2階席は初めてでしたが、そんなに観にくくはなかったです。(やっぱり1階に比べて遠かったけど!)
まあ、文句言わないw

それにサンシャイン劇場の2階席までの道のりは「階段シアター」があるので、実は用がなくても行くつもりだったのでした!(笑)お手製のネタがいろいろ仕込んであって、とにかく退屈しません。(注:階段を上る疲労が軽減されるわけではありません!)

早いもので、夏公演の『TRUTH』と『涙を数える』のポスターが掲示してあって、そりゃもうテンション上がりますって!!!www あのポスタービジュアルは本当にカッコ良いので、ぜひ商品として売っていただきたい!(願望…というかただ単にサムライ男子好きの戯言w)





階段に誰もいないのを良いことに、上りながらひとり写メをいっぱい撮り、階段シアターのネタをチェックしつつキャッキャ♪(^O^)していたら・・・

「・・・・・・!?」

人の気配に振り向くと、劇場スタッフの男性が!!!
後ろからバッチリ一部始終を見られていたことに(今更)気づいて動揺!

これはもう、かなり!恥ずかしかった。←すっかり油断!
穴があったら入りたいほど。

「あ…どうも、すみませんっ(冷汗」

スタッフさんはとても紳士的な微笑とともに「いいんですよ、いっぱい楽しんでいってください。今回もすっごく力入れて作ってましてね。ここのボタンもぜひ押してくださいネ」と、二階ロビー横の「最終ネタ」を指差しされました。
「え。押すんですか」
恐る恐る押すと…「~~~~!」(ここはネタバレなしでw)

「?!?!?!!!!」(驚愕)

何と!あのお方の声でメッセージが!!!ビックリ。目が思わず点に。
劇場に行かれる方は、あの「ヤバイボタン」是非お試しいただきたいです☆


 ☆★   ☆★


というわけで。

【黒版キャスト】(敬称略、複数役名がある場合はメインのみ記載、12日加筆)
桜井武史:畑中智行
コンドウ:阿部丈二
水嶋香苗:渡邊安理
香苗の父:西川浩幸
香苗の母:大森美紀子
香苗の姉:前田綾
工藤純一:大内厚雄
土屋:石原善暢
藤本:小多田直樹
藤木:笹川亜矢奈
谷口:毛塚陽介
村上:関根翔太
助監督:多田直人
監督:岡田達也
猫娘:岡内美喜子  

実は、予習用にWOWOWで放映された映画版を見る暇なく来てしまいました。劇場公開時に見たいと思いながらなかなか映画館に行くのが面倒で(苦笑)見なかった作品が多々ありますが、実はこれもその一つ。予備知識なく行くのも悪くはないや、と開き直りました(^^;

それでも予告CMなんかで知っている、あの銭湯シーンw、いったい舞台でどうするんだ?と思っていましたが…

ま さ か 。

そのまさかです。

ホントにアレをそのままやっちゃったか、キャラメルボックス!!!
もー、いろんな意味で衝撃的、いや「笑」撃的でした!!!

銭湯に入る桜井、そしてコンドウ…一応「ロッカー」に腰から下あたりは隠れるようになっているんですが、2階席からだと角度的にかなり下まで「見えちゃう」んですよ。ちょっとドキドキ。 ←違

で、銭湯って言うからには脱ぎますよね。
まさかなあ、と思っていた私が甘かった…!

少しのためらいもなくシャツを脱ぎ始める桜井に「えっ?」と思ったのもつかの間。
続いてコンドウが躊躇なく白ワイシャツを脱ぎ始め…「え?えええっ?」(呆)

シャツの上だけだよね、ハハハ…と思う間もなく、お二人はババッ!とズボンまで脱いでしまわれ…あ、もちろん腰タオル+肌色下着アリでしたが!(爆笑)映像では感じたことないのですが、生の舞台で脱がれると流石にちょっとビックリ!!!「役者さんってホントに生の舞台でも脱がないといけないのか…大変だな…」と、やや違う方向に感心しきりの私も「何かちょっと、見るとこ違うぞ!」な動揺状態。

それにしても!
さらに驚いたのが!

コンドウ役の阿部さんの見事な「細マッチョ」ぶり!!!
(二階席からガン見してる女子たちが密かにドヨめいてましたwww)

前回の『あなたがここにいればよかったのに』で、呼吸するように嘘をつく男を好演した阿部さんですが、あの通りすっごく細面+細身の方なので、まさかまさか!の大ギャップ。腹筋とか遠目にも見事にクッキリ!でしたもんね…絞りきった、まるで鞭のようにしなやかな腕や肩の筋肉!これは某大河ドラマでN島H俊さんが諸肌脱ぎになった時に「なんという筋肉美!」「あれぞ細マッチョの理想!」と話題になった、アレに匹敵する!と思ったものです。

(↑ だから見るとこ違うってwwwww) 

石鹸踏んですっ飛ぶシーンも、まさかまさかの「そのまんま再現!」舞台であんなの見られるとは!もう、笑えるやら驚くやら、観ている方は涙目です。ただ、さすがに腰タオルのままダンスに入ったらどうしよう、と本気で心配しましたが…そこはそれ、流石にそれやっちゃうとドリフになるので回避???

このダンスの衣装がまた、超・スタイリッシュ!そもそも舞台装置も、象徴的な白と黒の二枚のドアに、鍵穴を模したアーチ形の背景がとてもオシャレで開演前からウットリ見ておりまして…そこに白と黒の身頃の切り替えが鮮やかなロングジャケットを翻して踊るキャスト達。誰がどこにいるのかな、と双眼鏡で探すのももったいないほど、美しく絵になる場面。ええ、もちろんメインキャストのお二人も、入れ替わった衣装に着替えて踊りますのでご安心を!(再爆)

これから観に行かれる方は、ぜひ前方席をどうぞ。
あるいは銭湯&ダンスのところだけ双眼鏡推奨!

(↑ 果てしなく「見るポイント違う」ことを書いている自分が嫌になる…orz)


 ☆★   ☆★


気を取り直して!
映画版の脚本をもとに、成井さんが切り詰めたり補色したりして作り上げた舞台版のシナリオだそうですが、テンポの良さはキャラメルボックスならでは、でしょうか。数多い登場人物たちのキャラ立ちがすごい上に、CBの俳優さん女優さん皆さんが持つ個性というか、色合いのようなものが実に良く合っています。ナマで観るのは3公演、5回目に過ぎませんが、そんな新参者にもハッキリ伝わるほどの「混じり合いの面白さ」――黒版を観たら絶対に白版も観たくなる!のは確実です。

特にちょい役で【黒版】と【白版】のメインキャスト&端役が入れ替わるシーン。今回【白版】でコンドウを演じられる岡田達也さんが「TVドラマの監督」役になってますが、もう出オチ的に面白い!私にとって岡田さんは弦次郎(@TRUTH)であり、CBの看板俳優さんですが、いやー、あなた様しかアレはできません…としか。CB初心者にそう思わせる岡田さんの存在感が凄いwww もう今すぐにでも【白版】が観たいです!!!焦らさないでください!!!と叫びたくなりました。(笑)クロスキャストの面白さが、今回公演のポイントですよ、とはお聞きしていたものの、ここまでとはw

もう一つ感じたのは、この舞台では同じキャストの方が複数の役を演じられることが多くて、時にそれが「ぱっと見ではわからない」ほど作りこんであるのが、観る側にパズルのような楽しさを与えてくれている、と。西川さんの「お父さん」役はまさしく「西川さん~!」という感じでしたが、さすがに終盤で警官で出てきたときはどうしようかとwww(笑いを堪えるのに必死!)大内さんの演じる「工藤」の、残念すぎる自称ハイクオリティに悶絶しつつ「医者」では「ちょっと待てw」な笑い、前田さんの「翔子」が頭から齧るわよ!と啖呵を切る場面での迫力にビビり、番台のおかみさんの大森さんの「らしさ」に爆笑し、石原さんのCMネタにまた笑う。今日は偶然何と、次の週末一緒に観に行くはずの友人と劇場で会ってしまった(苦笑)ので、公演後に仕込まれた小さなネタを解説してもらって「なるほど!」と笑ってしまったことも多々ありました。友よ、ありがとう!抜け駆けはお互い様だということで、手打ちにいたそうw


 ☆★   ☆★


2時間が笑いとメリハリの効いた緊張感&ユルさに満ち満ちていて、あっという間でした。
渡邊安理さん演じる香苗の融通の利かない不器用な女の子っぷりにキュンキュンし(え?違う?)、畑中智行さんの演じる桜井の異様なまでのモフモフ・コロコロ全開のバカ可愛らしさ感はハンパなく、何より!コンドウ役の阿部丈二さんが、何とも言えない「いい空気」を常に身に纏ってお芝居をされていたのが印象的でした。(決して細マッチョだけを見ていたわけではない!w)

一番グッと来た場面は、コンドウが桜井に強烈なダメ出しをしてから「生きるための」演技指導をし始めるところ。何故か笑いを通り越して涙が出てくる不思議。ここも、阿部さんと畑中さんのお芝居の素敵な絡み合い。そして阿部さん=コンドウがものすごくカッコ良く見える!私もあんな風にダメ出しされたい!(←かなり見るところ違う…)

上演後のアンケートを書いていた時、その「いい空気感」がどういったものなのか、具体的に表現する語彙が浮かんできませんでした。お芝居の緊張感や切れ味、コンドウというキャラが持つ怜悧なまでの頭脳・演技力と垣間見せる優しさ…その二面性。とにかく「いい!」んですよ。あと、今回気づいたのは、阿部さん=コンドウの様々な声音で繰り広げられる「一人何役芝居」、その劇中劇的な面白さが、すごく「いい!」。

友人とも「コンドウ『いい』ね、よかったよね!」「あれは『いい』ね!」という会話だけで、全部通じちゃってました。ですから、私の語彙では上手に言い表すことができませんが、これは観て、聞いていただければわかるかなあ…と勝手に思っております。


 ☆★   ☆★


今日のカーテンコールは実に4回!鳴り止まない拍手!劇場中があたたかい感動と満足感に満ち溢れていました。それを象徴するかのような、最後に挨拶に立たれた阿部さんの言葉がまた「いい!」これまた、胸にググッとくるものがありました。

「こうしてお客さんの前で演じて拍手をいただけるのは本当に幸せなことです。もちろん、僕たちは演じることが好きで、稽古中でもそれは感じているのですが、やはりこうして同じ時間と空間を共有する、この楽しさや喜びに取りつかれてしまっているんだと思います。今日は本当に、ありがとうございました」(←おおまかな記憶です)


それはまさしく見ている私たち観客も「同じこと」を思っていたのではないでしょうか?
観る側も、演じる側も、同じ楽しさと喜びがある。
あの快感は他では味わえない。だから、劇場に足を運んでしまうんでしょうね。





 ☆★   ☆★


そんなわけで。
休演日明けあたり、またサンシャイン劇場に出撃しそうな私です。(笑)

今度は【白版】!もう、ワクワクし過ぎて今から待ちきれません!

それは決して岡田さん@コンドウの細マッチョぶりを確認するためだけではないのですがwwwww   
こっそり、期待してますw(^~^)b


(↑ あーあ…最後まで「落とした」な…(^_^;;;)




≪おまけ≫
帰宅したらポストにこんなハガキ発見!夏はもうすぐそこまで来ているようですw