このブログで、このバンドについては結構書いてきた気がする。Dir en greyにかなり酷似したバンドではあったけど、今のDir en greyにはないvisual系っぽさをもっている。そこが、また往来のファンには受けたのかもしれない。ただ、あまりにも似すぎているために、ある程度のところまでは認知されるに至っているが、その後の動きがやや足踏みしている感じもする。
多分、Sadieのメンバー自身が一番、その混迷を感じているんじゃないかな。でも、さっさと解散する、という道は選ばず、じっくりと活動を着実に続けている。そこに、僕は強い共感を覚える。すごい、と。バンドって、上向いている時は、みんなうまくやるけど、停滞すると、どんどん空気が悪くなってくる。ひどい場合だと、「売れないのは○○のせいだ」と、メンバーに責任を押し付ける場合もある。ま、それが人間なんだけど。
けれど、Sadieは違う。地道にしっかりと活動を続けている。それだけですごいことだと僕は思う。
さて、本作「RED LINE」は、6曲入りのミニ・アルバム。本作の代表作とも言えるキラーチューン「RED LINE」で幕を開ける。ツインギターのハーモニーがきれいな曲。メッセージ性が強くて、いいね。「ダイヤとガラスをAとBに分けて誇らしく選ぶ人よ 誰もが弱くてもがき続ける自分の居場所を求めているのに」って、ずきゅんときた。Sadieだねー。そして、シンセ?を多用した不思議&奇妙な「RODEO SCREAM」。ちょっとメリーっぽくもあったり、90年代V系の匂いのするサウンドが楽しめる。サビはなんかDirのR(の反対)to the coreに似てるかな。で、ハードコアテイスト満載の「朦朧」。ゴリゴリでザクザク。00年代以後のネオV系らしい一曲かな。なんだけど、歌い方はどこか80年代ハードコアっぽかったり、あるいはオペラっぽかったり。なんか実験しているなぁっていうのが伝わってくる。4曲目の「Skeleton Bug」はちょっとまったりした曲。ヘビーなダウナー系。歌の入れ方や歌い方に「実験の要素」が感じられる。近未来感たっぷりで、ギターのエフェクト効果なんかにもこだわりが感じられる。そして、ピアノと真緒の美しいバラードから始まる「DAYDREAM」。ちょっとDIE IN CRIESっぽさも感じる一曲(Aメロ、似てる曲あるからね)。サビもDIE IN CRIESかも。これは、僕ら世代の人にも確実に受けるんじゃないかな。うん。そして、最後もまた「実験的」な要素がすごい強い「声」。SadieはいつからC4になったんだ?という突っ込みはしなくていいか。これが一番、未来のSadieを感じたかも。あのー。真緒って、普通に唄った方がかっこいいんじゃないか?! ファルセットもきれいだし。つぶやいているその声がすごいかっこよかったから。
まさに、実験的な一枚だった。良くも悪くも、これまでのSadieとは違うテイストがどっぷりと詰まっている。これをどう捉えるかは、ファンひとりひとりの問題だろうな。ただ、このバンドは止まることせず、変わろうとしている。それだけは確かだと思った。バンドには、これという答えはない。今、一番かっこいいと思うことをやればいい。自由だ。ある意味、この作品のSadieは、かなり自由な気がする。そこに、これからの可能性が確かに感じられた。
これからのSadieに注目したい。
[PREVIEW PV] Sadie - Daydream (MINI ALBUM "RED LINE")