Nonsection Radical

撮影と本の空間

伝道師

2016年09月28日 | Weblog
大阪に小吹隆文という人がいて、おもに関西の現代アートを紹介する仕事をしている。
この人のことはつぶやきサイトで知って、今でもどのような展覧会が関西で行なわれているのか情報を得ている。
実際に大阪に住んでいた時に、この人のつぶやきを知っていたら、もっとたくさんの美術展を見ることができたのにと後悔している。
住んでいた時には、内心では関西アートはそんなに盛んではないのかと思っていたんだけど、この人の情報で様々な面白いものが関西で行なわれていることがわかって、自分の情報力のなさにガックリきてしまった次第。
いわゆるアートというものが”金になるもの”という判断で評価される場合、ギャラリー付きでない作家というのは価値のないものとされるのだけど、こういう考えには同意しない。
だって売れている作家が面白いかというと、一概にそう言えないんだもの。
売れるにはそれだけの理由があるんだろうけど、その理由とアートとしての面白さとは別のものだから。
むしろ巷にアートがあふれている状態の方が”健全”であると思うし、少しずつではあるけどアートの面白さが世間一般に広がっていくことに力を貸しているだろう。
個人的には、”公式な”あるいは他人の評価など気にせずに、自分が好きな作品が自分にとってのベストだと思っているので、小吹隆文のような人が新しい情報を知らせてくれることには大変感謝している。
美における価値はどれも公平なんだから、有名無名で何かが変わるわけではないと思うんだよ。
これからの時代、投資の対象や金持ち相手のアートという形が成り立たなくなり、一般の人たちが楽しむアートというのが日本発で広がっていくのではないのかと期待しているんだけど、そのためにもアートの伝道師として氏の活躍を草葉の陰から応援している。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする