アンパンマンの作者のやなせたかしさんの本に最近はまって何度も読み返しています。
最初のきっかけは、東北大震災での大きな被害でみんなが何をやってよいのかわからない中であるラジオ番組に「アンパンマンのマーチを流してください」というリクエストがあり流したところ、子供たちがラジオに合わせて大合唱を始めた。大人たちもそれを見て涙を流して感動したそうです。それからラジオ局は連日アンパンマンのマーチを流したという話です。
震災のショックで全く笑わなくなってしまった子供がアンパンマンのポスターを見て笑い出し、それを見たお母さんが泣き出したというニュースもあったそうです。
世界にたくさんのヒーローがいますが、自分を食べさせるヒーローはアンパンマンだけです。ハンサムではないしカッコよくもない世界最弱のヒーローです。
アンパンマンの人気が高いのは2~3歳の子供たちでもう少し大きくなるとほかのヒーローに行ってしまうそうです。
出版社からは「幼児が読者なのですからグレードをうんと下げてください。」と何度も言われたそうですが「グレードは下げずに作者として伝えるべきことを伝えていこう」と決めて正しいことに大人も子供も関係ないという考えで「傷つく事なしに正義は行えない」というメッセージをアンパンマンに込めているそうです。
やなせさんの考える正義というのは明確です。とても素敵なのですがこれを書くと長くなるのでまた次の機会に紹介しようと思います。
アンパンマンのマーチの一節に「何のために生まれて何をして生きるのか。答えられないなんてそんなの嫌だ」という哲学的な問いかけの歌詞がります。
アンパンマンを好きな2~3歳の子供たちにそんなこと言ってもわからないと考えるのが普通です。
やなせさんの考えは「わからなくていい」そうです。わからなくても子供の頃からずっとそういうテーマの絵本やアニメを見たり、歌を歌ったりして子供の中に自然に何かが入っていき考え続けることが出来ればそのうち自分は何のために生きているのかが見えてくるそうです。
いつわかるかは人それぞれだそうですが、私の場合、50歳を過ぎてもまだはっきりとわからずに迷い続けています。
やなせさんがアンパンマンをテレビ番組として世に送り出したのが70歳だそうです。
それから亡くなるまで書き続けたので、まさに人生の晩年になってアンパンマンは本当の意味で世に出た事になります。
それを思えば、まだまだ私もこれからできる事なんてたくさんありそうです。
「何のために生まれて何をして生きるのか」いつか明確な答えを自分の中でつかみたいと思います。