久々の久々にやって来ました!!
我が愛しの愛しの銚子へ!!(2019年4月以来!!)
千葉で最も深淵なラーメンの町、銚子。
この数年で、銚子のラーメン界も随分と変わりました。
老舗のお店がどんどん廃業していくのを実感しています。
これまでの銚子リサーチで最も感動したお店の一つ、「越後屋食堂」も閉店してしまいました(;;)。ここの天ぷらラーメンは、もう「神レベル」の崇高なラーメンでした…。
かつて無数にあった銚子のラーメン屋台の最後といわれた名前のないラーメン屋台店もなくなったと聞いています。
一番ショックだったのは、外川にあった「そば 中華 つかさ」の閉店でした。銚子の伝統的地ラーメンである天ぷらラーメンを出していたお店。外川駅すぐの場所にあり、アクセスも本当に良いところでした。
独自のラーメン文化を育んできた銚子。その銚子の歴史ある名店がなくなっていくのは、本当に辛いですし、惜しいですし、残念です。
銚子の議員さんたちがこのブログを読むことはないと思いますが、千葉県内でも本当に本当に独自のラーメン文化を持つ銚子から、このラーメン文化が消えることは、銚子市にとっても大きな痛手になると思います。00年代~10年代に跋扈した「人工的なご当地グルメブーム」で生まれた再帰的なご当地ラーメンじゃない、真正の神聖なる大地に根付いたローカルラーメン文化をもつ銚子です。是非、後継者探しやお店への支援を含む総合的な政策をご検討いただけると幸いです。
***
そんな銚子で、今一番食べるべきお店の一つが、、、
こちらのお店!!!
長寿庵
であります!!
このブログでは、もうすっかりおなじみの「長寿庵」!!
千葉の各地に長寿庵がありますが、こちらもまた長寿庵なのです
念願の再訪だったのですが、、、
実は、その2015年に、こちらの店主さん、お亡くなりになっていたのです…。(生きておられれば、今年69歳だそうです。ということは64歳で亡くなられたということになりますね。お若くして亡くなられたんですね…)
それでも、長寿庵は、店主さんの奥様が守り続け、今もなお営業を続けていたのです!! それ自体、とても稀有なことですし、廃業していても全くおかしくない状況だったと思います。
今は、奥様がお一人で歴史ある長寿庵の暖簾を守っているんです。
「大塚支店」「坂本」はよく知られた有名店ですが、こちらの「長寿庵」はまだまだ多くの人に知られていないお店だと思います。けれど、ここのラーメンは、大塚支店とも坂本とも違う味のラーメンで、しかも「長寿庵」という店名からは想像できないような凄いラーメンが出てくるんです。
暖簾がとっても綺麗なのです。
きっと奥様がきちんと大切にしているんだと思います。
歴史ある古いお店ですが、こうやって暖簾を綺麗にしながら守っているお姿に心打たれます。
…
で、お店に入ると、、、
まさかまさかの「満席状態」!!\(^o^)/
席が空いてなかったので、この場所にして、外で待つ、という!!。素晴らしいです。本当に。
地元のお客さんで賑わっていました。地元のお客さんに愛され続ける銚子の知られざる名店、これで、このお店が気にならないラーメンフリークさんっているでしょうか!?
長寿庵@銚子のメニューは…、いっぱいです!
かけそば、もりそば、たぬき、きつね…。
そう、今回詳しく聞けたのですが、こちらの長寿庵は、千葉の長寿庵ではなく、板橋区(江古田付近)の長寿庵ののれん分け店なんだそうです(たしか恐らくこちらの長寿庵だと思われます)。板橋の長寿庵の店主さんのご親戚にあたるのが、5年前に亡くなられた店主さんだったんだとか。(となると、その板橋の長寿庵にも行かなければいけない、、、)
歴史ある(しかもわりと謎だらけの)長寿庵ののれん分け店とあって、お蕎麦のメニューはホント色々充実しています。
また、丼ものも色々あって、これ、全部食べたいなぁって思います。(また来なきゃ!)
ちなみに、メニューもお値段も5年前と変わらず…(凄いです!)
でも、今回のミッションは、やっぱりこちら!
5年前に頂いて感動した「中華の部」。
前回食べた「ラーメン」は一杯たったの450円。でも、そのクオリティーは800円のラーメンに負けないレベルでしたからね。ここの450円のラーメンを侮ってはいけません。
あと、こちらも前回頂いた「もち入りラーメン」(650円)。もち入りラーメンなんて、なかなかラーメン店でも見ないメニューですよね。これを見て、このお店に興味をもたないラーメンフリークさんっているんでしょうか?(二回目)
今回は、「チャーシューメン」(700円)を頂くことにしました!!
現在、チャーシューづくりにハマっている僕ですからね。こちらの銚子の長寿庵のチャーシューを食べて、また色々と感じ、学びたいと思います!!
こちらが卓上のメニュー表です。
個人的には、「野菜いためライス」と「エビフライライス」が食べてみたい…
…
というわけで、、、
ジャジャーン!!!
チャーシューメン(700円)
の登場です!!
おまけとして「お漬物」まで頂いてしまいました。
ありがとうございます(;;)
まずはともかく、ご覧ください!! 「長寿庵」のラーメンとは思えないこの豪快でワイルドで豪華で美しい極上のチャーシューメンを!!!
これで、700円ですからね。もう「あっぱれ!」としか言いようがありません。しかも、お漬物付き、というまさに「おもてなし」の心に満ち溢れた素晴らしい至福の一杯です。
何の先入観も持たずに、このラーメンを見ると、むっちゃ濃厚なラーメンに見えてきませんか? 濃厚魚介豚骨風のラーメンみたいな感じに…。
銚子の駅から遠く離れた漁港近くの老舗のお蕎麦屋さんの「長寿庵」で、こんなラーメンが出てきたら、ひっくり返りませんか? この画像を見て、「食べに行かなくっちゃ!」って思わないラーメンフリークさんっていますかね?(三回目)
前回のレポを見ると、ここのラーメンのスープは、背脂と鰹だしを使ったスープと記されています。たしか店主さんにお話をうかがったと(かすかに)記憶しています。
でも、今回、更に奥様からスープについてお話を伺うことができました!!
その前に、まずはインプレッション。
スープを飲むと、前回同様、やっぱりワイルドなやや臭みの残るこってりとしつつも、すっきりとした味わいのスープでした。見た目こそ、「濃厚そう」ですが、スープを飲むと、いわゆる「ドロ系」のあのドロドロ感や濃厚スープ特有の重厚感はあまりありません。
手作り感のあるこってりとしたマイルドでワイルドでコクのあるスープでした。
使っているのは、鶏、豚、鰹節、鯖節等々で、やはり「動物魚介系スープ」「鶏豚骨魚介スープ」でありました。そこに背脂も入れているんだと思われます。故ご主人の思いを受け継ぎつつ、このラーメンを作り続けてくれている奥様には、もう頭が上がりません。一瞬だけ、「女神さま」にも見えました。。。
鶏豚骨魚介スープ。方向性的には、「ラーショ系」でも「家系」でも「背脂チャッチャ系」でもなく、また「魚豚系(濃厚豚骨魚介系)」でもない…。強いて言えば、昔の「東池袋大勝軒風」(?!)…。山岸さんが現役バリバリだった頃の大勝軒風の味わい??(本当に強いて言えば…) でも、江古田付近の長寿庵のラーメンを参考にしているとなると、間接的には(東池袋大勝軒から)何らかの影響は受けているかもしれません…。
強いて言えば、「お蕎麦のようにズルズル食べられるライトな豚骨魚介系ラーメン」!?
考えてみると、こういう老舗のお蕎麦屋さんのラーメンで、ここまでこってりとしていて(つまりは濃厚で)鶏・豚の動物系のダシと魚介の旨みを重ね合わせたスープのラーメンを出すお店って、全国的に見ても、かなり珍しいケースだと思います。和ダシの旨みがほとばしる和風中華そばを出すお店はわりと全国どこにでもありますが、、、。そう考えると、やはりこのお店は、全国的にもレアなお店なんだとやっぱり思います。
これで、このお店に興味を持たないラーメンフリークさんっているのでしょうかね?(四回目…そろそろやめます…(;´・ω・))…
麺はこんな感じです。
「長寿庵」なので、もともとは中華麺も故ご主人が打っていたみたいですが…
今は、製麺所から麺だけは仕入れているとのことでした。
この麺、「お蕎麦屋さん」のラーメンに使う麺だけあって、とっても弾力性のある生き生きとした麺になっていました。ワイルドなスープに負けないパワフルで力のある麺でした。
量的には、うん、わりとほどほどって感じかな??
老舗店にありがちな弱々しくて歯ごたえのない残念な麺ではなくて、麺においても、ここ長寿庵の麺は、やはり存在感のある麺になっていました。お見事です。
トッピングで付いているただのゆで卵もまたいい味を出していました。味の強いスープには、無理に味付け玉子にしなくてもいいんですよね。ホント。ただの半熟玉子でも十分に美味しく頂けますからね。
チャーシューは、いわゆるパサパサ系ではあるのですが、味わい深いチャーシューでした。パサパサなんだけど、食べにくくないといいますか。パサパサしているけど、もっちりもしていると言いますか…。まさに「匠の技」なのかな??、と。。。メンマも、臭みが一切なくて、美味しかったです。具沢山なのもいいですね~。
…
で、、、
こちらが、長寿庵オリジナル、
もち入りラーメン(650円)
です!!
とんでもなく素敵なヴィジュアルのラーメンですよ。
ラーメンライスがあるなら、もち入りラーメンがあってもいいですよね。
麺×お餅で、かなりお腹一杯になれると思います。
このお餅とスープのバランスもとってもアンビエントで、コンティネンタルで、コスミックで、ノスタルジックで、エモーショナルで、まさにエモい味わい(!?)でありました。
「ちからうどん」があるのだから、「ちからラーメン」があってもいいですよね。
こちらの奥様の自家製のお漬物です!!
このお漬物もラーメンと一緒に食べると、もうそこはラビリンスの世界…。
ラーメンとお漬物の可能性って、まだまだいっぱいありそうな気がしてきました。お漬物味のラーメンというのもあってもいいかもしれない。。。
トッピングに「お漬物」という選択肢があっても面白いかもしれません。「納豆漬物ラーメン」なんてあったら、もう僕は失神しちゃいますね(苦笑)…。あるいは「紅生姜納豆漬物ラーメン」とか?? 更には、「生姜納豆漬物キムチラーメン」とか?? 嗚呼、妄想が止まりません、、、
***
というわけで、、、
銚子の知られざる超名店「長寿庵」の二度目のレポをお届けいたしました!(厳密に言えば、三度目なのですが、一度目の訪問の際は、急ぎの用があるとかで、食べられませんでした。それも今はいい思い出です…)
帰り際に、奥様とお話することもできました。僕が(いつものように大げさに?)「とってもとっても美味しかったです!」と言うと、嬉しそうな顔をしつつも、ぼそっと、「明日、お店をたたんでもおかしくないお店だけどね」、と仰っていました。4人で昼から酒を交わす常連さんの方を見ながら、「お客さんがお店を支えてくれているんですよね。お客さんが来てくれるうちは頑張らないとね」、とも。
これこそが、「ラーメン店の目指す先」が示されているように思います。
お店もやがては「終わり」を迎えます。「どう店を終らせるか」、というのも、実際にお店を営む人にとっては重要な問いだと思います。僕のこの20年ほどのラーメンフリーク人生を振り返ると、たくさんのお店と出逢いつつ、たくさんのお店とのお別れもしてきました。中には、「なんでやめちゃんだよ!」って思う閉店もいっぱいありました。どことは言いませんが、僕が死ぬほど愛したお店も、理由も告げずに、そっと閉店してしまいました。僕というお客さんがいるのに…(;;)…。
長寿庵は、創業者である店主さんが亡くなり、その意志を継いで奥様が店を守り、店をたたみたい気持ちもありつつ、お客さんが来てくれるからという理由で、お店を営業し続けているお店なんです。これこそが、ラーメン屋さん・飲食店の「来るべき未来」じゃないかなって思います。
ラーメン店って、基本的には「薄利多売」の業界なんだと思います。お金儲けできる人はごく僅かで、ほとんどのお店がギリギリのところで頑張っていると思うんです。でも、そのお店に救われている人も絶対にいるんです。儲けだけで考えると割の合わない仕事かもしれませんが、「小さな幸せ」を与え続けられるのも、こういうお店の「特権」だと思います。
なぜ店を続けるのか。どう店を終らせるのか。
一人ひとりの店主さんがその答えを探しながら、きっと日々のお仕事に励まれていると思います。僕らラーメンフリークはそんなお店の善き応援団でありたい、と願います。
次回は、冷やし中華と冷やしたぬきを食べたいなぁってちょっと思いました。(でもまたラーメン類になっちゃうんだろうけど、、、(;´・ω・))
銚子駅からの時刻表が掲示されているのも、なんかいいですよね~。
みなさまも是非是非、一度、お店が閉店する前に、ここでラーメン類を食べてほしいなと願います。
ホント、素敵過ぎるお店ですから!!!!