先日、マスターズ日本記録を更新した山口先生がYahooニュースにも掲載されました。
山口先生のように70歳になっても体力と健康を維持するコツがあるのか聞いたところ、元校長先生らしくレポートを頂きました。
以下山口先生のレポートです。
「鍛える」から「喜多得る」へ
〜40歳以降の「運動・スポーツ」との向き合い方〜
身体的健康(筋力・平衡感覚、敏捷性、持久力、柔軟性等)、精神的健康(ストレス解消、意欲、免疫機能の向上等)やフレイル等社会的健康(機能障害、ロコモ、閉じこもり、栄養障害、老人性うつ等々)予防を願うなら、40歳以降は「鍛える」という考えを捨てた方がいい。
特に私たち世代(70歳以降)は、運動・スポーツ=鍛える、というイメージが強い。
中学・高校時代は、「運動中、水を飲むな!」と教えられた世代である。
私は、40歳以降、「喜多得る」という考えの元に運動・スポーツをするようにしている。
では、「喜多得る」とは何か?私の造語である。
「喜多得る」とは
〜多くのスポーツや運動を楽しみ(触れて喜び)それらを通して身体的健康、精神的健康や社会的健康を身につける〜という意味である
40歳以降、私が親しんでいるスポーツや運動は以下の通りである。
① スキー(シーズン10日以上出かけている)
② 自転車(現在、「旧東海道チャリ栗毛」と称して日本橋から京都三条大橋までの走破を目指している。現在熱田神宮まで走破した)
③ 陸上
④ ゴルフ
⑤ 野球(還暦・古希)
⑥ 散歩(1時間程度の距離を5コースほど設定し、その日の気分でコースを選択)
⑦ テニス(教え子らと)
⑧ 登山(県内の低山、ちなみに富士山は12回登った)
⑨ スポーツジム
⑩ SUP(スタンドアップパドルサーフィン)
⑪ 水泳(プールで歩く)
全てのスポーツを「鍛える」という意識はなく、楽しんでいる。
さて、それではなぜ、「喜多得る」なのか?
それは、多くのスポーツを楽しんでやることで、意識することなく全身の体力要素や精神的健康を得られるからである。
例えば、自転車では、太ももの筋肉や平衡感覚が、スキーでは、敏捷性、持久力、平衡感覚、筋力等が、また、登山では全身の筋力や骨、心肺機能も楽しみながら身に付く。白銀の世界を風を切って疾走する爽快感、山頂にたった時の達成感は日頃のストレスを忘れさせてくれる。
運動スポーツ好きの私でも60歳過ぎてからの「鍛える」スポーツ、運動はさすがにきつい。きつければ長続きしない。加齢に伴って「長続きしない」ことは大きな問題である。
できれば、フレイル状態をできるだけ先延ばしするためにも、長続きさせたい。
そのためには、楽しむことである。
中でもスポーツジムは、上記すべてのスポーツ要素を多種多様なマシーンで体感し喜多得られることが魅力である。
私が行っているジムは、多種多様なマシーンが揃っていて、真冬や真夏でも快適な環境の中で運動を楽しむことができるので、高齢者には最高の運動環境である。
親しい仲間とおしゃべりしながら軽運動を楽しむ、口も鍛えられる(笑)
高齢者にこそスポーツジムはお薦めである。
最後にもう一つ、スポーツに年齢などない。と言いたい。
マリンスポーツの一つSUPというと、若者のスポーツで敷居が高いとお思いだろうが、そのような壁を作ってはならない。
SUPは、水の上でボードに乗ってパドル(ボートで使うオールのようなもの)を漕いで水面を進むスポーツであるが、加齢と共に衰える平衡感覚を養うにはもってこいのスポーツである。ボードから落ちても、落ちた先は硬い地面ではなく水の上であり、怪我がない。もちろん、救命具を装着しているから溺れる心配もない。私たち世代にこそ是非ともお薦めのスポーツである。
今回、M70の部(男子 70歳〜74歳)、槍投げで日本記録を出せたのも上記の多くのスポーツに親しんできた結果だと思っている。
ぜひ、これから壮年期、初老期、高齢期に向かわれる方々には「喜多得る」を実践し、身体的、精神的、社会的健康を末長く維持していただきたいと願っている。
共に、顔晴りましょう!
文責 山口 久芳(70歳 志茂組)
山口先生の言う、身体的健康、精神的健康、社会的健康という考え方はとても大切な事だと思います。
若い頃は一つのスポーツに打ち込むという事も大事ですが、40代、50代、60代と歳を重ねて長く健康的に生活するには運動を「楽しむ」という要素の方が不可欠です。
今後のスポーツクラブS&Cの方向性としてはこういった事をしっかりと考えていこうと思います。