Dr.keiの研究室2-Contemplation of the B.L.U.E-

ラーメンの技術と社会福祉援助技術♪

●今日は補講で社会福祉援助技術の講義。
ま、番外編なので、自分なりの援助論を熱く語ってみた。
その内容は次のとおりです♪

***

この講義は「援助技術」の話。

でも、援助の「技術」っていうのは、
そう簡単に教えられないのだ。
(人間ひとりひとり違う存在なので)

実際に一対一で教えていくしかないし、
それがいいかどうかも分からない。
話を聞いて、こうすりゃいいんだっていうものはほとんど「ニセモノ」だ。
人の援助なんて、講義で教わるもんじゃないんだな。

だから、教科書にシュトロバッハさんの本を選んだんだ。
彼女は、色んなところからヒントを得て、
全部自分で考え抜いて、実践をして、一冊の本に援助内容をまとめている。
この本は、彼女自身のオリジナルの援助技術なのだ。
(当然、彼女も色んな人から具体的に指導を受けている)

援助技術は、講義や授業で学べるものじゃない。
医者の技術は大学で学べるし、講義で学ぶこともできるだろう。
医者たちは、複雑な技術や理論をもっているから、尊敬されるのだ。
でも、医者たちは人間の心や複雑な心境を必ずしも見なくてもよい。
彼らはあくまでもテクニックがあればそれでよいのだ。

だが、われわれの世界は違う。
福祉や教育における対人援助は、医者が手術を行うように、
技術で治療するようなものではない。
まずもって、援助は治療ではない。

社会福祉の援助の技術は、いわゆるスキルやテクニックではないのだ。

***

そこで、ラーメンである。

ラーメンの世界は、調理の世界の中でも、
最もスキルやテクニックのいらない世界だ。
誰でも開業できるし、誰でも作れるし、
誰でも人気店にすることができる。

だが、日本料理の世界は違う。
(今は失われつつあるけど)職人の世界だ。

職人の世界ゆえに、長い修行が必要だ。
少なくとも15年、最初は給料なしで働かなければならなかった。
厳しいヒエラルキーも存在する。
(下洗い~中洗い~立洗い~立廻り~
盛付け~焼き方~脇鍋~煮方~脇板~板前)

板前(親方)の指令は絶対であり、親方の権力は最強である。
その親方の下で、弟子たちは調理の技術をしっかりとゆっくりと学んでいく。
独立するまでに15年はかかるといわれている。

ところが、ラーメンの世界は違う。
上のような修行がいらないのである。
人気店の多くが「独学」をウリにしている。
またたとえ人気店で修行しても、それがウリにあまりならないし、
どんなに修行をしたとしても、15年はかからない。

1000軒以上食べ歩いてきて、これははっきりと言えると思う。

ラーメンの世界も、福祉の世界と同様、スキルやテクニックでない別のものが
必要となる。

では、その「別のもの」はどうやって得るのか?

僕の分析によれば、
その「別のもの」を得るために、
ラーメン屋さんがしていることは以下の四つ。

① 食べ歩き
② 食材探し
③ 実験
④ 試行錯誤

この四つが、彼らの「腕」を作っていく。
こうした学びは、修行とは別の学びであり、
また自己流の勝手な独学でもない。

こうした学びを通して、彼らが獲得するのは、
「これが俺の味」、という自分の味である。
奇しくも山岸さんの本のタイトルは「これが俺の味」だ。

***

社会福祉援助の技術も、これと同じことがいえると思う。
援助の技術は、まさにこれがわたしの援助だ、というものでしかない。
シュトロバッハさんもこの本で、「これが私の援助!」というものを出した。

人に言われてそれをただ真似するのではなく、
自分の頭で考え、直接他者(他の実践者や利用者さん)とかかわることで、
自分なりの、自分にしかできない「技」(援助技術)を見いだすべきなのだ。

***

そんな話を今日はしてみました♪
今日だけの限定講義でした。
この話はもう二度といたしません。
限定メニューのパクリだな。

コメント一覧

kei
匿名さん

匿名さんは今年卒業の学生かな?!
だとしたら、今年はラーメンと福祉については話してないからね~~(汗)
今年は「愛すること」と「待つこと」の二本にしぼったからね~
もうすぐ卒業なんだね!!
おめでとうです。
僕のつたない講義を聴いてくれてありがとう。心から感謝します。

小出先生

ご無沙汰しています!!
コメントありがとうございました。
このブログはあくまでも僕の趣味の世界です。
仕事の世界とは(僕の中で)区別しているので、その点ご理解願います。
僕は今先生として日々頑張っています。
このブログでは教師の素顔はできるだけ、見せないようにしています。
なので、このブログを見て、僕の今を想像なさらないでください。お願いします。

僕は今すごく楽しくやっています。
教師ライフがすごく楽しいです。
昔の自分もいいですが、
今の自分の方がもっと生き生きしています。
「教育の世界からかけ離れたところで」とおっしゃいますが、僕は今どっぷり教育の世界につかっています(当然研究の世界にもはまっています)

ラーメンの研究は僕の研究の一つです。何を研究するのも個人の自由ですよ。小出先生も是非ご自分のテーマを決めて研究されてはいかがでしょうか。人のダメなところを否定するより、自分の持ち味をどんどん生かしていきましょう!

僕も「自己変革」を常に目指して、ずっと転がり続けるつもりです。

*あと裸の王様でもいいかな、と。うちの(厳しい目をもつ)学生が全部見抜いてくれますから!! 毎回、授業のコメントを書いてもらっています。うちの学生(先生の後輩のみなさんですね)、みんな厳しいですよ~ 学生から学ぶことはホント多いです。
小出哲也
固執しすぎ
久しぶりのコメントです。
このところコメントする気も起きませんでした。何を考えているのやら・・・というのが本音です。貴公の考えられている世界が「教育」という世界からかけ離れたところで、自己満足に陶酔しているとしか感じられません。ラーメン店「店の味つくり」と教育者としての「技術習得」を同じ物と考える根拠が見つけることができません。ラーメン店の店主の扱う材料と、教育の扱う材料の違いは「心を持った生き物」かどうかではないですか。「自分の技術」としては同じでも、材料が「心を持った人」である限り、自分お勝手にしてはいけない部分があります。そういう点をしっかりと見据え「援助する姿勢」を伝えることは、教えられることではないですか。大切なことを見つめていない方の文章としかここ2年の貴公の文章は読めない私です。若かったころの自分を振り返ることをお勧めします。どんなに自己満足が愚かなことかよく考え、ひたむきに自己変革を目指すことが、学ぶということだと思い出していただきたいです。裸の王様にならぬようにご注意下さい。
匿名
こんにちは
先生は講義でよくラーメンの話しますけど、ラーメンと援助の話がつながらなかったです。(´▽`)
でもこうやってブログで詳しく先生の考えを読むと少し分かった気がしました。
わたしはもう卒業ですが頑張って下さい。
名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「教育と保育と福祉」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事