Carpe Diem

シンシナティ大学で都市計画を勉強していた、ある大学院生の物語。現在はマンハッタンで就活。

町に出よ

2011-08-24 11:45:01 | trip, event
8月23日に、街を歩きをする意義をもう一度考え直してみた。

日本建築学会大会の講演会「街を歩くことから始まる建築、都市の読み解きと未来への構想」に参加したことがきっかけとなった。このパネリストは薮野健さん、中谷正人さん、藤村龍至さん、そして司会は小笠原伸さんだ。それぞれが独自の視点から街歩きについて論じていた。参考として講義の中継「ツイート#aijaruki

特に大きな論点となったのは最近は以前に比べて街を歩かなくなった、ということだ。学生は家と学校とバイト先を日々往復するだけ。また海外旅行に行く人も減ったなどなど。これにはコンピューターの発達が関係していると藤村氏は言う。google mapなどのITの発達により、お金や時間をかけてその場所に行かなくなっても良くなったと。もちろん現在の日本の経済状況も大きく関係するはずだがそこは省略されていた。

でも僕はITがいくら発達しても街を歩くことはそれ自体に価値があるのではないかと考えている。ひとくちに街を歩くといっても一人ひとりで楽しみ方や方法はきっと異なるはずだ。上海にいた時はガイドマップを調べて有名なお店に行ってみたり、逆に何の目的もなくぶらぶらと歩き回ったりと。どちらも違った楽しみがあって新鮮だった。ただ建築や都市計画を学んでいるというのもあって、一番楽しいと思える方法は事前に行く場所の知識をつけてから行くのではないかと思う。

例えば僕は卒論で扱っていた横浜中華街を例にすると
「中華街大通りは2000年以降新らしく整備された。」
「中華街の中には9つの門が存在する。」

などの知識があると、じゃあ「他の通りと中華街大通りとでは何が違うんだろう?」とか「9つの門はどこにあって、デザインはどうだろう?」といった問題意識をもって行けるのでさらに別の発見ができる。またガイドブックやウェブではその街のことを視覚でしか捉えられないのに対して、街歩きでは五感で捉えることができ、視覚からの情報だけでは得られない発見や驚きが待ち受けている。その一つ一つの発見や驚きを積み重ねていくことでより街を歩くことが楽しくなるはずだ。

もしそのことがガイドブックの作成だったり、街づくりにかかわるといった仕事で活かせるなら、それも大きな楽しみになるのではないだろうか。


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