古くなった給与明細は処分していいか、何年前のまでを取り置きしておけばいいか、という質問をよく見かけます。
それに対し賃金未払いの請求は5年で時効(法改正があるまで当面3年)ですので、未払い残業代請求考えてなくても3(5)年は保存したらいいという回答がつきます。
以下は筆者の意見ですが最低10年保管は必要でしょう。というのも、賃金過払いのケースがあるからです。すなわち計算間違いで多く支払った、支給手当の要件はずれたのに手当支払い続けたから、返してくれというものです。
賃金未払いと異なり、こちらは民法上の不当利得という法律関係(民法703条以下)に立ちます。時効も事業者が気づいて5年、支払って10年(どちらか先に到達した時点で成立)です。10年というととてつもなく長いですが、保管場所にゆとりがあるなら保管しておかれることです。こと気のぬけない雇用主だったなら、そうしておくことです。まさかの返金要求の時、保管してる給与明細がないと、申し立てた雇用主の証拠らしき給与明細が偽造だ、言いがかりだと対抗できないからです。
(2024年9月29日投稿)