2023年9月13日 他愛ない話

電車で隣に座る夫婦らしい男女の話が聞こえてくる。
話の中身は、誰がどうしたという他愛ない話だ。
別の時に、女子同士が座る前面に立ち、あれだこれだと他愛ない知り合いの不平を言う。
そのたびに、なるほど世間ではこのように他愛ない話でコミュニケーションを取っているんだなと理解する。
歳をとって以前に増してどうでもいいという気持ちが大きくなってきて、大抵の事はどうでもいいと思ってしまい（事実どうでもいい事ばかりなのだが）、何も考えない事が多くなってきた。
だからこういう他愛ない話をする事ができないのだ。
口にする事さえどうでもよくて、だから黙っていた方がいいやと思う気持ちが大きい。
そうして何もない静かな時間を過ごす事が心地良く感じる。
一人で過ごすのも良し。
ニャンコが腰に乗ってきて黙ってじっとしているのも良し。

実はずっと以前から、理想としては、たとえば誰かと一緒でも何も話さず、何かの折りに同じシーンを見て「良いね」「そうだね」程度の会話ができれば（つまり同じ感性を持ってはいるという事）良いなぁと思っていたんだけど、普通世間ではそういうのはツマラナイ男と呼ぶので、なら一人で黙ってる方がイイやと結論づけていたのだが。
そんなこんなでこれからますます寡黙なツマラナイじじいとして静かに暮らしていけるよう精進します。