労働法の散歩道

yahoo知恵袋で回答していて、繰り返し同じ投稿するロスを減らすために資料室としてもうけました。

給与明細書の保管期間

2024-09-29 13:47:26 | 賃金

古くなった給与明細は処分していいか、何年前のまでを取り置きしておけばいいか、という質問をよく見かけます。

それに対し賃金未払いの請求は5年で時効(法改正があるまで当面3年)ですので、未払い残業代請求考えてなくても3(5)年は保存したらいいという回答がつきます。

以下は筆者の意見ですが最低10年保管は必要でしょう。というのも、賃金過払いのケースがあるからです。すなわち計算間違いで多く支払った、支給手当の要件はずれたのに手当支払い続けたから、返してくれというものです。

賃金未払いと異なり、こちらは民法上の不当利得という法律関係(民法703条以下)に立ちます。時効も事業者が気づいて5年、支払って10年(どちらか先に到達した時点で成立)です。10年というととてつもなく長いですが、保管場所にゆとりがあるなら保管しておかれることです。こと気のぬけない雇用主だったなら、そうしておくことです。まさかの返金要求の時、保管してる給与明細がないと、申し立てた雇用主の証拠らしき給与明細が偽造だ、言いがかりだと対抗できないからです。

(2024年9月29日投稿)

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