Carpe Diem

シンシナティ大学で都市計画を勉強していた、ある大学院生の物語。現在はマンハッタンで就活。

アートって何か?

2011-12-28 22:00:21 | daily life
シンシナティ美術館、

もしかしたら地方の小さな美術館のように聞こえるかもしれない。
でもこの美術館は1886年に施行が完成し、アメリカでも最も古い美術館の1つに数えられる。
またコレクションの数でも60000点もあり中西部でも最も貯蔵作品の多い美術館として知られる。



そんな美術館に僕は訪れた。
その美術館は小高い丘の上にあるエデンパークという公園のなかに存在する。
アプローチとして歴史のある石畳の階段と、うっそうと生い茂る木々が僕たちを歓迎してくれた。



美術館の作品には印象派や後期印象派のルノワール、ピサロ、モネ、
そしかのて有名なピカソの作品がたくさん展示されている。
それだけではなくエジプトなどで発見されたであろう、ツタンカーメンの仮面までも
僕たちが訪れるのを待っていてくれた。

立派な美術館の建物の作品群に感心しながら館内を廻っていると、
ある所にきてキュレターの女性に注意された。
「この作品の写真は撮ってはいけません。」
その作品とはアンディ・ウォーホルの「キャンベル・スープ缶」だった。



僕はとても不思議に感じた。
何でこの作品だけ撮影してはいけないんだろうか。
きっとこの作品に特別な意味があるからなのかな。

僕は興味本位でキュレターの方に話を聞いてみた。
「何でこのアンディー・ウォーホルの作品はこんなに特別なんですか?」

その方からこんな答えが返ってきた。
「私も正確なところは分からないんですよ。
きっと彼の作品はシルク・スクリーンペインティングっていう、
彼が生み出した独自の技法で有名人や日用品などを題材にした作品を大量生産したのが、
アメリカの1950~60年代の大量生産、大量消費の文化にあっていたんでしょう。」

なるほど。

正直アンディー・ウォーホルやその他のコンテンポラリー・アートを理解するのに苦しんでいる。
僕にとってはコンテンポラリー・アートは何の様式も持たない自由なので、
どれがよい作品で、どれがそうでないのかしっかりとした基準がない。

ただその作品にむかって自分の感性を信じて感じ取るしかない。
いつも僕は文章で説明してくれるのを待っているのかもしれない。
でもこのアートを目の前にするとそれが使えない。
だから自分の感性を最大限に研ぎすまして、自分がどう感じるか。
ただそれだけ、僕はそう感じる。

近代美術と現代美術の有名なものを網羅しているサイトとしてちょっと参考に:
      
      "近代美術と現代美術のアーティスト名鑑"

もし、他にもアートの楽しみ方があればコメントお待ちしております!


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キセキ

2011-12-27 21:54:04 | daily life



留学とは全く違うストーリーを一つ。


今朝、メールをチェックしたら大学時代の友人S氏からメールが届いた。
「11講の講座紹介のビデオをYouTubeにアップしといたよ笑。」
ということなので、この場を借りて紹介します!

このビデオは北大の建築学科にいた時に卒業論文の提出直前に作った、
それぞれの研究室を紹介するビデオ(のはず)です。
実際にうまく紹介出来ているかどうかは視聴者のコメントを待ちたいと思います。

建築や都市計画を学んでいる人以外には少し分かりにくいので、ストーリーについて少しだけ解説。

~ストーリー~

研究室の友人SとHが建築のコンペのパンフレットを発見!
(コンペとはコンペティションの略で実際に優勝した人の建築が施行されるコンペと、
 学生や社会人などが実力を競い合うためのと大きく二つに分けられる。このビデオでは後者の方。)
その賞金はなんと450万円!!
(注)実際の学生コンペの賞金はこんな高額ではありません。
もちろんやる気になった4人、そしてコンペの準備が始まります。
しかし話し合いの最中に意見が衝突し、なんと仲間割れが?!
さぁ、コンペの結果はいかに?そして4人の仲は回復するのか??

~ビデオ~

           "とある研究室のキセキ"


以上、ちょっとした報告でした(笑)


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大学の成績 & マダマダ

2011-12-19 22:12:04 | study abroad
以前ブログに載せた友達との2泊3日のRoad Tripの初日に大学から成績が公表された。
その結果はというと、4つの科目で最高のAと1つの科目でB+という感じだった。



僕としては正直Aを取ることができた教科もまだまだ理解が浅かったり、
小論文が期待より内容を掘りさげられなかったりと反省する部分がまだ結構ある。
英語も3か月間でリスニングとスピーキングは少しは上達したような感じがするが、
リーディングとライティングにはまだまだ課題が残った。

大学の授業も友達との小旅行も一段落着いて、
アメリカの大学院生活もこんな感じかと少なからず慢心していた時に以前から読みたかった
MITのSalonに留学したLilacさんのブログのMITの留学記を読ませていただいたところ、
自分の未熟さを改めて感じた。

数多い問題点の中で、特に自分に足りないと感じた所は

1、課題や仕事の質と量の違い
2、物事の理解の深さの違い
3、学習環境の違い

1、は作者が留学の最初の学期に料理や旅行、さらには課外活動もしっかりこなしつつも、
大量のリーディングや課題、テストを短時間で質の高い成果物を毎回出しているということ。
2、大学院で習う理論を日常の事象に当てはめて、深い視点から現象を理解している。
例えば経済の授業で習った理論で実際にサブプライムの問題を深く切り込んだり、
旅行中に訪れた個人経営のお店の品物を理論を使って理解したりなど。
3、MITという世界トップの大学なので納得できるが学習する環境のレベルが非常に高い。
例えば「Japan as No.1」の著者のエボラ氏や、
100kと呼ばれる全米の屈指の学生が参加するビジネスイベントを開催していたりと、
学生の知的好奇心を満たすのに十分な人材と環境が揃っている。

うちの大学でも1と2は個人の努力次第で実現出来るはずだが、3を実現するのは難しい。
でも行動すればそれに対する何かしらのリスポンスはあるはずなので、
大学の環境を少しでも良く出来るように、一人の大学院生として出来る限り貢献してみたい。
そして何よりもLilacさんのブログを見て一番自分に足りないと思うのが、「行動力」である。
次の冬学期の3か月間に何ができるかをもっと深く、そして正確に考えてみたい。


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Road Trip from Ohio to Tennessee

2011-12-19 15:10:02 | trip, event
12月15日から17日までのクラスメートとのロードトリップは大成功に終わった。

オハイオ州のシンシナティからケンタッキー州のマンモスケーブ(世界最長)、
そしてテネシー州のギャトリンバーグとグレート・スモーキー山脈国立公園を
クラスメートと2泊3日で巡るスケジュールを見事にこなした。

アメリカの道路は本当に一本の広い道路が永遠に続いているかのようだった。
その単調な道を車で一日5、6時間もドライブしていたから、会話の内容も趣味の話から
都市計画、そしてスラムや貧困の話まで多くの内容に触れた。

その会話の中で友達との旅はふだんは見えない友達の一面も見えたし、
色々な国のお互いの価値観や伝統の違いが話の中に現れたのもすごく面白ろかった。
そしてまたもう一度自分を見直すきっかけにもなった。

-(少しだけ)巡った場所の紹介-

マンモスケーブ
全長が長く全部回ることは出来ないので2時間ほどのツアーで一部だけ見せてもらった。
水の作用によってこんなに大きな洞穴が出来るのかと驚きの連続だった。


ギャトリンバーグ
すぐ近くのグレートスモーキー山脈が国立公園に登録されたお陰で発達した観光都市。
今はクリスマス間近のためクリスマスを意識したイルミネーションとなっている。


ハードロックカフェ
店内がロック一色で飾られているだけでなく、店員のかなりのロックぶりに感動してしまった。
店そのものがアメリカを象徴する感じで、ぜひアメリカに来た人は経験として行ってみては?


グレートスモーキー山脈国立公園
みんなとの記念撮影、一時間程しか回れなかったが本当に自然豊かで癒されました。



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"The Growth of the City"

2011-12-14 23:18:41 | study abroad
iPhoneでパソコンから同期した写真を見たら、今年の様々なイベントの写真で溢れていた。江ノ島での初詣から始まり、卒業設計、東京から京都への自転車横断、卒業式、富士山登頂、三か月間の上海滞在を経て、アメリカに渡り、秋学期を終え、そして今一年の終わりを迎えている。今年も色々あったな~、とはまだ言いたくない。来年はもっと多くの刺激的なことが待ち受けていると信じたい。まだ一年が終わるまでまだ2週間あるし、やりたいことはまだ山積みだ。その1つが秋学期の授業の復習、というのはまだ授業を完全に消化していなかったのと、教科書の内容がかなり面白かったので、今日はその中の一部を読み直してみた。次からは都市計画の専門的な話です。

○ ○ ○ ○ ○

以下の内容は
"THE CITY READER (Fourth Edition) Edited by Richard T. LeGates and Frederic Stout" の
"The Growth of the City: An Introduction to a Research Project" by Ernest W. Burgess より抜粋です。

この"The Growth ~"の著者はシカゴ大の社会学者でシカゴを実験舞台として、都市の成長が人々の行動にどのように影響を与えるかを研究した。"The City Reader" の本文で取り扱われているのは"The Growth~" の一部だがとても興味深い内容が記されてあった。

"The Growth~"では当時のニューヨークやシカゴを初めとする大都市がメトロポリタンとして成長していく中でどのように成長し、人々の生活や行動習慣を変えるかということを研究の報告である。Burgess氏によると大都市圏は以下の図のように.Loopと呼ばれるビジネスの中心、.TRANSITIONと呼ばれる中間層、.WORKING MEN'S HOMESと呼ばれる工場などで働く人々の住まい、そして.RESIDENTIAL ZONEと呼ばれる高級な住宅に分かれるそうだ。



また、このようなメトロポリタンエリアでは出生率の上昇や、出稼ぎによる人口の流入、流出という都市のメタボリズムを生み出している。これらの人口の変化が不自然な男性のみの増加や、子供の割合の変化、職業による棲み分けなどをもたらしていると筆者は主張する。またその影響の一部としてスラムと呼ばれる劣悪な住環境が形成され、貧困、病気、犯罪の温室になっている。これが図中のBlack Beltとして示されている。そして彼はこれらの諸悪の根源は都市の人口の急増にあると結論づけている。

○ ○ ○ ○ ○

この"THE CITY READER"という本は都市のことについて様々な分野の著名な専門家の著書から特に重要だと思われる箇所が抜き出して構成している。僕の場合は日本で都市計画を学んでいた時はずっと都市計画家の書いた本ばかり読んでいたけど、この本のように社会学者や地理学者といった都市計画家とはまた別の視点から都市を見つめ直せるのは本当に面白い。あと"THE CITY READER"の編者のLeGates氏には以前にもブログで書いたように上海の同済大学で偶然にも講演に参加したので、なぜか少し親近感を感じる。もしこの本に興味があれば、ペーパーバックなら日本のアマゾンからでも買えるし、パソコンにキンドルのアプリケーションをダウンロードすれば、アメリカのアマゾンからキンドルバージョンを安く買うこともできる。また他の章についてもブログで紹介していきたい。


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