各種労働統計調査で年次有給休暇の平均取得数や取得率を問われる機会があります。定義があいまいだからでしょう、それにまつわる質問をちらほらみかけます。
労働者に付与してから、労働者が取得するわけですが、一斉付与ならともかく、法定通りの各自付与(入社日基準等)の付与日はばらばらで、さらに繰越数を計算に含めない、となるとどう計上したらいいかわからないというのです。
統計調査の記入要領が詳細に定義してあるなら、それに沿って回答ください。ここでは、ただ単に付与数、取得数、労働者数を記入せよと、詳しく説明のない調査への道案内とします。
一定期間(1月~12月、4月~翌年3月等)において、文字どおり付与した総数、付与した時期が期初、期中、期末かは問いません。そして取得数も同様に、付与時期を問わず、対象期間中に労働者が年次有給休暇で休んだ日数を計上します。
「新規付与日数とその付与日からの1年間の取得」との連携をなぜ断ち切るのか、「繰越数を無視しながら、当人新規付与前の取得は繰り越し数からの取得」なのになぜ取得数のほうを計上するのか。なかなか理解できないのはわかるのですが、ここでの分母とする付与日数(総和)は企業規模を表している、そして個々の労働者への付与と取得に関連付けはしない、と割り切られるといいです。
付与数 | 対象期間中に新規付与した総日数 繰越日数を含めない |
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取得数 | 同一期間中に取得消化した総日数 時間単位はその労働者の所定労働時間を基準に日に換算 |
労働者数 | その期間中に取得可能な労働者総数 繰り越し数を保持する中途退職者を含める(期中、新規付与されるかは問わない)。 期中入社者で最初の付与日が、対象期間外であれば、労働者数に含めなくてよい。 |
平均取得日数=取得日数(総和)÷ 労働者数
取得率=取得日数(総和)÷ 付与数(総和)
出典
厚生労働省就労条件総合調査
(2022年12月8日投稿)